リスクマネジメント:知的財産保護
考え方・方針
SUBARUグループの強みと弱みを把握し、SUBARUらしいブランドマネジメントを実現することを知的財産活動のビジョンとして掲げ、以下の3点を基本方針として活動を推進しています。
知的財産に関する基本方針
- IPランドスケープ※により、事業戦略および研究開発戦略における羅針盤として機能する
- オールSUBARUで市場を起点とした知的財産を創出し、知的財産ポートフォリオを適切に管理してブランドを保護・強化する
- 他者の知的財産権を尊重し、商品開発においてクリアランス確保を徹底する
- ※
- 知的財産情報を市場情報に組み合わせて事業環境を分析し、戦略立案を支援するもの
また、グループの知的財産を尊重した事業活動による知的財産リスクの最小化、事業の保護と発展および優位性の確保、SUBARUブランドの保護および価値の最大化に資することを目的として、「SUBARUグループ知的財産ポリシー」を制定し、以下の活動の指針を定めています。
「SUBARUグループ知的財産ポリシー」
- 知的財産を尊重した事業活動
SUBARUグループは、知的財産を適正に使用・管理し、他社の知的財産権に対するクリアランスを十分確保し、自他社の知的財産を尊重した事業活動を行います。 - 知的財産の管理と有効活用
SUBARUグループは、SUBARU知的財産部とグループ内各社との情報共有と連携をもって、原則としてグループ内各社を主体とした知的財産の適正な使用と管理を行うものとし、必要に応じてグループ内各社に組織・体制または責任者を置くなどにより、知的財産に関わる事項を管理します。
SUBARUグループは、グループ内利益の最大化に資するよう、知的財産権の許諾などにより、グループ内における知的財産の有効活用に努めます。 - 係争対応
SUBARUグループは、知的財産に関わる係争に対して、ビジネスの持続性を第一に、利害関係者の支援を得ながら、SUBARU知的財産部とグループ内各社の協働をもって、誠実かつ総合的に解決します。 - SUBARUコーポレートブランドロゴ
SUBARUグループは、SUBARUが定める規程「コーポレートブランド管理全社規則」および「Corporate and Brand Identification Manual」を遵守し、SUBARUコーポレート&ブランドロゴを適正に使用します。
体制・マネジメント
知的財産推進体制
ブランドを保護・強化するために、役員級が参加する知的財産戦略会議を開催して知的財産戦略を議論するとともに、本部・カンパニーに特許推進委員会を設けて知的財産活動の企画、推進を行っています。商標については、ブランド・ネーミングに関わる部署の代表者により委員会を構成し、商標課題の共有・議論などを行っています。
知的財産保護の推進に関するリスク認識
SUBARUグループの知的財産の管理、保護、活用において、適切な対応が必要と捉えています。模倣品の氾濫や知的財産権への侵害行為によるブランド毀損、または第三者の知的財産権に対する配慮不足により、SUBARUグループの経営成績や財政状態にも大きく影響を及ぼす可能性があると認識しています。
商品開発(協業を含む)においては、他社の所有する知的財産権に対して、開発部門と知的財産部が協力して適切なクリアランスを確保しています。
知的財産に関する係争への対応
SUBARUグループでは、知的財産に関する係争を経営課題と捉え、事案に応じて知的財産部が社内関連部署との連携を整え、弁護士と相談してリスク評価を行い、対応方針を策定し適切に対応しています。
取り組み・実績
SUBARUでは、知的財産部がSUBARUグループの知的財産の管理、保護、活用を行うとともに、他社の知的財産権を侵害しないよう、社内の活動を推進しています。具体的には、以下のような取り組みを行っています。
- IPランドスケープによる戦略立案の支援
- 技術、マーク、ネーミング、デザインなどの知的財産の権利化およびそのポートフォリオの適切な管理
- 事業に支障を及ぼす知的財産問題の有無の網羅的な調査およびその予防・解決
- オンライン上の不正出品の監視、税関での水際対策などによるグローバルな模倣品の取り締まり
- 技術契約やビジネス契約における知的財産・データのオーナーシップや利活用権の確保
- ビジネスパートナーとの協業を通じて得た知見は共有の知的財産として、協力して適切に管理
- SUBARUグループ知的財産ポリシーに基づく、SUBARUグループ各社における知的財産の管理、保護、活用の支援
模倣取り締まり実績
【取り締まり手段】
- ECサイトにおける出品削除申告
- 警察・税関による取り締まり
- 侵害者への警告・訴訟
【取り締まり件数】
模倣品は、ブランド毀損のみならず、お客様の安全を脅かす重大な課題と捉え、エアバックなどの部品の監視に注力しています。今後も警察・税関などの取り締まり機関との連携を深め、ブランドロゴ使用製品および安全に関わる部品の摘発を引き続き行っていきます。
啓発活動
SUBARUグループでは、遵法行動の定着のため、知的財産部が啓発活動を定期的に実施しています。
- 開発業務に携わる従業員を対象とした、入社年次・職位に応じた階層別教育の実施、ならびに従業員の「自律的な学び」を支援するオンデマンド教育コンテンツの拡充
- 各部門における発明創出・特許出願活動を推進する組織である特許推進委員会を通じた啓発活動の実施
- 開発部署における他社の知的財産権の調査・クリアランス確保のためのレビューの推進
- SUBARUグループ各社との知的財産に関するコミュニケーション強化を目的とした情報発信
階層別教育
階層別教育は、法改正や会社を取り巻く情勢および基本方針に基づいて、毎年教育内容および対象者の見直しを行っています。また、従業員の「自律的な学び」の意欲に応えられるよう、オンデマンドのコンテンツを充実させています。
| 対象 | カリキュラム |
|---|---|
| 入社時 | 知的財産・職務発明制度について理解する |
| 2年目 | 知的財産・その活動について理解する |
| 中堅社員 | 職場リーダー、管理監督者として必要な知的財産の知識を習得する |
| 管理職 | SUBARUの知的財産戦略を理解し、知的財産マネジメントを習得する |
受講者数
- ※
- 2024年度は人事制度変更にともない受講対象を見直したため、一時的に増加