
クルマのデザインとは、ただなんとなく見た目がカッコイイものをつくればいいのではありません。厚み、カーブ、色、配置…すべてにおいて、なぜそうしたのかの理由を語れなければいけないと思っています。見る人にどんな印象を抱いてほしいかはもちろん、操作性や乗り心地といった機能、強度や空気抵抗といった技術的な性能まで考え抜いて、スバルのデザインは造り込まれています。
その意味で、最近担当した人気車種のマイナーチェンジでは、本当に悩みました。考え抜かれてつくられた人気のデザイン。それを超えるというのは簡単なことではありません。当初は「現行モデルの完成度が高く、それを越えるのは難しいのでは」という迷いもありました。けれども、機能とスタイリングを進化させ、時代に合ったデザインを創り上げることが必ずできるという気持ちで取り組みました。時代の動向を読み、ダイナミックでソリッドな魅力をさらに伸ばし、進化させることを大切にしました。結果として、チーム全員で細部に至るまで「なぜそうしたのか」の意味を考え抜き、納得できるデザインに仕上がったと思います。デザイナーが意味を語らなくても、見て、乗って、運転すればお客様自身にその意味を感じ、共感して頂けるのが、本当に優れたデザイン。世に出るのは少し先ですが、お客様の反応が今から楽しみです。これからも、安心と愉しさを追求しお客様目線ですべてに意味のあるデザインにこだわり続けたいですね。