CSRレポート2020 トップメッセージ

意識を変え、行動を変え、会社を変え、
持続可能な社会の実現に貢献する

代表取締役社長 CEO
中村 知美

社会課題とSUBARUグループのCSR

新型コロナウイルス感染症と環境変化への対応

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げると共に、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。
同ウイルスの感染拡大はSUBARUグループの事業活動に大きな影響を及ぼしています。生産面では国内外において操業の一時停止を含む生産調整を余儀なくされ、販売面でも多くの販売店において様々な制約を受ける事態となりました。
SUBARUグループでは2020年2月上旬にCEOをトップとした「新型肺炎対策本部」を立ち上げ、お客様やお取引先様、従業員の健康と安全を最優先に感染拡大の防止に努め、「お取引先様と共に生きる、従業員は財産である」という考えに基づいて対応をしてきました。また、地域社会に対しても、そのニーズに耳を傾け、日本ではお取引先様との協力のもと医療用フェイスシールドを生産し、事業所の近隣医療機関や地域の医師会などに提供しました。米国では保護マスクなどを地域医療機関に提供し、非営利組織を通じて5千万食の食事を寄付しました。
いかなる環境変化にも対応できるように、この未曾有の危機を様々な領域での構造改革のチャンスにしていきたいと考えています。具体的には働き方の変革も含めた業務効率の向上、固定費構造の改革や投資の選択と集中を推進し、強靭な事業基盤と収益構造へと変化させていきます。

SDGsへの貢献

コロナ禍で、持続可能な社会を目指す機運は一層高まったと考えています。
SUBARUグループでは事業の強みを活かして社会課題を解決し、持続可能な社会の構築とSUBARUグループの持続的な成長の両立を目指してCSRに取り組んでいます。企業としての社会的責任を果たすことで、社会から信頼される企業となり、より豊かで持続可能な社会の構築に貢献していきます。
SUBARUグループは2025年に向けた中期経営ビジョン「STEP」で定めたありたい姿「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」の実現に向けて、2018年度に「CSR重点6領域※1」を選定し、CSRの取り組みを推進してきました。この度、SUBARUグループが事業活動を通じて、持続可能な社会の構築に一層貢献していくという強い思いを示すために、各領域が貢献するSDGsを明確にしました。例えば、「安心」の領域では、「2030年に死亡交通事故ゼロを目指す※2」取り組みを通じて、ターゲット3.6「2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる」ことに貢献します。愉しい走りを実現しながら死亡交通事故の削減を目指すなど、SUBARUグループの強みを活かした形でSDGsに貢献していきます。

※1
「 人を中心とした自動車文化」「共感・共生」「安心」「ダイバーシティ」「環境」「コンプライアンス」の6領域
※2
SUBARU乗車中の死亡事故およびSUBARU車との衝突による歩行者・自転車などの死亡事故をゼロに

2019年度の取り組みと「CSR重点6領域」の進捗

グループ・グローバルでの推進

事業活動を通じて社会の課題解決に貢献していくためには、世の中の変化や世界を知るという意味においても、グループ・グローバルでCSRの取り組みを進め、浸透させることが重要です。2019年度はその土台を固めました。
具体的には、社会環境やステークホルダーの皆様との関わり方の変化を踏まえ、グループ・グローバルの従業員が意思を共有できる「SUBARUグローバルサステナビリティ方針」を2020年4月に制定しました。同時に「人権方針」を制定し、「人のために」という普遍的なSUBARUグループの目的意識をバリューチェーン全体に広げ、SUBARUに関わるすべての人々の人権を尊重していくことを明確にしました。
こうしたSUBARUグループとしての思いや考えをグループ・グローバルで共有することで、従業員のベクトルを合わせ、各地域の特性を捉えた取り組みを行っていくことが、SUBARUブランドの強化と社会課題の解決につながるものと信じています。

「安心」と「環境」で「CSR重点6領域」の取り組みを牽引

「CSR重点6領域」の取り組みも着実に進んでいます。2019年度は各領域の中期的なゴールとして「2025年のありたい姿」を設定し、「安心」と「環境」の領域では積極的な展開を行いました。
「安心」では、中期経営ビジョン「STEP」の最重要テーマの一つとして掲げた「品質改革」を強化、継続しています。従業員の意識は「品質最優先」に変わってきており、バリューチェーンに関わる各部門の取り組みも着実に進んでいます。2020年4月には、国内・海外のグループ全体の品質保証を統括するCQO直属の組織として品質保証統括室を設置し、グローバルで「品質改革」を強化する体制を整えました。
また、2020年1月に開催した「技術ミーティング」では、2030年に死亡交通事故ゼロに向けたシナリオを発表しました。「安心と愉しさ」を感じていただくために「人の命を守る」ことにこだわり、安全性能を最優先にしたクルマづくりを継続して行っていきます。
そして、「環境」については、環境理念で“『大地と空と自然』がSUBARUのフィールド”と掲げており、社会的責任として十分に配慮していきます。特に、気候変動は最も重要な課題の一つとして認識し、21世紀後半の早い段階で脱炭素社会を目指す「パリ協定」の趣旨を支持し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
そのために、2019年度は事業活動と商品で排出するCO2の排出削減に関する中長期目標を掲げました。事業活動で排出するCO2に関しては、2050年度にカーボンニュートラルを目指しており、2020年度までに年間排出量のおよそ3%に相当する約2万t-CO2を削減する目途も立っています。また、商品においては、2050年にWell-to-Wheelで新車平均(走行時)のCO2排出量を2010年比で90%以上削減します。環境規制に対応していくことはもちろん、お客様が価値として認めてくださるような、走りの愉しさと環境性能を両立したSUBARUらしいクルマを投入していきます。
そして、持続可能な社会の構築のためには、気候変動に限らず世界的な環境の諸問題の解決に貢献していく必要があると認識しているため、環境中期計画「環境アクションプラン2030」を策定中です。

2020年度の方向性

中期経営ビジョン「STEP」の3年目にあたる2020年度も「品質改革」と同様、「組織風土改革」も積極的に取り組んでいきます。これまで「風通しの良い何でも言える会社」を目指し、経営陣が率先して推進してきた結果、徐々に成果がでてきていますが、まだ道半ばのため継続します。
また、「CSR重点6領域」の取り組みは、新たに制定した方針や計画にのっとり、グループ・グローバルで着実に進めていくために、PDCAを回してマネジメントしていきます。

「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」の実現に向けて

「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」の実現に向けて、多様化する社会ニーズに貢献し、企業としての社会的責任を果たすことが必要だと考えています。
「意識を変え、行動を変え、会社を変える」。企業は社会の変化や要請に応じて変わっていく必要がありますが、そのためには私たち自身が変わる必要があります。アンテナを高く張って外部環境の状況を把握し、自らを常に顧みて環境変化に迅速に対応できる、自分自身で考えて動く人を応援していきます。
また、人々が移動したいという欲求はこれからも不変だと考えます。愉しく移動して、様々な体験をして、思い出を作りたいという人々の思いに対して、これまでSUBARUが提供してきた価値は変わりません。SUBARUに関わるすべての人に人生を愉しんでいただきたい。その思いを持ちつつ、どのような時代でもステークホルダーの皆様の期待に応える商品やサービスを提供していきます。
CSRの取り組みは経営そのものです。ステークホルダーの皆様の声に真摯に向き合い、それを経営に活かすことで、社会の持続可能性とSUBARUグループの持続的な成長の足場を固めていき、ステークホルダーの皆様から共感、信頼され、「愛されるSUBARU」を目指していきます。

代表取締役社長 CEO
中村 知美