INTERVIEW 09 /
AEROSPACE COMPANY
北米サプライヤーと協力した
シアトルでの日々。
M・N
品質保証部 購買品質保証課
2008年入社
人力飛行機作りで、
機体の整備に関心を抱く。
「人力飛行機を作ってみたい」。それが、大学時代に流体力学の研究室を選んだ理由です。とはいえ、あの有名な「鳥人間コンテスト」に出場するような研究室ではなく、ナレッジはほぼゼロ。一から人力飛行機を作るのは想像以上に苦労が多く、作っては壊しての繰り返しでした。操縦担当のパイロットだった私は、そのたびに怖い思いをしました。壁にぶつかりそうになったこともあります。そんな体験があったからでしょうか。テレビで、胴体着陸をした飛行機の映像を見て、とてつもない恐怖を抱きました。それがきっかけで、以前から興味があった航空機の設計ではなく、航空機の安全を守るような仕事に携わりたいと思うようになりました。SUBARUを選んだのは、整備や検査も手がけていたためです。配属先は、希望通り品質保証部へ。入社後の7年間は、納入した製品を使用して頂いているお客様のクレーム対応が主な業務でした。その後、同部門の購買品質保証課へ異動し、航空機の部品を製造している海外サプライヤーとやりとりをして、品質が担保されているかを確認する業務に従事しています。

シアトル駐在時に苦戦したのは
「仕事に対する意識の違い」
入社してからずっと品質保証部門にいますが、一番仕事がハードだったのは、シアトル事務所に駐在していた2年半でした。赴任が決まったのは、購買品質保証課へ異動したばかりの時期。まず渡米に向けた半年間、日本で製品の検査業務を叩き込まれました。駐在後は、北米に点在する部品のサプライヤー先を転々とする毎日で、妻にもついてきてもらったのですが、1年の半分は家を空けるような生活を送っていました。駐在先での主な業務は、機体の製造や整備に必要な部品を製造しているサプライヤーに出向き、監査や品質改善活動を行うこと。たとえば、SUBARUが発注している部品の図面や仕様書、品質管理要求文書のとおりに作業をしているかを確認します。もし、そのときに要求から逸脱しているような行為が確認されたら、直してもらうように指導をします。苦戦したのは、その指導方法。英語力不足という基本的な問題もあったのですが、文化の違いからくる「仕事に対する意識の違い」という壁にぶつかりました。具体的には、ある部品に不具合があった場合、日本のサプライヤーなら、依頼しなくても現状の課題分析と今後の改善策をまとめて報告をしてくれるのですが、北米のサプライヤーからは報告をもらうことはありません。依頼すると「不具合があっても、使えるのだから問題ないのでは?」という返事がきたこともありました。そこで、SUBARUが求める安全の重要性を諦めずに伝えてみることに。たとえば、不具合の頻度をグラフ化したり、改善策を筋道を立てて図解化したりするなど。パッと見て分かるような資料作りを心がけたところ、北米のサプライヤーが納得して動いてくれたときは嬉しかったですね。帰国して1年、あの駐在生活は体力的にも精神的にも辛かったですが、その分自分自身が鍛えられ、非常に良い経験だったと実感しています。

自社のヘリコプター開発を目指す
新規プロジェクトに参画。
帰国後から携わっているプロジェクトは、米国ベル・ヘリコプター・テキストロン社と進めている新多用途ヘリコプターの共同開発です。今取り組んでいるのは「フェーズA」。バラバラになった機体をベル社から輸入して、日本で完成機体に組み上げる工程を指します。じつはここ十数年、SUBARUは、完成機体を一から自分たちで開発してきませんでした。今回、共同開発という形での参入は、会社にとっては大きな挑戦です。SUBARUの機体を作るという最終目標に向けた第一段階として、次のフェーズBは、サプライヤーから部品を調達するところから自社で行い、組み立て品を作って、完成機体として組み上げる工程です。まずはフェーズAを成功させなければ、フェーズBも最終目標にも進めないため、気が引き締まります。
現在は、先日ベル社から届いたバラバラの機体の品質検査を終えた段階です。それらが生産ラインで、きちんと組み上げられ、機体として完成した姿を見られる日、そして何より、フライト点検を経てから、無事に納品されていく姿を早く見届けたいです。直近の納品先は警察省や防衛省など、従来から整備や点検でお付き合いのあったお客様が主ではあるのですが、今後、民間企業への販売も視野に入れた展開も見据えています。また、日本のみならず、アジアにも販売網を広げられるような大きな事業にしていくことを視野に入れています。SUBARU品質を誇りに、空の安全をこれからも守っていきたいです。


PROFILE
2008年入社。理工学部機械工学科卒業。
旅行が趣味で、シアトルに駐在中は、北米だけではなく南米にも足を伸ばす。
印象に残った観光地は世界最大の滝であるブラジルのイグアスの滝。今年、新米パパになったばかり。
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