品質 メニュー

考え方

SUBARUの「安心と愉しさ」、その根幹は「品質」であり、「品質はお客様に対する最も基本的な責任の一つ」です。SUBARUでは「品質改革」を「品質」の最重点課題として、商品の企画段階から、お取引先様の部品調達、工場における製造・出荷、アフターサービスにいたるすべてのプロセスで改革を実行しています。お客様がSUBARUに求める「品質」に対する期待の変化を敏感に捉えること、そして、100年に一度の大変革時代を迎えたクルマづくりをSUBARUが乗り越え、「安心と愉しさ」でお客様に選ばれ続けるブランドになるためにも、「品質改革」はSUBARUの持続的成長にとって必要不可欠な土台です。
お客様から共感され信頼していただける存在となるため、品質方針を旗印として、全従業員が「品質第一」を合言葉に、品質最優先の意識を醸成することで、お客様に感動いただける高品質な商品とサービスの提供を積極的に推進しています。また、国内・海外の関係会社ではそれぞれの事業内容や地域性を踏まえた品質方針を定め、それに基づいた品質管理を実践しています。
2020年度に、航空宇宙カンパニーも含めたSUBARUグループ全体にわたる品質保証を統括する品質保証統括室を新設し、品質保証の実現に必要なSUBARUグループの組織体制構築、運営管理およびその有効性の維持と継続的な改善を行っています。末永くお客様に安心してお使いいただける品質を追求していくことで、SUBARUグループが目指す、愉しく持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。


品質方針

私たちは何より品質を大切にしてお客様の信頼に応えます

  1. お客様に安心して長くお使いいただける商品をお届けします
  2. お客様の声に常に耳を傾け、商品とサービスに活かします
  3. 法令・社会規範・社内規則を遵守し、お客様に信頼される仕事をします

2019年4月改定

品質マネジメントシステム

  1. 当社の品質方針ならびにISO9001規格に基づいた品質マネジメントシステム(QMS)を構築し、円滑かつ効果的に運用。
  2. 顧客要求事項および適用される法令・規制要求事項に適合することを保証することにより顧客満足の向上を目指す。
  3. 業務の改善を通してQMSの継続的改善を図る。

SUBARUは品質マネジメントシステムのもと、設計開発から販売にいたる各プロセスで品質保証に取り組むとともに、より高品質な商品をつくるためのサイクルを構築しています。また、お客様のニーズにいち早く応えるため、サイクルをスピーディに回していくことに努めています。

品質マネジメントサイクル

体制

SUBARUグループでは、商品販売後の品質不具合やお客様のご要望をいち早く分析し、より高品質な開発・生産に結びつけるため、品質保証本部を中心とする品質改善体制を確立しています。グローバルに収集したお客様の声をもとに、社内の関連部門やお取引先様と共に、品質に関する課題の抽出、原因の調査、対策の立案を行っています。
2021年1月に、米国現地関連会社の品質保証部門・開発部門、および、米国・カナダ販売会社のサービス部門が一体となって活動する北米品質改善チームとして、「FAST」を設置しました。部門間の連携を強化することで現地での即断即決が可能となり、よりスピーディに市場要望に対応しています。

Fast Action & Solution Team
品質改善体制
北米品質改善チーム「FAST」の体制

取り組み

品質保証教育

SUBARUグループでは、品質に関する社内教育を全従業員に対して実施しています。入社年次や職位など、知識や経験のレベルに応じた品質教育を継続的・定期的に実施することでお客様視点での品質意識を醸成し、一人ひとりが品質最優先で行動できるように教育を行っています。
また、自動車製造部門では、高い品質意識が不具合の未然防止につながった事例を品質功労賞として表彰しています。表彰者と表彰事例は、社内のイントラネットなどを通じて全社展開をしています。

