考え方・方針

SUBARUは、安全衛生を重要な経営課題と位置づけ「安全衛生はすべての業務に優先する」ことを基本理念として、安全衛生基本方針を策定しています。また、国内・海外の関係会社では、それぞれの事業内容や地域性、各地の法令などを踏まえた安全衛生方針を定め、それに基づいた取り組みを推進しています。

安全衛生 基本理念
群馬製作所 矢島工場

安全衛生 基本方針

労働災害、交通事故、疾病、火災等災害のゼロをめざし、全員が安全衛生の重要性を認識し合い、設備・環境・作業方法の改善と管理・意識の向上を図り、安全快適な職場作りを進める。

2002年4月制定

体制・マネジメント

安全衛生体制図

中央安全衛生委員会

SUBARUおよび関係会社の全従業員(非正規を含む)の労働災害防止、疾病予防、労働環境向上を目的に、中央安全衛生委員会を設置し、労働安全衛生活動とともに健康経営の取り組みを推進しています。委員長は人事部を管掌する執行役員が務め(2025年3月末現在)、副委員長は労働組合から選出しています。また、各事業所の安全衛生を統括する部長がメンバーとなっています。主に労働安全、労働衛生、交通安全、防火防災について年3回審議します。
2024年度トピックス

  • 労働安全…各事業所の労働災害対策事例とその効果の共有
  • 労働衛生…2023年度大きく改善した技術開発部門のメンタルヘルス疾病に対する活動内容の共有
  • その他…2025年4月に開始する完全敷地内禁煙の課題とその対応について

事業所安全衛生委員会

各事業所は中央安全衛生委員会に紐づいた安全衛生委員会を設置しています。それぞれの安全衛生委員会ではSUBARU従業員および管轄する関係会社や構内常駐業者に対し、関連する情報を周知し、安全衛生活動を推進しています。
群馬製作所においては、事業を管轄しているSubaru of Indiana Automotive, Inc.など海外の関係会社とも安全衛生に関する定期的な情報共有会を実施し、海外の安全衛生の活動への支援を行っています。

目標と指標

労働災害、交通災害に関しては、発生件数(不休/休業)と度数率を主な指標とし、今後も低減に向け取り組みを推進していきます。

労働災害発生状況と災害度数率(SUBARU単独)

労働災害発生状況と災害度数率 労働災害発生状況と災害度数率

取り組み・実績

SUBARUは、年度初めに各事業所の安全衛生委員会を通じ、管理監督者に安全衛生年度方針を通達しています。全従業員で活動目標と取り組み計画を確認し合い、「労働災害防止」「交通安全」と「健康管理」に対する意識向上を図っています。

労働災害防止活動

安全宣言バッジの着用

SUBARUの全従業員は安全意識の高揚を図るため、「私は、行動を起こす前に必ず安全を確認します。」と明記された「安全宣言バッジ」を着用しています。

安全宣言バッジ
安全宣言バッジ

指差し呼称の推進活動

各事業所では、ミスやヒューマンエラーを防止するために、構内の横断歩道などでの労働安全の基本である指差し呼称を徹底し、安全行動への意識レベルと安全確認の精度向上を目指しています。

労働安全に関する教育

安全体感道場

群馬製作所の安全体感道場では、SUBARUグループの従業員のみならず、派遣社員、構内請負・委託会社社員、構内工事関係者や仕入先従業員も対象とした、安全衛生教育に取り組んでいます。
転倒や切創、挟まれ・巻き込まれといった災害を中心に、発生時の状況を疑似体験できる体感訓練機を活用した安全教育を2024年度は年間3,400人の従業員が受講しています。また入職時より、現場で使用する保護具の紹介や着用ルールを学ぶことで、「危険感受性」を養う取り組みを進めています。

トレーニングセンター

群馬製作所では、入職時にトレーニングセンターでの安全衛生教育を行っています。
10日間のカリキュラムでは、受講者の配属工程に応じた模擬ラインを活用して実技訓練を行い、リアルな災害をイメージできる環境で「危険感受性」を養う教育を行っています。
年間約2,000人の従業員が受講し、職場へ配属されています。

「安全衛生標語コンクール」の実施

SUBARUでは全従業員を対象に、安全衛生意識の向上を目的として次年度使用する安全標語を募集しています。「労働安全」「労働衛生」「交通安全」「健康管理」の4テーマで募集を行い、2024年度は16,825点の作品が集まりました。

労働災害を繰り返さないために

各事業所および関係会社で発生した労働災害とヒヤリハットについては、他の事業所での類似災害発生防止を目的とし、災害発生部署から事業所安全衛生部門を経て、所内各部署や関係会社への情報展開を行っています。
2024年度に発生した労働災害の主な要因は「作業の慣れ」などによる「危険感受性の低下」にありました。そのため、2025年度は「安全意識の強化」を掲げ、「指さし呼称」や「自身の安全宣言」「ヒヤリハットの徹底的なつぶしこみ」などの初心に戻った安全活動を推進します。

開発・生産の現場では生産性向上やチャレンジすることが常に求められますが、その中で安全をおろそかにすることはできません。今後も日々の災害防止活動を強化していきます。

交通安全活動

SUBARUでは、従業員の業務・通勤・プライベートなどにおけるすべての交通事故を防止するため、様々な取り組みを行っています。


  • 自動車通勤が多い製作所・事業所の全従業員を対象に、長期連休前に啓発活動(過去事例の展開・交通安全DVD視聴など)を実施。
  • 事業所所轄警察署長による「運転マナー向上」を目的とした講演を開催。
  • 自動車教習所と連携し、新入社員を対象とした実車による交通安全体感教育を実施。危険運転や交通事故のリスクを実際に体感し、事故防止への意識を高めている。
  • 心理学を応用した「運転適性検査」と、「ドライブレコーダー」を用いた自身の運転のクセなどを把握する取り組みを実施。

グループ一丸となった取り組みへと発展させるために

SUBARUと国内グループ会社、および一緒に働くお取引先様が一丸となって安全衛生を強化できるよう、お取引先様各社と共に「スバル安全環境協議会」を設置・運営しています。
特に「労働安全・労働衛生・交通安全・防火防災」の強化・充実に取り組んでおり、年に一度の総会をはじめ、休業を伴う災害や交通事故発生時の情報共有、新入社員・職長・専任管理者の教育などを行っています。

Subaru of Indiana Automotive, Inc.における取り組み

Subaru of Indiana Automotive, Inc.では、創業当初から、品質と並ぶ最優先項目として職場における労働安全の取り組みを進めており、米国自動車業界内における業務上疾病率は低位水準を維持しています。2024年8月にはISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)を取得し、従業員に対し安全で健康な職場環境を提供し、労働災害や疾病予防を行っています。