安全なクルマづくり メニュー

考え方・方針

SUBARUは、クルマを単なる移動手段ではなく、人の想いを受け止め、それに応える「人生を豊かにするパートナー」であると考えています。
飛行機づくりのDNAを持つSUBARUは、人を中心に考え、クルマを使う人にとって何が大切かを考えつくし、必要な機能・性能を軸に商品を開発してきました。
「人を中心に考える。使う人にとって何が大切かを考えつくす。そして、クルマに新しい価値を生み出す」。これが「SUBARUらしさ」であると私たちは考えます。
そして、お客様一人ひとりに「安心と愉しさ」を感じていただくために、航空機事業をルーツに持つ企業として、「人の命を守る」ことにこだわり、半世紀以上前から安全性能を最優先したクルマづくりを続けてきました。あらゆる視点からクルマの安全性能を追求し、「乗る人すべてに、世界最高水準の安心と安全を」というSUBARUの「総合安全思想」のもと、「0次安全」「走行安全」「予防安全」「衝突安全」の4つの軸に「つながる安全」を加えて、独自の安全技術を磨いています。今後はさらに知能化を進め、高度なセンシング技術とAIの判断能力を融合し、あらゆる場面での安全性を高めていきます。
「安全なクルマづくり」でSUBARUグループが目指すものは、サステナビリティ重点6領域の「人を中心としたモビリティ文化」と「安心」への取り組みが高次元で融合されて実現されるものであり、安心・安全への取り組みとして、「2030年に死亡交通事故ゼロを目指す」ことを表明し、死亡交通事故ゼロを実現できるクルマの開発を進めています。

SUBARU車乗車中の死亡事故およびSUBARU車との衝突による歩行者・自転車等の死亡事故ゼロを目指す。

体制・マネジメント

SUBARUは、「乗る人すべてに、世界最高水準の安心と安全を」という「総合安全思想」のもと、安全技術や環境対応に向けた電動化を含む新技術開発をさらに加速させるため、車体やパワーユニットといった機能組織ベースの開発から価値軸と機能軸を有機的に組み合わせる開発体制をとっています。

さらに詳しいクルマづくり体制については、気候変動の抑制「体制・マネジメント」に記載。

気候変動の抑制「体制・マネジメント」

2030年に死亡交通事故ゼロへ

SUBARUは、視界の良さや乗員が疲れないパッケージなどの「0次安全」、目の前の障害物を正確に回避でき、回避後も走行が破綻しないコントロール性を持つ「走行安全」「アイサイト」に代表されるプリクラッシュブレーキなどの「予防安全」、そして、それでも事故が起こる場合に乗員を保護する「衝突安全」の4つの安全思想を磨くことで、リアルワールドでの低い死亡交通事故率を実現してきました。
SUBARUは、自動化ありきではなく、“人が得意なタスクはそれを尊重し、人が苦手なタスクをクルマが補うことで安全に移動する”という考えのもと、運転支援技術を磨き上げてきました。今後も、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)で、高速域や広角域での衝突回避や減速が可能になり、さらに事故を回避・低減することができると予測されています。一方で、現状のままでは、「もらい事故」を主因に起こっている死亡交通事故の約3割程度が残るという課題も見えています。また、「自転車との衝突」などより厳しい事故形態への対応についても課題として認識しています。
SUBARUはこうした課題に対しても、従来の「0次安全」「走行安全」「予防安全」「衝突安全」をさらに強化するとともに、「つながる安全」を加え、知能化技術を活用することによって、2030年に死亡交通事故ゼロを目指します。

取り組み・実績

米国・日本で低い死亡交通事故率を実現

2008年度から2022年度に、主要市場である米国および日本国内で販売したSUBARU車の死亡交通事故件数について調査をしたところ、米国では15年連続で、米国主要販売ブランドの平均値よりも低い死亡交通事故率を維持しています。日本国内でも、15年連続で、国内カーメーカーの平均値よりも低い死亡交通事故率を示しています。