品質グローバルミーティング

SUBARUグループでは、品質最優先の意識を醸成するために、世界各地のお客様対応に責任を持つ販売特約店との対話を重視しています。日本市場では年2回の技術連絡会議、海外市場では年1~2回の主要特約店(G8)サービス会議ならびに6つの地域で開催されるブロック会議などを通し、販売特約店の意見を取り入れて、お客様にご迷惑をおかけする品質問題の最適な対応方法を決定しています。国内・海外共に、2022年度は、Web会議で継続的に実施しており、2023年度は、Web会議+現地開催を併用して実施予定です。
また、市場の声を聴き、品質改善のスピードアップのため、CQO 兼 品質保証本部長が委員長となり、全部門の役員レベルで品質に関して議論する品質改善委員会を毎月開催するとともに、北米CQOや北米販売子会社トップを含めて、北米市場の品質にフォーカスした北米品質改善委員会も年に数回実施しています。

6つの地域とは、CIS・中欧・北欧・南欧・オセアニア・中南米で、地域内の各国で持ち回りで開催している。会議の参加者は、販売特約店サービス代表ならびに当該地域駐在員。
品質グローバルミーティング

品質キャラバン

すべてのSUBARUの従業員がSUBARUの現状を正確に把握し、常に「品質最優先」を意識して業務へ取り組む環境をつくるため、SUBARUの品質状況やお客様の声を伝える「品質キャラバン」を2018年度から全事業所で毎年開催しています。2022年度も、引き続きすべてのSUBARUの従業員およびグループ会社従業員に対して、延べ38日間にわたり開催しました。お客様にご迷惑をおかけした品質問題を一人ひとりが自分事として捉えられるよう、再現ビデオを作成・上映したり、直近の品質課題を平易に説明するなど、お客様視点での品質最優先意識の醸成を図っています。また、多くのお取引先様にも参加いただくとともに、米国SUBARU車生産子会社であるSubaru of Indiana Automotive, Inc.でも開催し、SUBARUグループ全体でグローバルに品質意識啓発を推進しています。
今後も、プログラムの充実や実施期間の拡大などの改善を織り込みつつ、継続的に実施していきます。

品質キャラバン

出荷前検査

SUBARUでは、不具合流出を防止するために出荷前に厳格な検査を行っています。お客様目線での厳しい検査を実施すべく、2018年に、完成車の検査部門を従来の製造部門から分離して、品証本部に完成検査部を設立しました。また、明確なプロセスによる正確な検査を行う環境を整えるために、完成検査工場を2つ新設しました。1つ目の完成検査工場は2022年8月、2つ目の工場は2023年8月より、それぞれ稼働開始しています。整った環境下で厳格な検査を行うことで、お客様に安心してお使いいただける高品質な商品の提供を目指しています。

出荷前検査

不具合部品調査

発生した不具合を早期に解決するため、SUBARUは不具合部品を調査する「品証ラボ」を設置しています。不具合が発生した場合には、開発・製造部門と連携して原因究明と対策を講じますが、特に原因特定が難しい不具合に対しては品質保証本部が自ら「品証ラボ」で不具合部品を分析・調査することにより、不具合解決のスピードアップを図っています。

