考え方

「大地と空と自然がSUBARUのフィールド」と謳うSUBARUにとって、自然がもたらす恵みは欠かすことができません。SUBARUグループでは、商品の環境性能向上はもちろんのこと、原材料調達、製造、輸送、使用、廃棄というライフサイクル全般にわたり地球環境保護に取り組みます。

体制

環境対応の要となる電動化を含め、自動運転、コネクテッドなどに象徴される新技術領域への対応と魅力ある商品の提供を実現するためには、経営資源を有効に投入する戦略的な技術開発を進め、技術と経営をより強く結びつける必要があります。
環境対応に向けた電動化を含む新技術領域の開発を加速させるため、SUBARUは車体やパワーユニットといった機能組織ベースの開発から価値軸と機能軸を有機的に組み合わせる開発体制に変更しました。また、将来に向けた技術開発の方向性を議論・決定する組織として技術本部内にCTO室を設置し、調達、製造なども含めた全社戦略に落とし込む体制を整備しました。
部門最適、車種最適から全社最適へと視点をより高め、将来技術に柔軟に対応できる体制を目指すとともに、これらの開発体制の変更は、環境対応や新技術領域においてもSUBARUらしい提供価値を醸成、提供していくための重要な基盤固めになると考えます。

将来のSUBARUを実現しうる技術を養い、高め、蓄積する

中長期目標(長期ビジョンとマイルストーン)

SUBARUは脱炭素社会の実現に貢献していくため、CO2削減に向けた長期目標(長期ビジョン)と、それを補完する中期目標(マイルストーン)を策定しました。
電動化時代においても「SUBARUらしさ」を強化し、2050年、そしてそこにいたる2030年の中長期目標にのっとり、環境に配慮したクルマづくりを進めていきます。
また、グローバルでの廃棄プラスチック問題に貢献するため、クルマに関する2030年目標として、「2030年までに、新型車※1に使用するプラスチックの25%以上をリサイクル素材※2由来とすることを目指し、研究開発を進めていく。」を新たに策定しました。

  • 2050年に、Well-to-Wheel※3で新車平均(走行時)のCO2排出量を、2010年比で90%以上削減※4
  • 2030年代前半には、生産・販売するすべてのSUBARU車※1に電動技術※5を搭載
  • 2030年までに、全世界販売台数の40%以上を、電気自動車(EV)+ハイブリッド車(HV)にする
※1
他社からOEM供給を受ける車種を除く。
※2
マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルプラスチックなど。
※3
「油井から車輪」の意味。EVなどが使用する電力の発電エネルギー源まで遡って、CO2排出量を算出する考え方を指す。
※4
2050年に世界で販売されるすべてのSUBARU車の燃費(届出値)から算出するCO2排出量を同2010年比で90%以上削減。総量ベース。市場環境変化による販売台数の増減は加味するが、走行距離の多少は考慮しない。
※5
EV・ハイブリッドなど、電力利用を高める技術を指す。

SUBARUの考える商品を通じた脱炭素社会への貢献

取り組み

新車CO2排出量の削減

SUBARUは、自動車から排出されるCO2の排出量を削減するためには、従来のガソリンエンジン車での燃費性能向上を進めつつ、電動車の車種拡充や年々厳しさを増す各国の燃費規制を見据えたEV開発を着実に推し進めることが最も重要であると考えます。

燃費性能向上

従来のガソリンエンジン車へのお客様ニーズに応えることはもちろん、車種拡充が図られるHVもガソリンエンジンと電動技術の組み合わせであり、エンジンの進化は燃費性能向上に必須です。2020年に発売した新型「レヴォーグ」および「フォレスター」に搭載した「1.8L BOXER直噴ターボ“DIT”※1」は、新世代BOXERエンジンとして低回転域から高いトルクを発生させるターボシステム、少ない燃料でより多くのエネルギーを生み出すリーン燃焼技術を採用、リニアトロニックの変速範囲の拡大と相まって、発進時の力強い加速や高速巡航時の燃費性能を向上し、SUBARUらしい走りと優れた環境性能が両立しています。