本調査は、米国においてはFatality Analysis Reporting System(FARS)、日本国内においては公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA:Institute for Traffic Accident Research and Data Analysis)のデータをもとに独自算出したもの。

SUBARUの総合安全>アイサイト

市場の死亡交通事故実態:米国

FARSデータより、SUBARUが独自に算出した販売台数100万台あたりの死亡交通事故件数。対象は、各年の過去5年の販売車。
SUBARUを除く米国販売12ブランド平均(トラック、大型SUVを除く)

「米国の主要販売ブランド平均」については、本報告年度より、各販売ブランドの100万台当たりの死亡事故における主要ブランドの平均件数を算出。

市場の死亡・重傷交通事故実態:日本

公益財団法人交通事故総合分析センターのデータをもとにSUBARUが独自に算出(重傷を含む)した
販売台数100万台あたりの死亡・重傷交通事故件数。対象は、各年の過去5年の販売車。
SUBARUを除く国内カーメーカー7社平均(普通・小型乗用車)

※1
「国内カーメーカー平均」については、本報告年度より、各販売ブランドの100万台当たりの死亡事故における主要ブランドの平均件数を算出。
※2
死亡:24時間以内に失命したケースを集計。
重傷:重傷ケースを集計。

0次安全

SUBARUの前身は航空機メーカーです。航空機はちょっとした操作ミスや判断ミスが大事故につながるため、“そもそも事故を起こしにくい”設計であることが求められます。その安全思想を受け継ぐSUBARUは、まずカタチや操作系といったクルマの基本的な設計を工夫。ドライバーが運転以外のことに気を遣うことのないよう、見やすく、使いやすく、疲れにくいドライビング空間を追求しています。

こだわりの視界設計

事故を起こしにくいクルマとは、ドライバーが危険に早い段階で気づくことができるクルマです。そのために死角の少ない良好な視界を確保するだけでなく、夜間や雨など、様々な環境を考慮して視認性を高めています。

最適で快適なドライビングポジション

運転に必要な操作が自然にできる正しいドライビングポジションを確保することは、疲れにくいだけでなく、安全性の向上にも役立ちます。ドライバーは正確にクルマを操作できるため、回避行動もしやすくなります。
SUBARUのコックピットは、様々な体格のドライバーが最適なドライビングポジションを確保できる構造と調整機構を備えています。

操作しやすいインターフェース

ナビの確認や空調の調整などによって運転への意識が散漫にならないように、インターフェースの設計に配慮しています。例えば、ナビ画面の高さの設定は大きく視線を動かさなくても確認できる設計にしており、空調やオーディオなどの操作位置、目で確認しなくても直感的に操作できるようなスイッチ類の形状にも配慮しています。

デジタルマルチビューモニター

クルマの周辺状況を映し、死角を低減することで0次安全に貢献する機能が「デジタルマルチビューモニター」です。
前後左右4つのデジタルカメラ映像を合成し、車両全周を1つの画面で視認できることが特徴です。車両全周を視認できる画面表示として、クルマを真上から見たような映像で周囲の状況を表示するトップビュー、斜め上から見たような映像を8視点から選んで表示する3Dビューを用意しています。
2022年度新型「クロストレック」「インプレッサ」2023年度「アセント」2024年度「フォレスター」に搭載しています。

さらに、2023年度「レヴォーグ」「WRX」(国内向け)および「レヴォーグ レイバック」には、前述の機能に加え、新機能「AUTOモード」をSUBARUで初めて採用しました。
フロントビューと部分トップビュー(トップビューの前側一部)を低速時に自動で表示する機能で、住宅街で見受けられる死角が多く狭い交差点が連続する状況でも、ディスプレイをひと目見ただけで前方の死角の状況を知ることができます。

テクノロジー:SAFETY 0次安全

走行安全

SUBARUにとって「走り」は、単に愉しさを提供するものではなく、安全を高めるための重要な要素です。
万が一の状況に遭遇したとき、安全に回避ができること。様々な天候や路面状況で、普段と同じような安定した走りができること。「走る・曲がる・止まる」というクルマの基本を磨くことは、もしものときに思い通りにコントロールできる、安全で頼もしいクルマづくりにもつながっています。

