人財:人的資本経営の考え方
考え方・方針
SUBARUでは、事業環境が急速に変化するなか、柔軟かつ迅速な対応を可能とする「真の競争力をもった人・組織」を人・組織のありたい姿として定め、その実現に向けた人的資本経営に取り組んでいます。
「真の競争力をもった人・組織」とは、「人財それぞれの異なる能力が最大発揮されている」「本質業務に注力し成果創出までのスピードが速い」「全体最適の意識を持ち、組織の壁を容易に越えながら動ける」「挑戦・応援できる風土がある」という四要素が相互に機能した状態であると考えています。その実現に向け、「個の成長」と「組織の成長」という考え方を基点に、「自律への働きかけ」「より良い組織風土の醸成」「つながりの強化」という3つの施策軸を中心に、取り組みを推進していきます。
[自律への働きかけ]
SUBARUグループの持続的な成長を担う原動力は、グループ従業員一人ひとりの力です。SUBARUは「変化への感度が高く、自律的にチャレンジできる人財」の創出を目指し、「自律への働きかけ」に取り組んでいます。従業員が外部環境を的確に捉え、自ら考え、行動へとつなげられるよう、多様な機会の提供と環境整備を行い、自律的なキャリア形成を進めています。
[より良い組織風土の醸成]
自律的に考え行動する人財の力を、企業競争力の源泉へと昇華させるためには、従業員一人ひとりが活躍できる環境の整備が不可欠です。SUBARUは「多様な個の活躍を促し、全社一丸で動ける組織」の実現に向け、「より良い組織風土の醸成」に取り組んでいます。マインドとスキルの両面から、個の力を最大限に引き出す組織づくりを進め、共感とやりがいを高めていきます。
[つながりの強化]
SUBARUでは、個々のチャレンジをより大きな成果につなげるとともに、挑戦に向かう人財創出スピードを向上させるべく、「つながりの強化」を最重要項目として位置づけています。経営が目指す姿と従業員一人ひとりの取り組みとのつながりの深化、部署間の連携や協働の強化、従業員同士の接点増加、社内各所のチャレンジを支援・応援できる仕組みづくりなどに取り組んでいきます。
体制
SUBARUは、CHRO(最高人財責任者)のもと人的資本経営を推進しています。CHROは、人財育成、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)、ワークライフバランス、健康経営、労使コミュニケーションなど、人的資本の最大化に資する業務領域を幅広く管掌しており、内容に応じて、業務執行の審議を行う会議体である経営会議に付議・報告されます。重要事項は、取締役会に付議・報告され、取締役会による監督が図られる体制となっています。
労働安全衛生については、中央安全衛生委員会を設置し、取り組みを管理しています。なお、2026年4月、SUBARUではこれまで別部門だった人事部門および総務部門を統合し、人事総務本部を新設しました。これにより従業員支援機能の一元化と、施策推進の迅速化を図ります。
人的資本経営の推進体制(2026年4月現在)
識別したリスク
SUBARUグループでは、労働市場や人財を取り巻く環境の変化を踏まえ、人財の確保・育成や職場環境づくりを通じて、人的資本経営に関するリスクへの対応を進めています。
[リスク]
労働市場の逼迫、異業種も含めた人財獲得競争の激化、コンプライアンス事案につながるような労務問題により人財の確保ができないこと、あるいは人財の流出などが考えられます。同様に、人財の育成が不十分な場合や、従業員の多様性が尊重された誰もが活躍できる職場環境が実現できない場合においても、SUBARUグループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
・製造領域(サプライチェーン全体)
2025年に、製造業向けに特化した大手人財サービス企業である日総工産株式会社と株式会社ワールドインテックとともに人財サービス会社「株式会社SUBARU nw Sight」を設立しました。株式会社SUBARU nw Sightでは、SUBARUだけでなく、SUBARUのサプライヤーも対象とした人財サービスを提供し、サプライチェーン全体の製造領域における安定的な人財確保と成長機会の創出を進めています。
・ソフトウェア領域
自動車事業ではメカトロニクスの重要性が高まり、ソフトウェア人財の獲得競争が激しさを増しています。
