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2021.12.25

【選手紹介】「きっと何とかしてくれる」頼れる3人のアニキ

今年のSUBARU陸上競技部は3年目メンバーの強さが目を引きます。彼らが思い切り力を発揮している縁の下には、精神的に頼れる先輩メンバーがいます。それが、小山司選手、口町亮選手、藤原滋記選手の三人です。SUBARU陸上競技部のベテラン勢が持つ、三者三様の魅力をお伝えします。

 

|過酷な場面でも「小山さんならやってくれる」

11月にあった10000メートルの記録会、八王子ロングディスタンスが終わった後、奥谷亘監督は充実感のある表情を見せて言いました。「今日のキーマンは間違いなく小山。久しぶりのレースだった小山がこの日チームで最初に走って、あの快走を見せてくれたことで、チームが勢いに乗った。それが、あとのメンバーの自己ベスト、そして(清水)歓太の27分台につながった」

八王子ロングディスタンスで力走し、チームを勢いづけた小山選手

小山司選手はチーム最年長で、まじめに練習に取り組む姿勢は、誰もが認めるところ。フルマラソン2時間8分53秒(2020年、別府大分毎日マラソン)という日本歴代100傑に入るすばらしいタイムを持ちながら、性格はいたって謙虚です。
得意としているのは上り坂や向かい風など、苦しい場面。「僕は、輝くような才能に恵まれてはいない。そんな自分が、どこでチームに役立てるだろう、と考え続けていたら、いつのまにか苦しい場面が得意になった。要するに、苦しい場面で粘る力は、努力によって伸ばせるんです」と淡々と話します。

今シーズン前半はケガに泣かされ、試合どころか、走る練習から遠のいた時期もありました。そんな時でも黙々と筋トレやスイミングなど、あらゆるトレーニングに励み、まさにチームメイトたちに背中で見本を見せてきた存在です。

「キツい区間こそ、自分の真価が発揮される」と考えている小山選手。どんな状況でも、「小山さんならやってくれる」。その信頼感で、若手を支えます!

 

|駅伝はお任せ!ムードメーカーの「口町ロケット」

口町亮選手がたすきをかけて走る駅伝でこそ力を発揮する「駅伝男」であることは、3年前にあった東日本実業団駅伝(ニューイヤーの予選)でたたき出した区間新記録、東洋大学時代の大学駅伝での爆走など、数々の大会結果で折り紙付きです。

駅伝で特に力を発揮する口町選手

Twitterのフォロワー数が今年5000人を超えた、明るい人気者でもあります。ランニングフォームだけでなく、試合への出場数もダイナミックで、多い年度で4本ものマラソンに出場。今年は11月のひと月だけで駅伝を含む3本ものレースに出場し、そのタフさで後輩たちから信頼を得ています。

今シーズンは大学以来お預けとなってきた10000メートルの自己ベスト更新も達成。ただ、チームメイトや陸上界の急激なレベルアップに「このタイムで喜んでいてはいけない」と、いつになくシリアスに語り、気を引き締めています。
かつて放送されたドラマにちなんだ愛称「口町ロケット」は今もファンの間で使われることが少なくありません。来春の上州路での入賞に向けて、口町ロケットは発射スタンバイ中です。

 

|藤原滋記選手は、チーム思いの仕事人

サブキャプテンを務めるのは4年目の藤原滋記選手。SUBARUとチームへの思いは人一倍で、昨年ニューイヤー駅伝の出場権を逃してチームが沈んだ時には、「何かできないか」と悩み抜き、年明けにあったハーフマラソンで力を発揮して真っ先にチームを結果で鼓舞します。

チーム思いの藤原選手

調子が良くても悪くても、雨の日も風の日も、前を走るチームとの距離がどんなに開いても、その日その状況でできうる限りの結果を出すのが「藤原流」。期待を裏切らない男の本領を発揮したレースとなりました。

 

サブキャプテン就任は、「自分にチームの中で役割を任せてほしい」と自らスタッフ陣に持ち掛けたことがきっかけでした。選手の意見を傾聴してスタッフに伝えたり、元気がない選手がいれば食事に誘ったり、陰に日向にチームをまとめている藤原選手の姿を、大学時代の後輩でもある清水歓太選手は「チームの潤滑油的な存在」だと表現しています。

 

また、趣味の動画制作はもはやプロ級で、部内外から一目置かれています。選手たちを躍動感たっぷりに撮影した動画作品からも「チームの魅力、競技の楽しさを少しでも多くの人に届けたい」という藤原選手らしい気持ちがあふれ出ています。

 

|豊富な駅伝経験も心強い

駅伝というチーム戦においては、急なメンバー変更や意外な展開でのたすきリレーなど、読み切れない展開がつきものです。そんな時「どんな場面でも、きっと何とかしてくれる」とチームメイトから絶大な信頼を得ているベテラン勢の存在が、どれだけ大きいことでしょう。

 

駅伝経験が豊富にある点も、後輩にとっては心強い限りです。特に小山選手は2015~19年のうちに4度ニューイヤー駅伝に出走し、最長区間の4区や、「風が吹くとマラソンよりキツい」などと比喩される5区や6区で激走を見せてきました。照井明人選手は12月上旬、小山選手とこの4区を試走。コースの特徴や走りのポイントを伝授された照井選手は、モチベーションを一気に高めました。
現キャプテンの梶谷瑠哉選手は「若い選手たちがガンガン攻めた走りができるのは、経験豊富な先輩たちが、ひとピース足りないところでしっかり仕上げてくれるという安心感のおかげ」と、ベテラン勢の存在の大きさを強調します。

 

ベテランと若手のシナジーによって好記録を出せているのが、今季のSUBARU陸上競技部。ニューイヤー駅伝でも、その真価を発揮します!

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