走行安定性

優れた基本性能をベースに、ボディやサスペンションを鍛え上げるとともに車両制御デバイスを採用するなど、走行性能を高めることで、乗る人が心から安心できる安定した走りを生み出しています。

ライントレース性

雨や雪の降る日に、いつもと同じ感覚でコーナーに入り、思い通りのラインを描いて曲がり、スムーズにコーナーから抜けられるような正確で安全なコーナリングを実現する様々な機能があります。

ブレーキ性能

クルマの安全性(特に危険回避性能)に直接関係するブレーキに関して、SUBARUはその性能を磨くだけでなく、ブレーキの「安心感」にもこだわっています。安心感のあるブレーキとは、思い通りの効きが得られること。天候に限らず、普段は扱いやすく、万が一のときには即座に反応するブレーキを目指して、SUBARUはあらゆる環境と路面でテストを繰り返しています。

テクノロジー:SAFETY 走行安全

予防安全

交通事故の撲滅。その究極の目標を目指し、SUBARUは20年以上にわたり、運転支援システムを開発してきました。安価で実用的な「アイサイト」は世界中の市場に普及し、先進安全技術の先駆けとなりました。そして2020年に、2030年死亡交通事故ゼロに向けて、「アイサイト」が新しく生まれ変わりました。

「アイサイト」コアテクノロジー

運転支援の核となるステレオカメラが刷新されました。視野角が大きく広がり、画像認識が向上したため、これまで以上にクルマや歩行者、白線などの識別能力が上がっています。制御性能も向上しているため、より滑らかな安心できるクルマの動きとなっています。さらに、新型ステレオカメラを中心に、前後4つのレーダーとリヤソナーを組み合わせ、全周囲を監視できるようになりました。より多くのシーンでドライバーを支援し、より高度な安全を提供します。2020年度「レヴォーグ」をはじめ、2021年度「WRX」「アウトバック」「フォレスター」、2022年度「クロストレック」新型「インプレッサ」、2023年度「レヴォーグ レイバック」、2024年度新型「フォレスター」へと搭載車種を拡大しています。

衝突回避の支援

新型ステレオカメラは、プリクラッシュブレーキの対象範囲が大きく拡大されています。右折時の直進対向車、右左折時の横断歩行者、横断自転車、前側方からの接近車両など、実際の道路でヒヤリと感じるシーンで、ドライバーと乗員を守ります。車両同士の事故の約4割がこのような出会い頭のシーンといわれており、交通事故減少に大きく貢献しています。
衝突回避性能をさらに進化させるため、「アウトバック」「アセント」「クロストレック」新型「インプレッサ」に広角単眼カメラを新たに採用しました。新型ステレオカメラよりさらに広い視野を活用し、横断自転車との出会い頭や、歩行者巻き込みシーンの衝突回避・被害軽減が可能になりました。2023年度「レヴォーグ」「WRX」「レヴォーグ レイバック」、2024年度新型「フォレスター」にも採用を拡大します。
さらに、2023年度は、「BRZ」MT車にも「アイサイト」を採用しました。より多様なお客様に高性能な衝突回避支援を提供することで、2030年死亡交通事故ゼロに向けて大きく前進しました。

運転負荷の軽減

SUBARUは、運転負荷の軽減が安全につながると考えています。
2020年、「アイサイト」の進化形である「アイサイトX」が誕生しました。3D高精度地図と衛星の位置情報を組み合わせることで、ステレオカメラやレーダーで検知できない、先々の道路情報を認識できます。3D高精度地図は、次世代運転支援の要となる重要な要素技術です。SUBARUは他社に先駆けて実用化、市場導入しました。カーブや料金所に合わせて適切な速度に制御する「カーブ前速度制御」「料金所前速度制御」、車線変更を支援する「アクティブレーンチェンジアシスト」、渋滞中の発進・停止・ハンドル操作を制御する「渋滞時ハンズオフアシスト」と「渋滞時発進アシスト」など、特に長距離ドライブの負担軽減に貢献し、上質なグランドツーリングを提供します。「アイサイトX」も搭載の拡張を続けており、2021年度の国内「アウトバック」全グレード、2023年度の国内「レヴォーグ」「WRX」「レヴォーグ レイバック」全グレードに搭載しました。より多くのお客様に快適な移動を提供していきます。

