考え方・方針

競争環境が変化し続けるなか、SUBARUの事業活動における知的財産の領域は、従来の自動車または航空技術を超え、異業種領域にも拡大しています。このような環境下での知的財産の適切な管理・保護・活用は、SUBARUブランドの価値をさらに高めるために不可欠です。
SUBARUは、SUBARUらしいブランドマネジメントを実現することを知的財産活動のビジョンとして掲げ、「知的財産に関する基本方針」のもとに活動を推進しています。また、SUBARUは国内(日本)のグループ会社を対象に、知的財産を尊重した事業活動により、知的財産リスクの最小化、事業の保護と発展および優位性の確保、SUBARUブランドの保護および価値の最大化に資することを目的として「SUBARUグループ知的財産ポリシー」を制定しています。

知的財産に関する基本方針

  1. 経営戦略や事業活動、製品開発における様々な課題の解決を支援するため、知的財産を活用した施策の企画・実行への取り組みを強化します。
  2. SUBARUブランドの保護および強化を図るため、「モノづくり革新」および「価値づくり」より知的財産を創出し、知的財産ポートフォリオとして適切に管理する取り組みを強化します。
  3. 他者の知的財産権を尊重し、商品開発においては他者権利との抵触を回避するためのクリアランス活動を徹底します。
  4. 違法な模倣品や模倣行為からお客様を守り、安心してSUBARU製品・サービスをご利用いただくため、撲滅に向けた取り組みを強化します。

2025年6月改定


SUBARUグループ知的財産ポリシー

  1. 知的財産を尊重した事業活動
    SUBARUグループは、知的財産を適正に使用・管理し、他者の知的財産権に対するクリアランスを十分確保し、自他者の知的財産を尊重した事業活動を行います。
  2. 知的財産の管理と有効活用
    SUBARUグループは、SUBARU知的財産部とグループ内各社との情報共有と連携をもって、原則としてグループ内各社を主体とした知的財産の適正な使用と管理を行うものとし、必要に応じてグループ内各社に組織・体制または責任者を置くなどにより、知的財産に関わる事項を管理します。
    SUBARUグループは、グループ内利益の最大化に資するよう、知的財産権の許諾などにより、グループ内における知的財産の有効活用に努めます。
  3. 係争対応
    SUBARUグループは、知的財産に関わる係争に対して、ビジネスの持続性を第一に、利害関係者の支援を得ながら、SUBARU知的財産部とグループ内各社の協働をもって、誠実かつ総合的に解決します。
  4. SUBARUコーポレート&ブランドロゴ
    SUBARUグループは、SUBARUが定める規程「コーポレートブランド管理全社規則」および「Corporate and Brand Identification Manual」を遵守し、SUBARUコーポレート&ブランドロゴを適正に使用します。

2021年4月制定

体制

SUBARUでは、知的財産部を管掌する執行役員が知的財産に関する業務執行を統括しています。知的財産部は、IPランドスケープ※1による動向調査を踏まえた知的財産戦略の策定、この知的財産戦略に基づく知的財産権の出願、権利化、維持などの管理、知的財産に関する係争対応、社内教育などを所管します。また、同部は知的財産戦略を議論する各会議体を主催し、研究開発部門やカンパニーと協働で各会議体を運営しています。
知的財産戦略会議では、各担当役員が出席し、自動車部門・航空宇宙カンパニーの知的財産戦略の議論を行っています。特許推進委員会では、自動車部門・航空宇宙カンパニーに推進組織を設置し、活動の企画・推進を行っています。また、商標委員会では、課題共有や模倣品対策の報告など、商標ポートフォリオの議論を進めています。

※1
知的財産情報(主に特許情報)を起点に、技術動向・競合動向・市場・事業環境などを俯瞰的に分析し、経営・事業・技術戦略に活用する分析手法
知的財産推進体制
知的財産推進体制 知的財産推進体制

識別したリスク

SUBARUグループは、製品やサービスを通じてお客様に「安心と愉しさ」という価値をお届けするために必要な技術・ノウハウなどを知的財産として保護し、SUBARUのブランド価値の維持・向上に努めています。第三者がSUBARUグループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に関わる訴訟などが生じてSUBARUに不利な判断がなされた場合には、SUBARUグループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。ブランド価値の維持・向上およびこれらのリスクへの適切な対処を図るため、知的財産に関する基本方針およびSUBARUグループ知的財産ポリシーに基づき各取り組みを実施しています。

取り組み

戦略プランニング

SUBARUは、技術・市場動向を踏まえたIPランドスケープに基づいて、事業・開発部門と知的財産部が連携して知的財産戦略を立案しています。立案した戦略は、権利化に加えて、秘匿化や協業といった選択を含む具体的な取り組みとして実行され、知的財産ポートフォリオに反映されます。この循環を通じて競争領域(クローズ)と協調領域(オープン)を適切に選択しながら、事業価値につながる知的財産活動を推進しています。

知的財産戦略の立案とポートフォリオマネジメント
知的財産戦略の立案とポートフォリオマネジメント

模倣品対策

SUBARUは、模倣品の監視と排除の取り組みを強化しています。ECサイトでの出品削除申告に加え、国内外の税関への輸入差し止め申請を行い、模倣品流入を防止しています。また、日本の税関に対する識別研修を他社と合同で実施するほか、警察や海外の公的取り締まり機関が行う摘発捜査への協力を通じて、模倣業者の取り締まりを支援しています。悪質な模倣業者に対しては、警告や訴訟も行います。
模倣品の出品増加により模倣品対策件数は年々増加傾向であり、2025年度は金額換算で164億円規模の被害を抑止しました。今後も警察・税関などの取り締まり機関との連携を深め、安全に関わる部品の模倣品およびブランドロゴ不正使用製品を中心に摘発を継続していきます。

模倣品対策件数
模倣品対策件数

教育・啓発活動

SUBARUは、遵法行動の定着を土台に、知的財産戦略を実現するための人財育成に向けて教育体系を再構築しています。2025年度より、従来の階層別教育を改め、対象範囲を拡大しながら新しい研修体系としました。対象部門の従業員全員に対し基礎研修(Eラーニング)の年1回の実施に加え、対象部門内の受講希望者向けの研修や、新任管理職向けの研修を順次実施しています。
また、経営層や開発部門には、経営課題や技術トレンドをテーマとしたIPランドスケープ分析の結果をまとめた「知財レポート」を配信しています。さらに、従業員が知的財産への関心を高め、日々の業務に活用できるよう、実務上の注意点や役立つ情報を紹介する「知財通信」をイントラネットで配信しています。

発明報奨・表彰制度

SUBARUは、従業員の知的財産への関心を高め、特許権の取得を奨励するため、発明の各段階に応じた報奨制度を設けています。
また、発明活動を奨励し、有益な特許の創出につなげるため、毎年「優秀特許表彰式」を開催しています。特許庁で権利登録された特許の中から、特に優秀と認められたものを各部門・カンパニーの長が選定し、表彰します。

知的財産に関する社外からの評価

SUBARUは、英国の情報サービス企業であるクラリベイト社が発表する世界の革新的な企業・機関トップ100社に初めて選出され、「Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター 2026」を受賞しました。
同社は、世界中の企業や機関が有する特許データをもとに、独自の特許調査・プラットフォームを用いてトップ100社を選出します。SUBARUは、特に「影響力」「成功率」の項目が高く評価されました。

Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター 2026ロゴ