考え方・方針

SUBARUグループが、お客様に提供する価値「安心と愉しさ」の根幹は「品質」です。品質最優先を合言葉とし、高品質な商品とサービスの提供を推進しています。


品質方針

私たちは何より品質を大切にしてお客様の信頼に応えます

  1. お客様に安心して長くお使いいただける商品をお届けします
  2. お客様の声に常に耳を傾け、商品とサービスに活かします
  3. 法令・社会規範・社内規則を遵守し、お客様に信頼される仕事をします

体制・マネジメント

SUBARUグループでは、社長を最終的な責任者とし、CQO(最高品質責任者)が国内・海外の関係会社も含めた品質保証活動を統括しています。また、品質保証を統括・管理する部署として品質保証統括室を設置しています。CQOのもと、自動車事業においてはカスタマーファースト推進本部長、航空宇宙事業においては航空宇宙カンパニープレジデントがそれぞれの品質保証活動を統括管理しています。会社として全社の品質課題に迅速かつ一貫して関与できる体制となっており、グローバルでの品質改善のスピードと実効性を高めています。



【航空宇宙事業】
航空宇宙カンパニーでは、品質方針ならびにJIS Q 9100規格に基づいた品質マネジメントシステム(QMS)の維持・推進を行うとともに、品質向上に向けたシステム改善に取り組んでいます。
全社のCQO(Chief Quality Officer)のもと、航空宇宙カンパニープレジデントが、顧客重視の立場から品質マネジメントシステムの構築、実施および有効性を継続的に改善することに対して総括的な責任を負うとともに、カンパニー全体をリードしています。

製品の安全、品質に関するマネジメント

航空宇宙カンパニーでは、品質マネジメントシステムに関する認証を受けています。定期的な内部監査の実施と、第三者認証機関による更新審査の受審により、その有効性を維持しています。

  • JIS Q 9100 品質マネジメントシステムー航空、宇宙及び防衛産業分野の組織に対する要求事項
    認証対象:全工場(宇都宮本工場、南工場、南第二工場、半田工場、半田西工場、木更津事業所、本社事務所)

また、国土交通省より、航空機製造などの技術上の基準に適合する事業場として認定を受けており、法律で定められた期間で、更新検査を受検しています。

  • 航空法第20条に基づく認定事業場
    (認定を受けている能力)
    航空機の設計及び設計後の検査の能力、航空機の製造及び完成後の検査の能力、航空機の整備及び整備後の検査の能力、航空機の整備又は改造の能力、装備品等の製造及び完成後の検査の能力、装備品等の修理又は改造の能力

以下については、防衛装備庁から認証を取得するための監査を受審中です。

  • 防衛省訓令第32号 航空機の安全性の確保に関する訓令 第25条に基づく設計組織承認

品質会議

航空宇宙カンパニーでは、品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成することを確実にするため、年に1回以上「品質会議」を開催しています。製品および業務プロセスに対し、カンパニー内で実施する内部監査や外部からの評価(顧客満足、監査指摘等)、また、第三者機関による監査結果といった多様な分析結果をもとに、品質マネジメントシステムの変更や資源の必要性、および特定リスクへの対応を審議します。

品質はお客様との約束

航空宇宙カンパニーでは、飛行安全の確保が最優先されます。飛行安全を損なうリスクとしては、部品落下、操縦不能、エンジン停止などが挙げられますが、これらは機体墜落につながり、最悪の場合、人命に影響を及ぼす事案となりかねません。
このようなリスクを最小限に抑えるために、航空機の部品製造から組立ラインにおける「製品そのものの品質」と「工程上の品質」に対する厳格な検査の実施、および完成機での飛行試験を通じて、製品の安全性を徹底的に確認しています。
「製品そのものの品質」とは完成した航空機部品などを検査することで確認できる機能や安全のことを指します。「工程上の品質」とは、製造(作業、検査)における手順が標準化され、それに従って運用されており、この製造の結果が記録として残されていることを指します。この両者を満足させることが品質方針に記載されたお客様の信頼に応えることです。我々はこれは“お客様”との約束だと捉え行動しています。
また“お客様”との約束を果たすために、航空宇宙カンパニーは品質マネジメントシステムJIS Q 9100の原則の一つである改善に取り組み、必要な人財に対する教育にも取り組んでいます。
加えて、航空機の製造は多くのお取引先様からのご協力が必要なことから、航空宇宙カンパニーは社内に対してだけでなく、お取引先様に対する品質管理にも取り組んでいます。

