INTERVIEW 07 /
AEROSPACE COMPANY
たとえるなら富士の頂。
H・T
固定翼機設計部
2015年入社
あらゆる工学のテクノロジーが
航空機に集結している。
JAXA(航空宇宙研究開発機構)で、大学3年生から修士2年までの4年間を研修生として過ごしました。毎日、JAXAに通って研究していたのは、航空機部品への使用を狙った溶接技術です。溶接を航空機の結合に使用する場合、溶接の強度は安全の指標の一つとなります。そのため溶接した板を金属疲労させて、さまざまな実験データを繰り返し取り、強い溶接技術の開発に向き合っていました。大学時代に打ち込んだこの研究から飛び火する、私の好奇心を広く受け止めてくれるのは、やはり航空機でした。あらゆる工学のテクノロジーが航空機には詰まっているからです。そうした経緯から航空業界への就職を希望したのですが、そこでSUBARUを選択した理由は明確です。航空機について最も詳しく見ることができるのはメーカーだと思ったからです。小さな部品の一つひとつまで、その強度や材料、形などに携わることができます。現在、携わっている仕事は大学時代の研究の延長線上にありますが、責任感や規模などがまったく違います。当時の研究は、たとえるなら標高599メートルの高尾山への登山。一方で現在の仕事は、富士の山の広いすそ野からSUBARUというチームで頂上を目指すイメージです。

安全の担保に向けた
プロの矜持。
入社以来、ずっと担当しているのはボーイング787の強度設計。航空機の部品が、荷重に耐えて安全に飛行するために強度を計算する仕事です。たったボルト1本に対しても、引っ張ったり、曲げたり、ねじったりと実験を重ね、膨大な時間と労力を使って安全のための強度計算を行います。何重にも安全性が担保されていて、最初は「ここまでやるんだ」と驚いたほどです。また、計算だけでは評価できないことがあります。たとえばボルトを取り付けるための工具が、周辺の構造と干渉しないかの検討は、テキストで得た知識からは想像できませんでした。経験と現場で積み上げた知識が、航空機の構造部品の安全性をより強靭なものにしていくと実感しています。さらに部品は、コストはもちろん作りやすさ、重量、材料などの面も考慮して社内外で調整を行いながら設計します。そのため宇都宮工場内の他部署、愛知の半田工場、ボーイング社などとそれぞれの立場を理解しながら交渉していくことも私たちの仕事です。こうした調整は他の航空機メーカーとも行っています。SUBARUが担当する中央翼とは、機体の中央に位置して左右の主翼と前後の胴体をつなぐ部分。胴体は川崎重工業、翼は三菱重工業が製作しているため、接合部分の設計などについて両社と情報を共有しながら調整を進めています。ときには各企業における製造プロセスの関係上、設計の変更が必要になる場合もあります。入社2年目の頃、他社と粘り強く設計変更を交渉して安全かつバランスの取れた部品にできた経験は自信につながりました。大きな仕事を任されたときは不安もありましたが、普段よりも上のレベルの業務に挑戦したことで、仕事への視野も興味も広がりました。

タテにもヨコにも壁がない
SUBARUの職場。
今後はプロフェッショナルな先輩たちから、より多くのことを教えてもらわなければならないと思っています。蓄積された知恵を次世代につなぐための仕組みづくりは、今後の課題です。幸い私は疑問に思ったことは素直に聞けるタイプのようです。先日も上司に「話がよく分からない」と言われ「どうすれば治せますか」とすぐに聞き返して笑われました(笑)。それに比べると、私がリクルーターとして参加している企業説明会で会う最近の学生たちは、遠慮がちな人が多いと感じています。私から何度も質問の有無を尋ねなければ、本音が出てきません。気になることがあれば、何でも聞いてほしいですね。SUBARUでは部署間の壁をあまり感じません。技術に関することであれば、後輩であっても上司と対等に議論できる文化があります。
タテとヨコのつながりのなかで、自由に発言できる職場はプライベートでも交流があります。先日も同僚7、8人で休暇を合わせてANAの整備工場にいきました。自分たちが設計している機体を見学していると嬉しくなり、自然とにやけてしまいます。ただ私たちが担当しているのは、旅客機の内側にある中央翼と胴体をつなぐ部分。全員で口癖のように「見えないのが残念だよね」と言い合っています(笑)。本当にみんな、飛行機が好きなんです。次機開発のキーパーソンになって前進する鋭気も、これまで情熱を傾けてきた飛行機からもらっています。


PROFILE
2015年入社。基幹理工学研究科機械科学専攻。
修士2年生まではJAXA(航空宇宙研究開発機構)に研修生として修学し修了。趣味はテニスやゴルフ、BBQ。
懇親会は「参加します!」と返事をしてからスケジュールを確認するタイプ。
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