CSR重点6領域 環境
2025年のありたい姿
企業活動を通じて
「大地と空と自然」が
広がる地球環境を
大切に守っていく

基本的な考え方/KPI/貢献するSDGs

基本的な考え方 KPI 貢献するSDGs
SUBARUのフィールドである「大地と空と自然」を将来世代へ伝承するため、企業活動全体で環境に配慮していきます。
  • 工場・オフィスなど(スコープ1および2)に関して2035年度までに2016年度比60%削減(総量ベース)
  • 2030年に全世界販売台数の50%をBEVにすることを目指す
  • 2030年代前半には、生産・販売するすべてのSUBARU車に電動技術を搭載
  • 二次電池などを含めた資源循環戦略の立案
  • リサイクル率の向上

重要と考える理由

SUBARUは環境方針のなかで「大地と空と自然」をSUBARUのフィールドと定め、自然との共生を目指す取り組みへの注力を掲げました。これは、自動車と航空宇宙事業を柱とするSUBARUの事業フィールドである「大地と空と自然」を大切に守っていきたいという思いを込めたものです。豊かな「大地と空と自然」が広がる地球環境があってこそ、社会とSUBARUの持続性が可能になるという考えのもと、オールSUBARUで地球環境保護に取り組んでいきます。

CSR重点6領域の取り組み

TOPICS
地球環境に配慮したSUBARUのクルマづくり
SUBARUらしい個性と技術革新で、取り組みを加速する

持続的な社会の実現に向けて、SUBARUならでは環境価値を高めていく

SUBARUは、「大地と空と自然」を将来世代へ伝承していくために、環境対応はもちろん、持続的な社会の実現に企業としてどう貢献していくべきかを考え抜き、環境に配慮したクルマづくりを追求しています。
主要市場の一つである米国では、SUBARUのお客様は、SUBARU車に対する安全性や信頼性への関心とともに、地球環境や社会への当事者意識が高いという傾向があります。また、SUBARUのお客様は、SUBARU車の環境価値を一般的な「燃費、排ガス」のみで捉えず、①実用性・AWD「1台で何でもこなせる」、②安全性「事故が少ない、社会に迷惑をかけない」、③信頼性・耐久性「長く使える、資源を無駄にしない」という広義の環境価値として認識しています。
そして私たちSUBARUも、グループ内の組織を横断しバリューチェーン全体を俯瞰できる環境マネジメント体制を構築して、環境価値をさらに高めていくための活動をオールSUBARUで推進しています。たとえば資源循環へのアプローチでは、国内外の生産拠点での埋め立てゼロの継続、商品のライフサイクルにおける効率的な資源循環、一次元高い統合的な3R(Reduce、Reuse、Recycle)などを、お取引先様と共に実践しています。また、生物多様性に関する取り組みでは、北海道の研究実験センター敷地内での森林整備と保全、生態系に配慮した原材料の調達など、地域社会・行政をはじめさまざまなステークホルダーと連携した保全活動を展開しています。
私たちは、SUBARUの提供価値を広義の環境価値として捉えるステークホルダーの皆様と共に、環境貢献につながる多様な活動を実践しながら、SUBARUらしい技術を投入した環境に配慮したクルマづくりを追求することで、愉しく持続可能な社会の実現に寄与していきます。

本格的電動化時代のモノづくり革新・価値づくりに向けて、SUBARUらしいBEVを市場へ導入

一連の環境活動の中でも、気候変動リスクの抑制に向けたCO2の削減は、環境に配慮したクルマづくりを追求するSUBARUにとって最重要テーマの一つだと認識しています。
SUBARUでは2050年頃のカーボンニュートラルを目指すべき方向として定め、「2050年に、Well-to-Wheel※1で新車平均(走行時)のCO2排出量を、2010年比で90%以上削減※2する」という長期目標を策定しています。そのマイルストーンとして、「2030年までに全世界販売台数の40%以上をEVとハイブリッド車にする」「2030年代前半には、生産・販売するすべてのSUBARU車※3に電動技術※4を搭載する」という中期目標を策定しました。これらのマイルストーンは、非連続かつ急速に変化する事業環境に対応したアップデートを前提としています。2023年8月には、電動化の目標を「2030年に全世界販売台数の50%をBEV※5にすることを目指す」へ引き上げることとし、その実現に向けた取り組みを進めています。また、2021年度からは「製品使用」「素材部品」「輸送」「廃棄」「製造」の5つの領域で担当部署を定め、事業活動のライフサイクル全体で排出されるCO2の削減を通じて、脱炭素社会の実現に貢献するための取り組みを開始しました。

これらの目標達成を明確に意識しつつ、本格的電動化時代への次なる布石として、2022年よりSUBARU初のグローバルBEVとなる「ソルテラ」を市場導入しました。同モデルは、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)と共同開発したEV専用プラットフォーム「e-スバルグローバルプラットフォーム」を採用。SUBARUが長年培ってきたAWD技術と、トヨタの持つ優れた電動化技術という、お互いの強みを持ち寄りながら、両社による開発投資の蓄積・成果を効率的に活用して商品化したものです。

※1:
「油井から車輪」の意味。EVなどが使用する電力の発電エネルギー源までさかのぼって、CO2排出量を算出する考え方を指す。
※2:
2050年に世界で販売されるすべてのSUBARU車の燃費(届出値)から算出するCO2排出量を同2010年比で90%以上削減。総量ベース。市場環境変化による販売台数の増減は加味するが、走行距離の多少は考慮しない。
※3:
他社からOEM供給を受ける車種を除く。
※4:
EV・ハイブリッドなど、電力利用を高める技術を指す。
※5:
BEV(Battery Electric Vehicle)。バッテリー式電気自動車。

電動車開発の拡大・加速に伴う、国内生産体制再編の進捗

世界市場で急速に進行する、クルマの電動化。この大きな変化に対応するために、SUBARUでは国内の生産体制を戦略的に再編していきます。まず2025年付近をターゲットに、BEVの自社生産を矢島工場で開始します。そして2026年末までに、発売済みの「ソルテラ」を含め、SUBARUらしさを体現した計4車種のSUVをラインアップする予定です。2027年以降は大泉工場にBEVの専用ラインを追加するとともに米国での生産検討に着手します。高効率で柔軟な生産の仕組みを整えながら、2028年末までにさらに4車種のBEVラインナップ追加し事業性の向上を図っていきます。市場の動向に応じて、BEV、ハイブリッド車、ガソリン車の生産比率を柔軟に変更できる体制を組み立てながら、需要の先行きが見えてきた段階では、生産規模を一気に拡張できるよう、「柔軟性と拡張性」の考え方を軸に、商品開発と生産体制の構築を進めています。全世界の工場生産キャパシティは検討着手した米国BEV生産ラインを加えて120万台規模を見込んでいます。
SUBARUの電動化戦略推進のポイントは、脱炭素社会に向けた市場・環境規制の変化はもちろんのこと、私たちが大切にしてきた「お客様との関係」を発展させていくためにも、お客様のご要望や嗜好・価値観の変化などを見極め、「お客様の期待」に応える商品価値・環境価値を提供することだと考えています。そのような考えのもと、SUBARUのお客様にご満足いただける、お客様を笑顔にできる商品開発、市場環境を踏まえた柔軟性のある生産体制を引き続き整えていきます。