取り組み・実績

改善の取り組み

航空宇宙カンパニーでは、望ましくない影響の修正、防止または低減する活動として、業務または工程作業の特徴に応じた改善活動を実施しています。


項目 内容
改善のために用いる手法や活動
  • リスクマネジメント、エラープルーフ、故障モード影響解析(FMEA)等
  • 外部情報源から報告される製品問題に関する情報の活用
  • 工程の改善活動
  • 品質に関するトピックをまとめたQCパンフレットの発行(月次)
改善で使用するツール 電子是正システム(2010年より運用開始。5,000件以上の是正を実施)
改善活動の共有 改善事例発表会:航空カンパニーとして年1回開催(優秀者は全社発表会へ参加)

人財育成~品質に関連する教育

航空宇宙カンパニーの全従業員または各部門の特定業務に関わる従業員を対象として、品質保証に関連する教育を実施しています。また、製品保証を行う検査員を対象とした教育を実施しています。


教育項目 対象 頻度
品質関連教育 品質リマインド教育 全従業員 2回/年
QMS定着教育 全従業員 2回/年
コンプライアンス教育 全従業員 2回/年
品質月間行事における教育 全従業員 1回/年
コンプライアンス月間行事における教育 全従業員 1回/年
ヒューマンファクター教育 主に航空法認定事業場従事者 1回/年
航空安全教育 主に航空法認定事業場従事者 1回/年
認定事業場従事者教育 主に航空法認定事業場従事者 1回/年
検査員向け教育 新規認定/定期更新教育 検査員 新規/3年ごと
検査員ベーシックマナー教育
テクノスクール
検査員 1回/年
検査員レベルアップ教育 検査員 1回/月
技量教育
テクノスクール
検査員 10回/年

飛行安全確保への取り組み

飛行安全に対する従業員の意識向上のため、飛行安全キャンペーン期間を設定しています。加えて、万が一事故が発生した場合に迅速に対応するための航空救難訓練を実施しています。


名称 内容 頻度
飛行安全キャンペーン 飛行安全に関する教育、一斉現場点検などの月間行事 2回/年
航空救難訓練 航空機事故が発生した際の対応訓練 1回/年

また、安全に関する要求として、国際民間航空機関(ICAO: International Civil Aviation Organization)の設定する基準に基づき国土交通省から要求されている安全管理システム(SMS: Safety Management System)があります。航空宇宙カンパニーでは、SMSを航空法第20条に基づく認定事業場に適用しています。SMSに従った活動の状況について、社内会議(年4回)を開催し、SMS要求への適合を確認しています。

お取引先様に対する品質管理

航空機の製造においては多くのお取引先様からご協力をいただいており、お取引先様の各社に対しては契約時の初回検査に加え、4年に1回(お取引先様によって2年に1回)の品質監査を行い、問題が見つかった場合には迅速に是正措置を講じています。品質改善に関する教育機会の提供や、是正指導のフォローアップを通じて、サプライチェーン全体での品質維持および向上に取り組んでいます。


名称 内容 頻度
品質監査 AS/EN/JIS Q 9100を基にしたSUBARUの品質要求(基準要求)
  • 新規登録時
  • 新規/4年ごと(原則)
  • 委託内容が変更になる場合は必要時
教育 品質向上等に関する教育会の実施 3回/年
是正措置 品質の悪化傾向等が確認された場合の、品質改善活動 随時
航空宇宙カンパニーで使用している電子是正システムを使用した是正措置 是正が必要な場合に随時