安全運転の支援

万が一の状況に備えた「ドライバー異常時対応システム」の搭載も拡張しています。アクティブレーンキープ中に長時間ステアリングから手を離している場合や、渋滞時ハンズオフ中に脇見・居眠りを検出した場合、警告を発します。それでもドライバーがステアリングを操作しない場合、異常と判断し、ハザードやホーンも作動させ、周辺車両に状況を知らせながら、徐々に減速させて停止します。2020年度の国内「レヴォーグ」に初採用し、2021年度の国内「WRX」、国内「アウトバック」にも搭載しました。
国内向けの「クロストレック」および新型「インプレッサ」は、「SUBARU STARLINK」との連動する機能を搭載しています。ドライバー異常時対応システム作動時、自動的にコールセンターに接続され、緊急時の救助活動をより迅速に実現することができます。
2024年度新型「フォレスター」では、ドライバーモニタリングシステムとの連携を強化。ステアリングを操作していても、脇見・居眠りを検出した場合に作動します。またパルスブレーキ警告も追加し、ドライバーに体感的に異常を報知します。

テクノロジー:SAFETY 予防安全

衝突安全

SUBARUは、最初の量産車である「スバル360」の時代から、クルマが持つべき基本性能の一つに「安全」を据えてきました。まだ衝突安全という考え方が浸透していなかった1960年代から、歩行者保護をも含めた独自の衝突安全試験を実施しています。乗員保護はもちろん、歩行者保護、相手車乗員への加害性も視野に入れたSUBARUの衝突安全性能は、日本だけでなく世界中で高い評価を獲得しています。

新環状力骨構造ボディ

キャビンをピラーやフレーム類で「かご」のように結合し、どの方向から衝突されても変形を防ぐことを目指したSUBARU独自の安全ボディです。ある程度クラッシャブルゾーンを設け、強い衝撃を全体へ分散・吸収する構造により、全方位からの衝突に対して高い衝撃吸収性能を発揮します。

前面/後面衝突

衝突時の大きなエネルギーを受ければ、小さな装置でも凶器になりうるという事実に基づき、SUBARUが採用する「水平対向エンジン」は、前面衝突時にはフロア下にもぐり込みやすいだけでなく、衝撃吸収のためのフレームを左右対称かつストレートに伸ばすことができるので、衝突エネルギーを効果的に吸収できるというメリットがあります。キャビン内の各コンポーネントは、人体を保護するため、衝撃吸収材で作製されています。

側面/横転

側面衝突の際に乗員を保護するため、ドア内に剛性の高いサイドドアビームを採用しています。それに加え、新環状力骨構造ボディによる高剛性が衝突や横転の際にキャビンスペース全体を保護します。さらに、各種エアバッグと内張り全体への衝撃吸収材の採用で、キャビン内の乗員の保護を目指しています。

歩行者保護

SUBARUは乗員だけでなく歩行者の保護も目指しています。
例えば、水平対向エンジンはフロントフードとエンジンユニットとの間に衝撃吸収のスペースを広く確保することができ、歩行者が頭部を負傷する可能性の高いフード上に投げ出された際のダメージを軽減します。さらに、ヒンジやフードステーなどの部品も衝撃を吸収する構造を採用しています。また、「歩行者保護エアバッグ」を国内メーカーで初めて設置し、現在では7車種まで拡大するなど、あらゆる安全に配慮したSUBARUの安全思想が設計に息づき、BEVにも受け継がれています。

