考え方・方針

SUBARUは、環境方針のなかで「大地と空と自然」をSUBARUのフィールドと定め、地球環境の保護こそが社会とSUBARUの未来への持続性を可能とする最重要テーマと考えています。また、SUBARUグループは、サステナビリティ重点6領域の一つに「環境」を定め、事業活動を継続するうえでの重要な課題の一つとして環境活動を捉えています。
SUBARUグループは「環境」のありたい姿として「企業活動を通じて『大地と空と自然』が広がる地球環境を大切に守っていく」としており、重点テーマとして「気候変動の抑制」「サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現」「自然との共生」の3つを掲げています。この重点テーマに基づき取り組みを推進することで、自然界への環境負荷を実質ゼロとし、さらにポジティブなインパクトを与えていくことを目指します。

体制

SUBARUでは、環境委員会と環境マネジメントシステム(EMS)の2つを軸に、組織横断的な環境マネジメント体制を構築しています。この体制を活用し、中長期の環境目標の策定とその実現に向けた取り組み、環境関連法令の遵守、環境パフォーマンスデータの集約といった環境マネジメント活動をオールSUBARUで推進しています。

環境委員会

SUBARUは「環境委員会」を設置し、社会が要求する将来の環境水準と合致する大局的かつ中長期的な方策(目標など)を議論するとともに、それらの進捗を評価しています。環境委員会の委員長は、取締役会が選任したサステナビリティ部門を担当する執行役員が務めます。環境委員会での議論を踏まえた提案内容は、サステナビリティ委員会へ上程されます。また、重要な事案は、サステナビリティ委員会を監督する取締役会に付議・報告されます。
環境委員会の下部組織として、4つの小委員会を設置し、SUBARUグループの環境マネジメント体制を整備しています。さらに、調達委員会、技術環境安全委員会や海外連結子会社とも連携を図っています。

SUBARUの環境マネジメント体制
SUBARUの環境マネジメント体制

環境マネジメントシステム

SUBARUグループは、事業所、国内外の連結子会社、国内の販売特約店、お取引先様とも連携して環境マネジメントシステム(EMS)を構築しています。
SUBARUと国内連結子会社5社は、ISO14001のグループ認証を取得し、定期会議による情報共有や事務局間での相互内部監査を実施することで、一体的なEMSの運用を行っています。また、海外連結子会社では、Subaru of Indiana Automotive, Inc.、Subaru of America, Inc.、Subaru Canada, Inc.の3社でISO14001を認証取得するとともに、Subaru of Indiana Automotive, Inc.は、2012年にエネルギーマネジメントシステムの国際規格であるISO50001を認証取得しました。
さらに、国内の連結対象となる販売特約店11社※1と、連結対象外の販売特約店10社が「エコアクション21」の認証を取得しています。本認証におけるEMS推進や定期的な環境監査の実施により、環境対応・環境法令遵守に努めています。
加えて、SUBARUはグリーン調達ガイドラインの遵守をお取引先様の選定条件の一つとし、お取引先様にISO14001の外部認証取得を基本としたEMSの構築を依頼しています。

※1
2026年4月1日付の販売特約店の経営統合にともない、連結対象となる販売特約店は23社から11社となりました
環境マネジメントシステムの適用状況
  ISO14001 ISO50001※3 エコアクション21※4
対象 株式会社SUBARU※2
富士機械株式会社※2
桐生工業株式会社※2
輸送機工業株式会社※2
株式会社スバルロジスティクス※2
株式会社エフ・エー・エス※2
株式会社イチタン
Subaru of Indiana Automotive, Inc.
Subaru of America, Inc.
Subaru Canada, Inc.
お取引先様※5
Subaru of Indiana Automotive, Inc. 販売特約店 21社
お取引先様※5
※2
ISO14001グループ認証取得企業
※3
事業者がエネルギー使用に関して、方針・目的・目標を設定、計画を立て、手順を決めて管理する活動を体系的に実施できるよう定めた仕組みを確立する際に必要な要求事項を定め、すべての組織に適用できる国際規格
※4
環境省が策定した中小企業向けの環境保全活動推進プログラム。ガイドラインに基づいて、環境経営システム、環境への取り組み、環境報告の3つの要素に取り組む環境マネジメントシステム
※5
お取引先様はISO14001、エコアクション21を取得するか、自主診断を実施。自主診断は、SUBARUが作成した「環境マネジメントシステム自主診断報告書」の全47項目中43項目以上が「はい」又は「該当なし」、かつ法規対応3項目については全て「はい」であるお取引先様に関して合格とする、環境マネジメントシステム

目標・実績

環境アクションプラン2030

SUBARUグループは、2025年度に3つの重点テーマとそれに紐づく目指すべき方向性を設定し、その達成のための中期目標となるように「環境アクションプラン2030」の見直しを行いました。なお、電動化に関する目標については、従来の「2030年」から「2030年以降」へと表現を見直しています。以下のアクションプランに対する進捗状況を管理しながら、「企業活動を通じて『大地と空と自然』が広がる地球環境を大切に守っていく」というありたい姿の実現に向けて取り組みを推進しています。
各重点テーマの2025年度の主な実績については、各テーマページに掲載しています。