※1 DIT:Direct Injection Turbo


新開発1.8L直噴エンジン

電動車―HV、PHV(プラグイン・ハイブリッド車)、SHEV(ストロングハイブリッド車)、xEV(各種電動技術を含むクルマ)

SUBARUはこれまで、水平対向エンジンと電動技術を組み合わせたマイルドハイブリッド「e-BOXER※2」搭載車の拡充、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)の持つHVノウハウを活用した、SUBARUオリジナルのPHVの発売などCO2排出量削減への取り組みを実施してきました。これらに加え2020年代中盤には、トヨタハイブリッドシステム(THS)※3の技術を取り入れた、SUBARUらしさと環境性能を高次元で両立したSHEVを市場投入していきます。また、ガソリンエンジン車に各種電動化技術を備えることで燃費性能を向上させたxEVの展開も計画しています。これらの電動車の商品ラインアップ拡充を着実に進めることで、SUBARUは新車CO2排出量の削減を実現します。

※2
SUBARUらしい走りの愉しさに加え、環境にも配慮した水平対向エンジン+電動技術の呼称。
※3
TOYOTA Hybrid System

電動車―EV(電気自動車)

SUBARUは、来る本格的電動化時代への次なる布石として、自然との共生を目指すSUBARU初のグローバルEVとなる「SOLTERRA」を2022年の年央に発売を予定しています。トヨタと共同開発したEV専用プラットフォーム「e-SUBARUGLOBAL PLATFORM」を採用し、SUBARUが長年培ってきたAWD技術とトヨタの持つ優れた電動化技術を活用するなど、両社がそれぞれの強みを持ち寄ることで、EVならではの魅力を持つSUVとし、SUBARU SUVラインアップに加わる新たな選択肢として日本、米国・カナダ、欧州、中国などで発売予定です。
SUBARUは、「先進の技術で環境に貢献できる商品を開発、社会に提供」することで地球環境保護への貢献を目指しています。引き続き、実用性とお客様の嗜好を踏まえつつSUBARUのお客様との関係性を深化させることのできる、SUBARUらしい環境対応車を順次、市場ごとに充実させていく予定です。


共同開発EV SUBARU名:「SOLTERRA(ソルテラ)」
「SOLTERRA(ソルテラ)」はラテン語で「太陽」を意味する「SOL(ソル)」と、「大地」を意味する「TERRA(テラ)」を組み合わせた造語

電動化でCO2を削減しつつ、環境時代も「SUBARUらしさ」を際立たせる

ライフサイクルアセスメント

SUBARUは自動車のライフサイクル全体(原材料調達、製造、輸送、使用、廃棄の各段階)のCO2排出量を評価するLCA※4を実施しています。自動車の環境への影響を定量化し、脱炭素化に向けた自動車の開発を設計段階から積極的に行います。
SUBARUは燃費の改善や電動化技術などにより、ライフサイクル全体での環境負荷削減に努めます。

※4
LCA(Life Cycle Assessment:ライフサイクルアセスメント):商品やサービスの原料調達から生産、使用、廃棄・リサイクルに至るまでの一連のライフサイクルにおける環境負荷を総合的に評価する環境影響評価手法のこと。

レヴォーグ

2020年10月に発表した新型「レヴォーグ」は、排気量クラスが変更になりました。
LCA各段階におけるCO2排出量の割合は、以下の通りです。

インプレッサ

2016年秋にフルモデルチェンジした「インプレッサ」のLCAは、下記のようになりました。
「インプレッサ」は従来型車に比べ、ライフサイクルでCO2排出量を2.3%削減しています。

フォレスター(e-BOXER)

2018年6月に発表した「フォレスター(e-BOXER)」のLCAは、以下のようになりました。
従来型車(ガソリン車)に比べ、ライフサイクルでCO2排出量を8.7%削減しています。