世界で評価される安全性

SUBARUの衝突安全性能は、世界各国の安全アセスメントで高い評価を受けています。

テクノロジー:SAFETY 衝突安全

つながる安全

SUBARUの4つの安全思想である「0次安全」「走行安全」「予防安全」「衝突安全」をベースに「つながる技術」や「データ」を活用し、さらに安全を追求するために新たな技術・サービスの開発を行っています。エアバッグが作動するような衝突事故が発生した場合に、自動的にコールセンターにつながり、警察や救急、医療機関などと連携し、より迅速に救命活動が行われるように「先進事故自動通報システム(AACN)」(※)を搭載しています。このシステムの一つであるD-Call Netは、国内向けの出荷車両に搭載されています。自動車が交通事故を起こした際に、衝突方向や速度、衝撃度、シートベルトの着用の有無などの情報がただちにD-Call Netサーバーに送られ、その情報から乗員の死亡重症度を自動的に推定し、必要に応じてドクターヘリの出動を要請します。
また、SUBARUは量販車種としていち早くドライバーの状態を見守るドライバーモニタリングシステムを採用しています。個人を認識するだけでなく、ドライバーのよそ見や眠気を検出し、注意喚起する機能を持っています。今後、様々な制御と連携させていきます。

「Advanced Automatic Collision Notification」の略。イベントデータレコーダ(EDR)をエアバッグシステム内に搭載した自動車が交通事故を起こした際に、EDRから自動的に送られてくるデータをもとに一定のアルゴリズムによって乗員の死亡重症度を推定し、消防やドクターヘリ基地病院に知らせるシステム。

自動車アセスメント

SUBARUは、日本のJNCAP※1、米国のIIHS※2、U.S. NCAP※3 、欧州のEuro NCAP※4、豪州のANCAP※5など国内外の公的機関による安全性能試験・評価を受けており、最高ランクの評価を多数獲得しています。
2023年度は、JNCAPの自動車安全性能評価において、「クロストレック/インプレッサ」が「自動車安全性能2023ファイブスター賞」を受賞しました。さらにファイブスター賞の中で最高得点のみに与えられる「自動車安全性能2023ファイブスター大賞」も受賞しました。IIHSにおいては、2024年5月時点でSUBARUの2024MY(モデルイヤー)車の1車種で「2024 TSP+賞」、3車種で「2024 TSP賞」を獲得しました。U.S.NCAPにおいては、2025MY車の2車種と2024MY車の5車種で「OVERALL SAFETY RATING 5★」を獲得しました。ANCAPにおいては、「ソルテラ」が2022年評価で5★を獲得しました。


※1
JNCAP(Japan New Car Assessment Program):国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構が実施する自動車の安全性能評価
※2
IIHS(The Insurance Institute for Highway Safety):米国道路安全保険協会
※3
U.S. NCAP(U.S. New Car Assessment Program):米国運輸省道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration)が実施する安全性能評価
※4
Euro NCAP(European New Car Assessment Programme):欧州で行われている自動車の安全情報公開プログラム
※5
ANCAP(The Australasian New Car Assessment Program):豪州、ニュージーランドの交通関連当局などで構成された独立機関が実施している安全性能評価

2023年度の受賞実績

対象車 評価機関 評価
クロストレック
インプレッサ

日本 JNCAP
自動車安全性能
2023ファイブスター大賞
2023ファイブスター賞
アセントの2024年モデル
(米国モデルのみ)
米国 IIHS
2024 TSP+賞
アウトバック、インプレッサ、ソルテラの2024年モデル
(米国モデルのみ)
米国 IIHS
2024 TSP賞
レガシィ、アウトバック(Wilderness除く)、インプレッサ、クロストレック(Wilderness除く)、アセント、ソルテラの2025MY、フォレスター(Wilderness除く)の2024MY
米国 U.S.NCAP
OVERALL SAFETY RATING 5★
ソルテラ
豪州 ANCAP
2022年評価5★
IIHSが行う自動車の安全性評価で、オリジナルの前面のオフセット衝突とスモールオーバーラップ(運転席側、助手席側)衝突と更新された側面衝突においてGood評価、ヘッドライト評価(標準装備)がAcceptable評価以上、衝突回避評価(昼間・夜間の対歩行者)の試験結果がAcceptable評価以上の条件を満たす自動車にトップセーフティピック(TSP)賞、さらにこれらの条件に加え、オリジナルに代わり更新された前面のオフセット衝突がAcceptable評価以上の条件を満たす自動車にトップセーフティピックプラス(TSP+)賞が与えられる。

