考え方・方針

SUBARUは、「安全衛生はすべての業務に優先する」ことを基本理念として、安全衛生基本方針を掲げています。
また、SUBARUの全従業員は、安全意識の向上を図るため、「私は、行動を起こす前に必ず安全を確認します。」と明記された「安全宣言バッジ」を着用しています。
国内・海外の関係会社では、それぞれの事業内容や地域性、各地の法令などを踏まえた安全衛生方針を定め、それに基づいた取り組みを推進しています。

安全衛生 基本理念
安全衛生 基本理念

安全衛生 基本方針

労働災害、交通事故、疾病、火災等災害のゼロをめざし、全員が安全衛生の重要性を認識し合い、設備・環境・作業方法の改善と管理・意識の向上を図り、安全快適な職場作りを進める。

2002年4月制定

 
安全宣言バッジ
安全宣言バッジ

体制

SUBARUでは中央安全衛生委員会を設置し、SUBARUおよび関係会社の全従業員(非正規従業員を含む)を対象に、労働安全衛生の取り組みを進めています。
中央安全衛生委員会の委員長については、2025年7月より、従来の人事部長に代わりモノづくり本部長が務める体制とし、生産現場に近い立場から労働安全衛生活動を推進しています。副委員長は、航空宇宙カンパニープレジデントおよびSUBARU労働組合の副執行委員長が務めています。委員は、各事業所の安全衛生を統括する執行役員および部長で構成されています。
また、各事業所には中央安全衛生委員会に紐づく事業所安全衛生委員会を設置しています。事業所の従業員に加え、関係会社や構内常駐業者に対しても必要な情報を周知しながら、労働安全衛生活動を展開しています。
自動車の開発・製造拠点である群馬製作所では、Subaru of Indiana Automotive, Inc.をはじめとする海外関係会社とも定期的に労働安全衛生に関する情報共有を行い、海外拠点の労働安全衛生活動の支援につなげています。

労働安全衛生の推進体制

労働安全衛生の推進体制

目標・実績

SUBARUでは、「労働安全」領域の労働災害度数率と、「健康増進」領域のメンタルヘルス疾病休業日数率を、特に重点的に管理すべき指標としています。

目標(SUBARU単体)

(年度)

領域 指標 実績 目標
2023 2024 2025 2028
労働安全 労働災害度数率 0.53 0.53 0.46 0.33以下
健康増進 メンタルヘルス疾病休業日数率 0.93 0.92 1.09 0.8以下

労働災害発生状況と災害度数率(SUBARU単体)

労働災害発生状況と災害度数率 労働災害発生状況と災害度数率

取り組み

中央安全衛生委員会は、各事業所の安全衛生委員会を通じて、取り組み領域である「労働安全」「労働衛生」「健康増進」「交通安全」「防火・防災」に関する目標や計画を従業員に周知し、活動を推進しています。

労働安全

労働災害のリスクの特定

[重大危険源]

SUBARUでは、労働災害が発生しやすい状況として「重大危険源7」を特定し、SUBARU全体での共通認識としています。

重大危険源7
重大危険源7 重大危険源7

電動化事業における新たなリスク

SUBARUでは、新規事業であるバッテリーEV自動車生産の本格化を見据え、労働安全上のリスクアセスメントに着手しています。高電圧作業やバッテリーの取り扱いなど、バッテリーEV自動車特有の危険源を洗い出し、SUBARU共通の安全ルールの検討を進めています。今後は、管理・運用、体制・教育、保護具・設備、緊急対応、廃棄・処理工程における安全確保の観点から、労働災害の発生防止に向けた対策を具体化していきます。

労働災害の発生防止

特定した危険源に起因する労働災害の防止に向け、SUBARUでは、ヒヤリハット※1の抽出や作業条件・作業手順の見直しなどの取り組みを進めています。また、労働災害の要因には、作業標準の不足や逸脱などの不安全行動に加え、不意に力を入れ過ぎる、手を滑らせるといった「不測の異常モード」も含まれます。こうした事象は、一見安全に見える作業から発生する場合もあり、あらかじめ想定することが難しい点が特徴です。SUBARUでは、このような想定しにくい事象も含め、各事業所や関係会社で発生した労働災害やヒヤリハットの事例、その際の気づきを、他の事業所・関係会社へ横断的に展開しています。これにより、他拠点でも、労働災害が発生する可能性のある状況を把握し、予防につなげています。
2024年度の労働災害分析では、「作業の慣れ」などによる「危険感受性の低下」が主な要因であることが確認されました。これを踏まえ、2025年度は安全意識の向上に重点を置き、「指差し呼称」や「自身の安全宣言」「ヒヤリハットの共有・活用」など、基本に立ち返った安全活動を推進しました。

※1
災害には至らなかったものの、事故につながるおそれがあった事象

労働衛生

作業環境の整備

[熱中症対策]

2025年度、SUBARUではすべての事業所を対象に、熱中症対策に重点的に取り組みました。主な取り組みは以下の通りです。

  • 設備対策:作業環境の改善に向け、空調設備の強化を実施。
  • 作業者支援:空調服の貸与および飲料水・塩飴などの支給を実施。
  • 教育・啓発:熱中症に関する教育を実施するとともに、メールや構内のデジタルサイネージを活用し、注意喚起や関連情報の周知を実施。