品証ラボ

お取引先様との取り組み

SUBARU車の品質維持・向上のためには、あらゆる外製購入部品の品質確保についても極めて重要であると考えています。そこでSUBARUでは、お取引先様の自主的な改善を促進し、すべてのお取引先様と一体で品質の維持および向上を目指すべく、様々な活動を実施しています。
定常的な活動として、SUBARUからすべてのお取引先様に対して、品質のつくり込みや安定化のための基準・ルールをまとめてマニュアルとして展開するなど、品質の維持および向上についての考え方の理解・浸透を図ることで、双方が共通認識に立った取り組みができるような土台づくりを行っています。
また、刻々と変わる環境変化に対応するために、年度初めにはすべてのお取引先様に向けて、品質方針に関する説明会を開催し、品質に関する様々な状況を共有しています。短期および中期で実現すべき品質目標や重要な品質指標についてKPIを設定し、品質向上の施策や品質強化ポイントなどについて可能な限り具体的に示しています。SUBARUが直接発信することでお取引先様の理解を深めていただき、環境変化にも柔軟に対応できる体制を構築しています。
このように品質方針を共通認識とすることで、お取引先様とSUBARUは開発から量産にいたるすべての段階において緊密に連携することができ、一体となった品質保証活動を推進しています。
活動の一例として、お取引先様での品質保証体制や品質マネジメントシステムに関する定期的な自主監査を支援し、第三者視点でのアドバイスを行っています。加えて、定期的な監査とは別に、SUBARUがお取引先様の製造工程や生産現場に直接お伺いし、非定期の実地監査や工程診断、さらには生産性改善の提案を実施するなど、さらなる品質向上に向けた協働の取り組みも行っています。また、APQP(Advanced Product Quality Planning:先行製品品質計画)プロセスにのっとり、活動することで、お取引先様自身の実力も高め、全体としての品質向上にも寄与しています。こうしたSUBARUとお取引先様が一体となった取り組みを行うことにより、外製部品の品質を確保しています。
そのほか、外部環境が極めて不透明さを増している近年においては、大規模な自然災害や世界情勢の変動による部品供給問題が生じたことから、万が一に備え、迅速に部品供給の復旧を目指すべく、お取引先様への支援体制も確立しています。

リコールへの対応

SUBARUグループはお客様の安全を最優先に考え、事故を未然に防止すべく、リコールへの処置対応を行っています。
世界各国のお客様からのご指摘や不具合情報などから、商品の安全性や法規に抵触する可能性のある不具合が生じた場合には、社内規程に基づきCQO 兼 品質保証本部長を委員長とするリコール委員会を設けて、具体的な対応内容を決定し、関係官庁へ速やかにリコール届け出を行います。安全・安心を最優先に、対象となるお客様には販売特約店からダイレクトメールなどで修理(無償)をご案内しています。迅速に改善が図れるよう市場措置の進捗状況の確認を行っています。
なお、2023年4月現在において、品質や安全に関する情報提供に関して、法律や自主規定に違反した事例はありません。

SUBARUでは不具合が発生した部品を搭載している車両を早く確実に特定するため、車両の個体番号と搭載している部品の個体番号とを紐づける「部品トレーサビリティ」を進めています。万が一、リコールが発生した場合でも、お客様への迷惑度が最小限になる活動に取り組んでいます。

SUBARU車のリコールについて

リコール改善件数(国内)

(年度/件)

国内措置件数 2018 2019 2020 2021 2022
リコール※1 11 13※4 8 9 5
改善対策※2 1 1 0 1 0
サービスキャンペーン※3 6 3 6 3 2
合計 18 17 14 13 7
※1
同一の型式で一定範囲の自動車などまたはタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない、または適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計または製作過程にあると認められるときに、自動車メーカーなどが、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うこと。
※2
道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保および環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計または製作過程にあると認められるときに、自動車メーカーなどが、必要な改善措置を行うこと。
※3
リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うこと。
※4
タカタ製エアバッグ対応はモデル別にリコールを届け出ており、上記表ではそれらを1案件としています。
2022年度リコール実績(グローバル)※1

(件)

国・地域 件数
日本 5
北米 11
その他 5
グローバル 13※2
※1
社内データのため、当局公表データと異なる場合がある。
※2
複数の国・地域で実施した同一のリコールは1件として集計しているため各国・各地域の件数の合計とは異なる。

タカタ製エアバッグ リコールの進捗状況

SUBARUのタカタ製エアバッグのリコール対応について、米国における進捗率(2023年4月現在)は下表の通り、業界上位で進捗しています。

米国におけるタカタ製エアバッグリコール進捗状況
No. 自動車メーカー 進捗率
1 米国A社 99.0%
2 欧州B社 97.2%
3 日本C社 93.8%
4 日本D社 93.6%
5 欧州E社 92.2%
6 米国F社 91.8%
7 SUBARU 91.7%
8 日本G社 91.7%
  ・・・ ・・・
  業界平均 84.9%
2023年4月 NHTSA公表データより。