「安全」というDNA

航空機事業をルーツに持つSUBARUグループは、創業以来、人を第一に考え、「人を中心としたモノづくり」が原点となっています。クルマの最も重要な基本性能は「安全」にあると考え、半世紀以上も前の「スバル360」の時代から現在にいたるまで、この考え方がDNAとして受け継がれ、どの時代においても「走る・曲がる・止まる」という一番の基本となる技術を徹底的に磨き上げてきたことが、現在の総合安全性能などの独自性の高い技術力につながっています。今後も“ALL-AROUND SAFETY”の思想のもとに安全性能を最優先したクルマづくりを続けていきます。

「SUBARUらしさ」を際立たせる技術 安心と愉しさ

SINCE 1917
パイロットを安全に

航空機開発から継承される「安全」というDNA

SUBARUの安全開発の根底には、航空機開発のDNAが息づいています。航空機は、基本構造のなかに危険な状況に陥らないための工夫や対策が施されています。パイロットが全方位を直接見渡すことのできる良好な視界の確保も航空機に不可欠な安全性能の一つで、こうした安全思想はクルマづくりにも受け継がれています。

SINCE 1960
ドライバーを安全に

時代に先駆けて「全方位安全」の思想に基づく衝突安全ボディを開発

高度経済成長期のクルマの普及拡大に重要な役割を果たした「スバル360」。SUBARUは、あらゆる方向からの衝突に対して効果的に衝撃を吸収し、高い強度を持つキャビンで乗員を守る「全方位安全」の思想のもと、衝突安全ボディの開発にこの時代から取り組んできました。クルマのボディ構造や人体への影響について研究を進め、時代の一歩先を行く安全性を追求してきました。

SINCE 1970
「走る・曲がる・止まる」を安全に

走行安全性を高める独自技術を開発

「走る・曲がる・止まる」という基本性能は、重心の位置と駆動方式によって大きく変わります。重心を低くし、四輪すべてにエンジンの力を伝える駆動方式で安定した走行性能が得られます。
SUBARUでは1966年に「水平対向エンジン」を縦置きにしたFF車「スバル1000」を、1972年には四輪駆動車「レオーネ4WD」を発売。以来、これらの独自技術で安全で安定した走行性能を追求しています。

IN THE 1980s & 1990s
ドライバーと同乗者を安全に

「レガシィ」登場。運転支援システムの開発

フラッグシップモデル「レガシィ」は、1989年1月、10万km連続走行の世界最速記録を更新するなど、安定した走行性能と耐久性を実証しました。また、ステレオカメラを駆使した運転支援システムとして、「アイサイト」の前身となる「ADA」を商品化しました。

IN THE 2000s & 2010s
すべての人を安全に

「アイサイト」を商品化

最新の先進安全装備を全車に標準装備

ステレオカメラで常に前方を監視し、警報やプリクラッシュブレーキによって被害低減を図る「アイサイト」を商品化。2017年には新機能「ツーリングアシスト」を搭載し、「車線中央維持」の作動領域を従来の「60km/h以上」から「0km/h以上」へと拡大。
その後も次々と新たな技術を開発しています。


「スバルグローバルプラットフォーム」

乗り心地と運動性能を高次元で両立

「スバルグローバルプラットフォーム」は、世界の安全アセスメントで高い評価を得たトップクラスの衝突安全性能に加え、乗り心地と運動性能を高次元で両立した走行質感やトップクラスの揺れの少なさを実現した剛性と静粛性により、クルマを操る愉しさにつながる「動的質感」をもたらしています。