健康増進

メンタルヘルス疾病の低減

メンタルヘルス疾病への適切な対応を行うことは、従業員一人ひとりの健康維持と、持続的な生産性向上の両立に向けた重要な取り組みです。SUBARUでは、INSIDESサーベイ※1の結果を活用した上司と部下との面談を推進し、メンタルヘルス不調の早期把握と予防および改善につなげています。
SUBARUのメンタルヘルス疾病対策の詳細は以下のリンク先をご覧ください。

※1
従業員の心理状態や仕事に対する考え方・感じ方の傾向を、アンケート形式で可視化するツール

交通安全

SUBARUでは、従業員の業務・通勤・プライベートなどにおけるすべての交通事故の防止を目的として、施策を実施しています。主な取り組みは以下の通りです。

  • 自動車通勤が多い製作所・事業所の全従業員を対象に、長期連休前に啓発活動(過去事例の共有、交通安全DVD視聴など)を実施。
  • 事業所を所轄する警察署長による「運転マナー向上」を目的とした講演を開催。
  • 自動車教習所と連携し、新入社員を対象に、実車を用いた交通安全体感教育を実施。危険運転や交通事故のリスクを実際に体感することで、事故防止への意識向上を図る。
  • 心理学を応用した「運転適性検査」と、「ドライブレコーダー」を活用し、自身の運転のクセなどを把握する取り組みを実施。

防火・防災

火災には、その発生時点での人命に関するリスクに加え、生産・研究の長期稼働停止のリスクがともないます。SUBARUは、小火も含めた火災の発生ゼロ件を目指し、取り組みを進めています。
また、万が一火災が発生した際、延焼の原因となるのが、事業所内で使用されている危険物です。SUBARUでは、こうした危険物の適切な管理を徹底し、火災リスクの低減に努めています。

教育・意識向上

群馬製作所の取り組み

[入職時の安全教育]

群馬製作所では、新規入職者を対象に、トレーニングセンターで労働安全衛生教育を実施しています。
カリキュラムは10日間で、新規入職者の配属予定の工程に応じ、模擬ラインを活用した実技訓練とともに、実際の災害をイメージできる環境下での「危険感受性」を養う教育を実施しています。
2025年度は、年間約4,200人の従業員が本教育を受講しました。
また、新規入職者は、現場で使用する保護具の紹介や着用ルールに関する研修も受講し、これらを修了したうえで各職場へ配属されます。

[幅広い就労者を対象とした安全教育]

群馬製作所では、労働安全衛生教育の一環として「安全体感道場」を実施しています。本取り組みは、SUBARUグループの従業員や派遣社員に加え、構内で就労する請負・委託会社の社員、構内工事関係者、サプライヤーの従業員など、幅広い就労者を対象としています。体感訓練機を活用し、転倒、切創、挟まれ、巻き込まれといった労働災害の発生時の状況を疑似体験することで、安全意識の向上を図っています。
2025年度は、年間約4,600人が受講しました。

指差し呼称の推進活動

SUBARUの各事業所では、ヒューマンエラーを防止するために、構内の横断歩道をはじめ、様々な作業や行動時において、労働安全の基本である指差し呼称を徹底しています。これにより、安全行動への意識向上と、安全確認の精度向上を図っています。

「安全衛生標語コンクール」の実施

SUBARUでは、全従業員を対象に、労働安全衛生意識の向上を目的として、次年度に使用する安全標語を募集しています。「労働安全」「労働衛生」「交通安全」「健康管理」の4テーマで募集を行い、2025年度は15,014点の作品が集まりました。その中から最優秀賞に選ばれた標語は「あぶないと 声掛けできる 日頃の環境」となりました。

サプライヤーと連携した取り組み

SUBARUおよび国内(日本)の連結子会社4社(富士機械株式会社、株式会社スバルロジスティクス、株式会社イチタン、桐生工業株式会社)では、ともに働くサプライヤー各社と連携し、労働安全衛生の水準を高めるため、「スバル安全環境協議会」を設置・運営しています。本協議会に、SUBARUとサプライヤーが参加し、相互に課題や好事例を共有しながら、労働安全衛生活動を推進する場として機能しています。
特に、「労働安全」「労働衛生」「交通安全」「防火・防災」を重点テーマとして、年1回の総会の開催に加え、休業をともなう労働災害や交通事故発生時の情報共有、新入社員・職長・専任管理者を対象とした教育などを、サプライヤーと共に実施しています。

Subaru of Indiana Automotive, Inc.の取り組み

Subaru of Indiana Automotive, Inc.では、創業当初から、品質と並ぶ最優先事項として職場における労働安全に取り組んできました。その結果、米国自動車業界内において、業務上疾病率は低位水準を維持しています。2024年8月にはISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)の認証を取得し、従業員に対し安全で健康な職場環境を提供し、労働災害や業務上疾病の予防に取り組んでいます。

OHSMS(労働安全衛生マネジメントシステム)の導入決定

2025年度、SUBARUでは、これまで実施してきた労働安全衛生活動を体系的に推進するため、すべての事業所においてOHSMSの導入を決定しました。今後は、中央安全衛生委員会を中心として、リスクアセスメント、目標管理、改善活動を進め、SUBARU全体で労働安全衛生の取り組みを強化していきます。