環境アクションプラン2030と進捗状況
重点テーマ 環境アクションプラン2030
気候変動の
抑制
2030年以降に全世界販売台数の50%をBEVにすることを目指す
2030年代前半には、生産・販売するすべてのSUBARU車※1に電動技術※2を搭載
スコープ1、2排出量を2035年度に2016年度比CO2を60%削減(総量ベース)
サーキュラーエコノミーの実現 2030年までに、新型車に使用するプラスチックの25%以上をリサイクル素材※3由来とすることを目指し、研究開発を進めていく
廃棄物総量をBAU※4比1%/年削減
国内外生産工場※5のゼロエミッション※6(直接、間接を問わず埋め立て処分量ゼロレベル)
自然との共生 事業所での自然環境への環境影響(大気、水質、騒音、振動、悪臭)の適切な管理
事業活動による自然環境への負荷低減を目的とした保護地域の拡大
※1
他社からOEM供給を受ける車種を除く
※2
BEV、HEVなど、電力利用を高める技術を指す
※3
マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルなど
※4
追加的な対策を取らずに現状を維持した場合の排出量(Business As Usual)
※5
SUBARU(群馬製作所、東京事業所、航空宇宙カンパニー)、連結子会社(富士機械株式会社、桐生工業株式会社、株式会社イチタン、株式会社スバルロジスティクス、輸送機工業株式会社、Subaru of Indiana Automotive, Inc.)
※6
最終処分量(直接埋め立てされるもの+中間処理後に埋め立てされるものの総量)の割合が、廃棄物(有価物+産業廃棄物+特別管理産業廃棄物+事業系一般廃棄物の総量)の0.5%未満であること

取り組み

SUBARUでは、環境マネジメントを実効性あるものとして推進するため、方針や体制の整備、目標管理に加え、化学物質の適切な把握・管理、社員の意識・行動を支える環境教育など、マネジメントを支える取り組みを行っています。

化学物質管理

商品に含有される化学物質については、サプライチェーンを通じたIMDS※1管理により、数万点に及ぶ自動車構成部品の一つひとつについて、含有する化学物質の成分や使用量を把握しています。さらに、SUBARU独自の化学物質管理システムを用いて、REACH規則※2や、ELV指令※3、米国有害物質規制法、日本の化学物質の審査および製造などの規制に関する法律などで規制される使用禁止物質の代替推進、非含有管理、またWFD※4などで要求される管理物質の適切な情報開示を行っています。これらの化学物質管理は、SUBARUグループが取り組んでいる資源循環・リサイクルの推進にも貢献しています。また、設計・開発段階からお取引先様と連携し、鉛、水銀などの環境負荷物質の削減を進めており、2008年以降の新型車全モデルで業界目標を継続的に達成しています。
クルマの使用にともない排出される物質については、各国・地域の排出ガス規制を踏まえ、排出ガスのクリーン化に向けた技術開発を進めています。炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質、揮発性有機化合物(VOC)などの排出抑制を通じて、大気環境への負荷低減に取り組んでいます。
一方、工場や事業所において使用・排出される化学物質については、法令遵守を基本としつつ、法令基準値よりも厳格な自主基準を設定し、排出量の管理や環境影響の低減に取り組んでいます。これらの取り組みは、周辺環境への影響防止や環境リスクの低減につながっています。
このようにSUBARUでは、商品に含有される化学物質と、事業活動に伴い使用・排出される化学物質を、それぞれの特性に応じて管理することで、化学物質管理の実効性向上を図っています。

※1
IMDS(International Material Data System):国際的な自動車業界向け材料データベース
※2
REACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)規則:欧州の化学物質規制。人・環境へのリスクに応じた化学物質管理・制限を求めるもの
※3
ELV(End-of Life Vehicles)指令:欧州の廃自動車指令。使用済自動車による環境負荷の削減を求めるもの
※4
WFD(Waste Framework Directive):欧州の廃棄物枠組み指令。廃棄物抑制や廃棄物管理を求めるもの
IMDSを通じた化学物質管理システム
IMDSを通じた化学物質管理システム IMDSを通じた化学物質管理システム

環境教育

SUBARUでは、従業員が環境マネジメントシステム(EMS)を理解し、それぞれの業務における環境課題を認識して事業活動に取り組むことを目指しています。そのため、全従業員を対象とした一般教育に加えて、新入社員教育、中途入社教育など、各階層や業務に応じて様々な環境教育を実施しています。また、EMSの推進担当者向け教育や内部監査員教育など、EMSを効果的に運用するための教育にも取り組んでいます。
さらに、資格取得に係る教育および取得支援も実施しています。公害防止管理者やエネルギー管理士、特別管理産業廃棄物管理責任者などの環境関連資格の取得を推進することで、環境推進体制の強化および質の向上を図っています。

業界団体を通じた政策形成への参画

SUBARUは、持続可能な社会の実現に向け、政府や関係機関との対話を重視し、外部団体と連携し、政府へ働きかけを行っています。
気候変動分野では、ライフサイクル全体で2050年カーボンニュートラルの達成を目指し、全力で取り組んでいます。燃費向上、次世代自動車の開発、CO2排出量削減などの重要課題については、各国・地域の外部団体と協力し、政策形成への働きかけも実施しています。重要市場である米国では、Alliance for Automobile Innovation(AAI)などを通じ、現地の規制動向に対応しながら、実効性のある政策提案を進めています。