ENTRY

LOGIN

EYESIGHT

アイサイト

人々の命と安全を守る、
という使命。

ENGINEER’S PROFILE

MASAYUKI KISE

先進安全PGM
プロジェクト・シニア・マネージャー
1995年入社
工学部 電子通信工学科卒

四半世紀を超えて。
EyeSightという名の
安全技術への執念。

SUBARUがステレオカメラを使った安全システムの開発をはじめたのは、1989年のこと。
はじめて商品化されたのが、10年後にあたる1999年。そこから改良を重ねに重ねて、2008年に発売されたEyeSight。
人の目と同じように、左右2つのカメラで立体的に環境を把握し、クルマだけでなく歩行者や自転車なども識別し、
対象との距離や形状、移動速度を正確に認識することができる安全技術システムです。
長い年月をかけて開発してきた道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
なぜ、EyeSightは生まれたのか。
EyeSightが背負う社会的使命とは。開発エンジニアの声を通じて紹介します。

安全にこだわる歴史と文化が、
EyeSightの生みの親です。

SUBARUには安全に徹底的にこだわるというDNAがあります。それは、スバル360の時代から変わっていない。このクルマは昭和33年に発売されたものですが、運転時に視界が広くて周囲が見やすいとか、操作しやすいといった「0次安全」の考え方を徹底している。その次の流れとして取り組んだのが衝突安全です。衝突時にドライバーを守るために、衝撃を吸収する潰れやすい部分をつくり、ドライバーを包む部分は頑丈につくる、といったボディの進化が始まりました。その次の流れが事故を未然に防ごうというアクティブセイフティの流れです。ぶつかる前から電気仕掛けでコントロールしようという技術ですね。そしてEyeSightの技術領域へと発展していったわけです。ステレオカメラという発想は、実は、エンジンの性能を測るための実験プロセスからきっかけを得ています。エンジンの燃焼状態を正確に確認するためには三次元的に空間を把握する必要があった。そこで、ステレオカメラを使っていたのです。「この技術をクルマの前方につけて、クルマや人との距離の把握ができれば、もっと安全になるのでは?」と、スタート。しかしながら、なかなか結果が出ずプロジェクトの存続さえも危うい時期もありました。こうして四半世紀も続けてこられたのは、やはり安全へのこだわりの強さなんだと思います。儲かるからではなく、人の命を救いたいからという考え方。関わるエンジニアたちも、スゴいことしてやろうとか自己中心的なことを考えている人はいません。事故を防ぐためにはどうしたらいいのか、真面目にまっすぐ考えている。EyeSightのヒットの背景には、SUBARUの文化が時代とマッチしたというのもあるのかもしれません。

人間の機能を目指したい。
だから2つの目を持つステレオカメラ。

このシステムの特徴は何といってもステレオカメラです。人間の目の代わりとなり、運転をアシストするのだから、人間の目に近いものがいいはずだ。このような発想でステレオカメラを選んでいるわけですが、そもそも、ステレオカメラというものは、どうやって三次元的にモノを見ているのかというのを、少し説明しますね。人間の目は、右目と左目で微妙に差のある映像を見ています。その差が大きければ近くにあるもの、小さければ遠くにあるもの、そうやって立体的に環境を把握しているのです。EyeSightは、この原理を利用して、車両の前方にある物体との距離やその形状、移動速度を正確に認識することができるのです。カメラで対象物を認識して、認識した情報を素早く処理して、クルマを正確に制御する。この一連の工程、今の時代だとそう難しくないことに思われるかもしれませんが、開発スタート当初はパソコンも普及していない時代。試作車のラゲッジいっぱいにコンピュータを詰め込んではテストを繰り返す。そんなアナログな毎日でした。ちなみに、ステレオカメラ単体で全ての制御を実現しているのはSUBARUのEyeSightのみ。先行車や歩行者などを検知するためのセンサーとして、ほとんどのメーカーがレーダーか、レーダーとカメラの組み合わせを採用しています。ステレオカメラの高い認識性能は、他社には無いアドバンテージとなっています。

未来の安全のためのアイデア、
どんどん湧いてきています。

EyeSightは、常にお客様の声を参考に改良を重ねています。2014年発売のVer.3に関しても「もっと遠くまで見えるようにしてほしい」「横からの飛び出しにもある程度対応してほしい」といった具体的な改良点は、すべてお客様の声によるもの。人間の目を目指しているEyeSightですが、私の実感としては、人間がベストなパフォーマンスを発揮した状態が100だとすると、現在のレベルは10~15くらいだと思っています。そのくらい、人間の認識能力は優れている。たとえば、人間は、ここの道はよく人が飛び出してくるぞとか、経験則による認識もあるのですが、ここは初めて通る場所なんだけど、前に通ったあの場所に似てるぞと感じて、自然と足がブレーキに行ったりとか、雰囲気や過去の経験則から「かもしれない運転」をできるんですね。これは、まだまだコンピュータは追いついていない。

危ないものが見えたからブレーキをかけるとか、今はまだ単純なロジックなんです。だから私たちエンジニアは、常に人間のことを考えています。人間だったらこの道をどう走るかな。たとえば、歩いている人間がサラリーマンだとわかっていて、こちらを認識しているのがわかれば速度をそれほど落とさなくても大丈夫だという判断を無意識でしているわけじゃないですか。でも、前方の歩行者が後姿しか見えずにヘッドフォンを付けているから怖いな、スピード落として遠目に走ろうかなと。歩行者が注意散漫な子供の場合は、いつ飛び出してくるかわからないな。こういった認識は、コンピュータはまだまだなんですよね。今後のEyeSightですか?課題もたくさんありますが、アイデアも山のように出ているんですよ。まだ言えないことばかりですが(笑)

とことん議論する。
人の命がかかっていますから、当然です。

EyeSightの開発では、本当に様々な人と関わることになります。たとえばブレーキをかけるためには、ブレーキをかける専門のシステムの人と話さなくてはいけない。ハンドルを切る行為については、ステアリングの専門の方と。このカメラだって、この部分の専門の人からすると邪魔なんです。ドライバーの視界は邪魔なものが一切ないほうがいい。そんな中で、安全性のためにどうしても必要なんですと、しつこく話をして、一緒になってベストの着地点を探していく。カメラの性能を発揮しながら、ドライバーに邪魔にならないところにと。話し合いながら、協力してもらうわけです。そんな時に、いつも思います。私は電気屋なので、電気仕掛けで考えがちになってしまうんですが、いろんな解決方法があるんだなと。特にうちは小さな自動車メーカーですから。専門分野だけを深めていくのではなく、いろんなことに興味をもって、そんな中で自分の意見も持って、力を合わせてやっていかなくてはいけません。このほうが安全なんだよね、制御はこうあるべきなんじゃないか。現場ではいつも議論が巻き起こっていますよ。意見がぶつかり合ってケンカのようになることもありますけどね。でも、人の命を守るわけですから。そうあって当然だと思っています。安全技術は、日本に限らず、世界でも求められています。今だけではなく、未来のためにも。私たちの挑戦は、まだはじまったばかりです。

PHILOSOPHY OF TECHNOLOGY

EYESIGHT

アイサイト