「勝つ」ための「チームづくり」とは? 陸上競技部・硬式野球部・技能五輪監督座談会

「勝つ」ための
「チームづくり」とは?
陸上競技部・硬式野球部・
技能五輪 監督座談会

記事内の日付や部署名は、取材当時の情報に基づいた記述としています

仕事は違っても、「笑顔をつくる」という想いでつながる「SUBARUびと」。様々な部署で働く「SUBARUびと」を、仕事内容や職場の雰囲気を交えてご紹介します。今回は陸上競技部・硬式野球部・技能五輪というそれぞれ異なるフィールドにおいて、多様な選手・メンバーを率いて戦う3人の監督にフォーカスします。

陸上競技部:奥谷 亘 監督

陸上競技部:奥谷 亘 監督

2000年に中途入社。選手時代は世界選手権にも多数出場し、2009年に現役引退。同年から2年間コーチに従事し、2011年に監督に就任。
SUBARU陸上競技部 Webサイト

硬式野球部:冨村 優希 監督

硬式野球部:冨村 優希 監督

2001年に入社。内野手として都市対抗野球大会にも出場。2014年に現役を引退し3年間社業に専念。2017年7月から野球部のヘッドコーチとして復帰。2年間コーチを務め、2019年7月に監督に就任。
SUBARU硬式野球部 Webサイト

技能五輪:森 政人 監督

技能五輪:森 政人 監督

2004年に入社。入社から3年間、技能五輪の自動車板金職種の選手を経験。選手引退後は現 開発試作部に配属となり10年ほど試作に従事。その後技能五輪の指導員・講師を6年経験し、2023年10月に技能五輪の監督に就任。

チームづくりで意識していることは?

奥谷:
陸上競技部のチーム方針は「選手たちが自主的に目標を設定して、全力で前向きに努力を積み重ねていくこと」です。これは会社の方針と同じだと思っています。自分たちで考えた目標であれば、苦しいことにもポジティブに取り組めるし、成長を感じられると思います。監督になったばかりの頃は、若い選手をいかに引き上げるかに注力していました。しかし、時代も変わってきて、今は選手たちをいかに導くかを意識しています。
冨村:
硬式野球部も選手の自主性を育むようにしています。私もそうでしたが、高校時代・大学時代は監督やコーチの指示通りという選手がほとんどで、「自分で考えてやる」ことがすぐできる選手は少ないように思います。選手自身に考えてもらえるよう、自分の強みや課題を話し合うようにしています。また、都市対抗野球はトーナメント制で毎試合一発勝負なので、チームとしての一体感も大切にしています。
森:
技能五輪*1も共通するところが多いですね。技能五輪には23歳以下しか出場できないので、限られた時間の中で勝利を目指すとなると、二人のお話にもあったように、選手たちが自分で考えて、答えを出していくことが大切だと考えています。それは、いざ職場に戻って仕事を進めていく上でもとても大切な能力だと思うので、選手自らが答えを出せるよう、働きかけています。
*1:技能五輪全国大会…国内の青年技能者(原則23歳以下)を対象に、技能競技を通じて技能に身近に触れる機会を提供し、技能の重要性及び必要性を広く伝えることを目的としており、1963年から毎年開催されている。SUBARUは、1998年の第36回群馬大会から毎年参加。

