ニューイヤー駅伝が間近となる中、SUBARU陸上競技部にケニアから新しいメンバーが加入しました。キプランガット・べンソン選手です!
近づくニューイヤー駅伝にもエントリーされており、インターナショナル区間2区に出場する可能性があります。 そんなベンソン選手、実はワールドクラス級のホープなのです。今回はベンソン選手の戦歴と横顔に迫ってみましょう。
|U20世界選手権で優勝
18歳のベンソン選手は2018年から陸上競技を開始しました。走りのスタイルは、試合の流れを読んで賢く走ることができるタイプ。力任せではなく、状況を見てスッと仕掛け、勝ち切れる「天性のセンスの良さ」が強みです。
今年2月、ケニアの若手ランナーの登竜門として名高い、ケニアクロスカントリー大会のU20(20歳以下)8キロの部門で2位に入り、SUBARUへの加入のきっかけをつかみました。
ただその後、新型コロナ対策としての渡航制限でなかなか来日が叶わない日々が続きました。そんな中でもトレーニングを重ね、8月にはケニアの首都ナイロビであった世界の若手が集う大会「U20世界陸上競技選手権大会」の5000メートルに出場。13分20秒37の自己ベストで見事金メダルを獲得します。
ケニア国内の報道によると、この大会でベンソン選手は、エチオピアの強敵・ウォルク選手をラスト200メートルで追い抜き、0・28秒差で振り切るという勝負強さを発揮しました。ウォルク選手がすでに10キロ26分台という超・トップランナーだったこともあり、ベンソン選手の勝利はケニアはもちろん、世界から注目されました。
|エンジンフルスロットルはもっとすごい!
このようにワールドクラスの活躍を見せているベンソン選手ですが、「彼のエンジンフルスロットルは、こんなものではとどまらない!」というのがSUBARU指導陣の見立てです。
まず、ベンソン選手の競技歴はまだまだ浅く、これからの伸びしろが大きい点が上げられます。 さらに、今年8月に金メダルを獲得した大会の開催地・ナイロビは、標高が高く、長距離走の好タイムが出にくい環境下でした。その中での5000メートル13分20秒は値千金で、奥谷亘監督は「平地であれば、5000メートル13分10秒切りで走れる力は十分あるでしょう」と踏んでいます。 ニューイヤー駅伝2区・インターナショナル区間のライバルたちにとっては、ベンソン選手が脅威的な存在になりそうです。
若手世界最強クラスのベンソン選手ですが、日本国内に、強力なライバル選手がいます。それは、今年2月にベンソン選手が2位に入ったクロカン大会で優勝をさらっていったギデオン・キプケルティッチ・ロノ選手がGMOインターネットグループへ入部したからです。戦いの舞台を日本に移し、激しい勝負を繰り広げてくれそうです!
|たすきのかけ方や渡し方から練習中
実力は折り紙付きのベンソン選手、今は日本での生活や駅伝への順応を急ピッチで進めています。11月の来日後、2週間の隔離期間を経て今月14日に群馬入りしました。すでに冬が訪れている群馬については「風が強くて寒い」と驚きつつ、先輩のロロット選手に日本での生活についていろいろと教わっているそうです。
駅伝に向けては、滑和也コーチが中心となって過去の大会映像で雰囲気をつかんでもらったり、試走をしたりして、備えています。 来る元旦の頂上決戦、ニューイヤー駅伝についてベンソン選手は「駅伝という言葉は知っていますが、駅伝に出た経験はもちろんまだありません。たすきのかけ方や渡し方の練習をして、初めての駅伝出場となるニューイヤー駅伝にしっかり備えます。支えてくれる人、応援してくれるためにベストを尽くしたいです」と意気込んでいます。奥谷監督は「2区のベンソン選手に勢いを与えてくれる良い位置でたすきがつながれば、きっと面白いレースになります」と期待を膨らませています。
SUBARUに現れた超強力な仲間・ベンソン選手。1月1日にSUBARUデビュー戦を迎えることになれば、ぜひテレビの前からそのワールドクラスの走りに大注目してください!