FROM THE 2020s
新世代「アイサイト」「アイサイトX」

「アイサイト」が革新的に進化

新世代「アイサイト」は、広角化したステレオカメラと前後4つのレーダーを組み合わせることで360度センシングを実現し、見通しの悪い交差点でのクルマ、歩行者、自転車との出会い頭や右左折時など、これまで以上に幅広いシーンで安全運転をサポートします。人の“目”と同じように距離を測ることが可能な「ステレオカメラ」により、クルマや歩行者、白線などを識別できるほか、広い視野角と視認距離など、高い認識性能を誇り、その情報と走行状況をもとに、“頭脳”にあたるソフトウェアが必要な制御を判断し、状況に合わせてクルマの各ユニットを適切に制御し、安心で快適な安全運転をサポートします。「アイサイトX」では、準天頂衛星「みちびき」やGPS、高精度地図データを活用した新開発システムを備えることで、新次元の先進安全技術を実現しました。2022年発売の「クロストレック」から超広角の単眼カメラが加わり、運転時の死角が大幅に減少、3つの目となった「アイサイト」で死亡交通事故ゼロの未来へまた一歩進化しました。さらに2023年、「BRZ」MT車にもアイサイトを採用しました。MT車の特性に合わせて、衝突回避、運転負荷軽減の各機能制御を実装し、スポーツ性が高い車でも実用的な運転支援を実現しました。
また、2020年にAI開発拠点「SUBARU Lab(スバルラボ)」を東京都渋谷区に開設し、ステレオカメラ技術にAIの判断能力を融合させることで、安全性をさらに向上させる研究開発を進めています。


「アイサイト」の実績

「アイサイト」搭載車の世界累計販売台数が2022年6月に500万台※1を達成しました。
日本、米国、欧州をはじめとする世界の第三者機関の安全性能評価において常にトップクラスの評価を獲得するとともに、日本国内の事故件数調査で「アイサイト(ver.3)」搭載車の追突事故発生率は0.06%※2、また、米国IIHSの調査では、「アイサイト」搭載で負傷をともなう追突事故が85%低減される効果が示される※3など、ステレオカメラの優れた認識性能を強みにSUBARUの予防安全性能向上を支えています。
また2024年4月には、次世代「アイサイト」に搭載するSoC※4としてAMD社Versal™ AI Edge Series Gen 2を採用し、最先端のAI推論性能や超低遅延な演算処理を低コストで実現するため、SoC最適化に向けた回路設計をAMD社と協業開始することを発表しました。SUBARUが長年培ってきたステレオカメラの認識処理にAI推論処理を融合することでさらなる予防安全性能を向上させ、2020年代後半の次世代「アイサイト」への搭載を進めています。

※1
2021年販売実績ベース。他社からのOEM供給車を除く。
※2
2014~2018年に発売したアイサイトver.3搭載車数(456,944台)と、公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)のデータ(追突事故件数:259件)より、SUBARUが独自算出。
※3
米国保険業界の非営利団体Insurance Institute for Highway Safety(道路安全保険協会)による、2013~2015年型SUBARU車を対象とした2014年末までのデータに基づく調査(2017年1月時点データ)。
※4
「システム・オン・チップ」の略。一つの半導体チップに複数の機能を持たせること。

FROM THE 2020s
「スバルグローバルプラットフォーム」の進化

理想を追い求めて、次のステージへと進化

「スバルグローバルプラットフォーム」の性能をさらに高いレベルへ引き上げるために、ボディ全体の骨格連続性を高める新たな技術「フルインナーフレーム構造」を採用。これにより、ボディ剛性が格段に向上しました。
この「スバルグローバルプラットフォーム」の思想に基づき新設計したEV専用プラットフォーム「e-スバルグローバルプラットフォーム」を2022年発売の「ソルテラ」より採用しました。左右対称レイアウトのシャシーをベースにサスペンションや電動パワーステアリングなど各部にSUBARUの知見を注ぎ込むことで、BEVにおいても動き出した瞬間から誰もが「安心と愉しさ」を実感できる、SUBARUらしい軽快で快適な走りを実現しました。
今後も、クルマの基礎となり、走行性能、乗り心地の良さ、衝突安全性など、あらゆる性能向上につながるプラットフォームを進化させていきます。