SUBARUでは、AI技術やCASE※1の進化を支える人財の採用を強化しています。2025年2月には、IT企業が集積する渋谷に設置したAI開発拠点「SUBARU Lab」を2拠点へと拡張し、AI人財に加えて、CASE領域を支える幅広いソフトウェア開発人財の採用・育成を進めています。さらに社内では、全従業員向けのデジタル人財教育や、車両とソフトウェアを横断する技術人財の育成を実施しています。
- ※1
- CASE:C(Connected/コネクテッド)、A(Autonomous/自動運転)、S(Shared & Services/シェアリング/サービス)、E(Electric/電動化)
・多様性を重視した人財登用と職場環境の整備
様々な個性や価値観を持つ従業員が個々の能力を十分に発揮できるよう、性別・国籍・文化・ライフスタイルなどの多様性を尊重した人財登用を行うとともに働きやすい職場環境の整備に努めています。
・エンゲージメント向上
従業員エンゲージメントが低下すると、生産性・内発的動機の低下を引き起こすだけでなく、離職という結果につながるリスクが高まります。エンゲージメントを維持・向上させるために従業員意識調査の結果を人的資本経営の指標として設定し、経営レベルでモニタリングしています。
目標・実績
従業員意識調査
SUBARUでは、人的資本経営の評価指標として、年に一度実施する従業員意識調査から算出される従業員エンゲージメントスコア※1を採用しています。
- ※1
- 会社に対する貢献意欲・ロイヤリティの高さや、自発的努力の姿勢を問う5つの設問に対し、肯定的に回答した従業員の割合
目標(SUBARU単体)
(年度)
| 指標 | 単位 | 実績 | 目標 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 2024 | 2025 | 2028 | ||
| エンゲージメントスコア | % | 49 | 51 | 54 | 70 |
従業員意識調査の結果の分析
SUBARUでは、従業員意識調査の結果を、人事施策や組織風土改革、組織における課題抽出と対策立案に活用しています。
2025年度の従業員意識調査の結果では、前年度と比較可能なすべてのカテゴリのスコアが2年連続で改善しました。特に技術本部・モノづくり本部・航空宇宙カンパニーがスコアの伸長を牽引しており、各組織の取り組みが着実に進みつつあると捉えています。カテゴリ別の傾向としては、以下の通り、2024年度と同様の特徴がみられました。
- 肯定的評価が多いカテゴリ:「成長の機会」「品質・お客様志向」
- 改善が必要なカテゴリ:「経営戦略」「業務プロセス」
改善が必要なカテゴリの原因と対応策
| 改善が必要なカテゴリ | 原因の分析 | 実施した対応策(2025年度) |
|---|---|---|
| 経営戦略 | 先行き不透明な事業環境における方向性への迷いや、その環境下で取り組む前例のないチャレンジへの不安 |
|
| 業務プロセス | 組織横断コミュニケーションと協力体制の不足 |
|
取り組み
人的資本経営を推進するための各取り組みは以下のページで紹介しています。
SMI(SUBARU Movement Index)
SUBARUの人的資本経営における課題「挑戦の種火が鎮火していく組織的な構造」に対し、「点在するチャレンジのつながりを強化する」ことで改善を目指します。
その実現に向け、2026年度より「SUBARU Movement Index(以下、SMI)」を導入しています。SMIは、生産性向上や組織風土改革につながる社内活動について、「参加する従業員の割合」と「活動に対する会社からの支援の実感値」という2軸により状況を可視化する管理指標です。
SMIのモニタリング結果を踏まえ、会社として各活動への継続的な支援を行い、変革を推進していきます。
社長表彰
SUBARUでは、従業員のモチベーション向上と組織の活性化ならびに組織文化醸成を目的に、毎年、社長表彰を実施しています。本表彰は「モノづくり革新・価値づくりへの貢献」「SUBARUブランドの強化」「ひとつのSUBARU化」に資する優れた成果と、そのプロセスを対象としたものです。2025年度は、推薦・審査を経て、24件・367名が受賞しました。表彰式典では、大崎社長から各受賞者に対して直接、労いの言葉が掛けられ、受賞者の達成感とさらなるモチベーション向上につながりました。また、式典は会社全体にもWeb配信されており、仲間を誇りに思う気持ちの醸成や、受賞者の熱意に触れた従業員が次なる挑戦をする動機づけにもつながっています。今後も本表彰をSUBARUグループの人的資本経営推進のための重要な機会と位置づけ、継続・発展させていきます。