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岩手スバルの社員が
「走る震災遺構」の修復に協力
記事内の日付や部署は取材当時の情報に基づいた記述としています。

岩手県においてSUBARUの販売・アフターサービスを担っている岩手スバル自動車(以下、岩手スバル)の社員が、東日本大震災の記憶を伝える1台のスバル・サンバーの修復・保存活動に協力しました。

修復前のサンバーディアスクラシック

このクルマは、2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた、岩手県大槌町の職員だった佐々木 健さんが長年所有していた、1995年製のスバル・サンバー ディアスクラシック。

震災直後に東京都東久留米の市民団体から、縁あって佐々木さんに「支援物資」として贈られたもの。町職員の佐々木さんにとって、文字通り町民の救援、町の復旧・復興を支える「足」となりました。

車体には東久留米の子供たちから被災者を励ますメッセージが書かれており、そこへ大槌町の人々や災害ボランティアの皆さんなどが次々に寄せ書きをはじめて、いつしか励ましの言葉や復興を誓う言葉で一杯に。

そして2023年。走行可能な状態を維持することが難しくなっている、という新聞記事を見た岩手スバル社長の間野 英雄さんが、同社で修復・保存することを佐々木さんに申し出て、その後、同社社員の飯岡和之さん、小友 保さん、簗場 光成さんの3人の社員が修復作業に取り掛かりました。

慎重にエンジンを降ろす

単なる保存ではなく、走ることができる状態で保存するため、エンジンなどを含めて徹底した修復を実施。一方、車体の寄せ書きはできるだけそのまま残しています。
詳しい修復作業の様子が、岩手スバルのWebサイトで公開されています。

震災と復興の記憶を伝える「走る震災遺構*」として、今後末永く活用されることでしょう。

*震災遺構:災害の事実を後世に伝えるため、あえて被災時の姿のまま保存した建物などのこと

復活したサンバーディアスクラシックと作業に携わった飯岡さん(左)と簗場さん(右)