レガシィ アウトバック

2014年10月に発売した「レガシィ アウトバック」のLCAは、以下のようになりました。
「レガシィ アウトバック」は従来型車に比べ、ライフサイクルでCO2排出量を8%削減しています。

SUBARU XV (e-BOXER)

2018年10月に発表した「SUBARU XV(e-BOXER)」のLCAは、以下のようになりました。
従来型車(ガソリン車)に比べ、ライフサイクルでCO2排出量を12%削減しています。

SUBARU BRZ

2021年7月に発表した新型「SUBARU BRZ」のLCA各段階におけるCO2排出量の割合は、以下の通りです。
従来型車から排気量クラスが変更になったため、新型車のみデータを掲載しています。

リサイクル配慮設計

SUBARUでは、限りある資源を有効に活用していくために、リサイクルを考慮したクルマづくりを推進しています。

再生樹脂の活用

SUBARUは資源循環型社会と脱炭素社会の実現に貢献するため、自動車に使用されている樹脂部品を再生樹脂やバイオマス材料などに切り替えるべく、技術開発に取り組んでいます。

Subaru of America, Inc.

Subaru of America, Inc.は、環境に優しいアクセサリーアイテムの活用として2021CrosstrekSport®用の使用済みリサイクル素材を使用したフロアマットの開発と発売を支援しました。このフロアマットの表面と裏地は海洋ごみなどを再利用したリサイクル素材を100%使用して作られています。

リサイクル素材を使用したフロアマット

排出ガスのクリーン化

SUBARUは世界的にクリーンな大気を維持・浄化するため、過去からの大気汚染原因物質である炭化水素化合物、窒素酸化物だけでなく、昨今、深刻な人体影響が注目されている微粒子物質に関して、排ガスクリーン化の技術開発に取り組んでいます。商品レベルでは各国の最新規制への対応車種を順次拡充しており、開発レベルでは各国の次期規制対応に順次着手しています。

  • 日本:2018年基準排ガス低減レベル
  • 米国:カリフォルニア州SULEVレベル
  • 欧州:Euro6最終段階レベル
  • 中国:国家第6段階規制レベル

今後規制化が考えられる成分も含めて、将来に向け、各国の環境下での最適な仕様の研究をもとにお客様にとってリーズナブルな商品の開発・提案を進めます。その手法の一つとして、排ガスクリーン化に大きな役割を担う触媒の高性能化と使用する貴金属の省資源化を両立させるべく、素材から原子レベルの材料設計に取り組んでいます。

環境負荷物質の低減

SUBARUは、お取引先様との協力を図りながら、自動車の環境負荷物質の低減にも積極的に取り組んでいます。
鉛、水銀、六価クロム、カドミウムの削減については、2008年以降の新型車全モデルで一般社団法人日本自動車工業会の環境負荷物質削減目標を達成しました。
また、REACH規則、ELV指令、化審法など世界各国の化学物質規制に対応し、鉛のさらなる削減およびフタル酸系可塑剤などの環境負荷物質の代替を進めています。

車室内VOC※5の低減

SUBARUはVOCを低減するために、車室内の部材や接着剤を見直しています。
「レガシィ」「レヴォーグ」「インプレッサ」「フォレスター」「SUBARU BRZ」は、厚生労働省が定めた指定13物質について、室内濃度指針値を下回るレベルに低減し、日本自動車工業会自主目標※6を達成しています。今後もVOC低減を進め、車室内環境の快適化に努めていきます。

※5
ホルムアルデヒドやトルエンなどの常温で揮発しやすい有機化合物。人の鼻や喉などへの刺激の原因とされる。
※6
日本自動車工業会が発表した「車室内VOC低減に対する自主取り組み」で、2007年度以降の新型乗用車(国内生産、国内販売)は、厚生労働省が定めた13物質について、室内濃度を指針値以下にするというもの。

日本自動車工業会「車室内VOC(揮発性有機化合物)低減に対する自主取り組み」