奥谷監督

「競合に勝つための要素を考えながら自分たちで課題を創出して、先んじて手を打っていく必要があります」と語る奥谷監督

「自分で考える選手」を
育成していくための工夫

森:
「自分で考えなさい」と言っても、すぐにできる選手とそうでない選手がいます。そこは選手に直接教えている指導スタッフとも話し合い、例えば技能面は理屈で理解してもらった上で、答えは選手自身に考えてもらうようにしています。ですが、まだまだ課題はあると感じています。また、技能五輪の選手たちは運動部の皆さんと違ってその道で生きてきたわけではありません。ですから、「意識改革」をスローガンに掲げて、「負けたくない」という気持ちにさせることにも取り組んでいます。一度スイッチが入れば、選手は自分で吸収してどんどん育っていきますね。
奥谷:
陸上競技部は、2020年に経験した全日本実業団対抗駅伝競走大会(通称「ニューイヤー駅伝」)での予選落ちが変わるきっかけになりました。チームを立て直す話し合いは苦しい経験でしたが、それを経て選手は自分たちのやるべきことを明確にし、スタッフはそれを全力でサポートする意識を共通で持てるようになりました。そこからは雰囲気ががらりと変わり、選手とスタッフが互いを思いやれるようないい循環に入っています。選手一人ひとりの目標設定でいえば、自分がどうなりたいかというビジョンが大切です。深く考えて目標設定できるよう、そこもサポートしています。
冨村:
硬式野球部も昨年から選手たちに練習メニューを考えてもらうようにしました。選手たちから「個人練習の時間をもっととりたい」と声があがったことがきっかけです。私は「個力」と呼んでいますが、個人の力を磨いていけば、それは結果としてチームのためになるし、応援してくれる職場の皆さんのためにもなる。そういう話は日頃から選手にしていて、だんだんとチームが良くなってきているのを感じています。 

陸上競技部・硬式野球部・技能五輪というそれぞれ異なるフィールドにおいて、多様な選手・メンバーを率いて戦う3人の監督

戦うフィールドは違えど、チームを率いて戦う志は共通です!

一人ひとりと向き合うときに
心がけていることは?

冨村:
選手一人ひとりのなりたい姿を共有する時間を取って、その進捗もしっかり見ていくようにしています。そしてそのプロセスを褒めるようにしています。見られていると選手たちも頑張ろうという意識になっていくと思いますね。昔は厳しいことを言って「這い上がってこい!」という感じでしたが、今の選手たちにそれは求められていないように感じます。
奥谷:
陸上競技部の選手たちと私の約束事は、「どんなに厳しいことでも事実は隠さず伝える」ことです。厳しい事実をオブラートに包んで伝えると、「監督が柔らかく言っているから大丈夫だ」と思われ、彼らの甘えや言い訳につながってしまうこともあるからです。普段からコミュニケーションを密に取り、きちんと伝えるようにしています。
森:
すごく共感できます。良いところは褒めて、ダメなところは叱る。私も思ったことや感じたことを選手にストレートに伝えるようにしていますし、監督としてキリッとした姿勢を見せないとチームとして上に上がっていけないと感じています。今では、「ダメだよ」と言えば「分かりました!」と、キリッとしてくれる選手が比較的多いと感じています。

森監督

「成果を出すためには、諦めない情熱を持つことが大事です」と語る森監督

森:
アドバイスを聞いてもらえる信頼関係をどうやって築いていますか?
冨村:
奥谷監督もそうだと思いますが、私自身の現役時代は監督とコミュニケーションをとることはあまりなかったし、褒められたこともありません(笑)。それもあってコミュニケーションが大事だとわかってはいるものの、なかなか実践できずにいました。でも一歩踏みこんで選手たちと深く話してみると、疑問に思っていた彼らの行動にも彼らなりの理由があって、私自身の学びになることもあります。
奥谷:
「昔はこうだった」なんて話は全く通用しないですし、選手からしてみれば「自分には関係ないよ」となるのは当然です。ですので、選手たちとの信頼関係を築いた上で、「こうなりたいけど、どうしたらいいんだろう」と本人が困っているときにアドバイスしてあげられるといいのかなと。上に立つ立場の人は、若い人たちに教えたくて仕方がないわけですが(笑)、ちゃんと聞いてもらえる状況をつくらないと何を言っても余計なお世話になってしまうので、最近はそうならないように意識しています。

冨村監督

「言葉配りを意識してみると、チームはより良くなっていきます」と語る冨村監督

森:
アドバイスを聞いてもらえる信頼関係をどうやって築いていますか?
奥谷:
コミュニケーション+行動だと思っています。良いことをいくら言っても、本当に大事なときに助けてくれる人でなければ信頼関係は一瞬で壊れます。彼らが本当に困っているときや、助けを求められたときに行動を起こせるか、もしくは成長の材料を渡してあげられるか。それをやっていくことで信頼関係が築ければ、厳しさも響くようになると思っています。
森:
伝えたいことがちゃんと伝わるようになる、ということですよね。

3人の監督

それぞれのフィールドでチームを率いて戦い、「勝利」という目標に向かって情熱を傾けるSUBARUびと。ぜひ、次回のコラムもご期待ください。

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