社員紹介
一枚の鉄板が、クルマのカタチになる。
その最初の瞬間を、自分の手でつくるプレスの仕事。
K・N
2022年入社 車体生産技術部
クルマの外観をつくり出すプレスパネルの成形技術を担当。幼少期にF1を見てクルマ好きになり、大学では四年間学生フォーミュラに打ち込みました。入社後は品質管理、金型設計、成形技術とプレス生産技術の中で領域を広げ、入社二年目にはSUBARUとして初採用となる金型構造の設計を任されました。クルマが好きだからこそカタチに妥協しない。「相棒」と呼んでもらえるクルマを送り出すために、プレス生産技術に向き合い続けるエンジニアです。
K・Nさんのキャリアパス
POINT
キャリアプランに沿って、品質管理、金型設計、工程計画、成形技術と、プレス生産技術の幅広い領域を経験してきました。2年目にはSUBARUとして初採用となる金型構造の設計に挑戦。4年目からは、次期車のデザイン検討にも関わるプレス成形技術を担当しています。
飽き性の私が、唯一飽きなかったもの。
クルマへの想いが、SUBARUへの道をつくった。
飽き性な私が、今まで唯一飽きなかったのがクルマです。父親がクルマ好きで、幼少の頃にテレビで見たF1がきっかけでした。大学は学生フォーミュラがやりたくて選んだくらいクルマへの想いが強く、一年生から四年間フルで打ち込みました。何もないところから仲間と一緒にクルマをつくり、走らせる。忙しい時期は週六、週七で大学に通い、徹夜することもある生活でしたが、好きだからこそ続けられました。
当時コロナ禍で学生フォーミュラの大会が中止になり、チーム全体の勢いが失われかけたとき、チームリーダーから「それでは進歩がない」と檄が飛んだことがあります。その言葉で目が覚めて、車両パッケージをガラッと変え、母校において当時歴代最大にして最軽量の車両をつくり上げました。現状維持は衰退である。しんどい思いをして考え抜かないと、身にならない。それを知っているから、ゴールがあれば食らいついていける。学生フォーミュラで身についたこの姿勢は、今の仕事にもそのまま活きています。
そんな私が就職活動で大切にしていたのは、自分の思い描くクルマのあるべき姿と、会社のビジョンが重なるかどうかでした。安心して運転できて、移動中の空間を共有する愉しさもある。そんな私の思い描くクルマのあるべき姿を、「安心と愉しさ」という提供価値でひとことに表現していたのがSUBARUでした。SUBARUには熱狂的なファンが多く、SUBARUのクルマを愛して乗り続けているお客様がいる。そのファンをつかんで離さない何かをつくりたいと思いました。
クルマがこの世に生まれる、いちばん最初の瞬間。
その重要な部分を、自分の手で設計できる。
入社して配属されたのは、プレス生産技術でした。ドア、ボンネット、ルーフ、サイドパネルなど、クルマの外側に見える金属のパネルは、すべてプレスという技術で鉄板を押し潰して成形したものです。プレス生産技術は、よく「クルマづくりの一丁目一番地」と言われます。プレス工程で鉄板を成形し、ボディ工程で溶接し、ペイント工程で色を塗り、トリム工程で各部品を取り付けます。これらの工程を経て一台のクルマが完成します。私の仕事はその最初の一歩、つまりクルマがこの世に生まれ、カタチになる瞬間に立ち会える仕事です。
しかも担当しているのはクルマの外側、お客様が最も目にする部分です。街を走っているクルマの見た目を決めているのは、この外観のパネルです。その重要な部分を自分の手で設計し、1/100mmの単位で品質まで管理している。クルマが好きで、ずっとクルマを見てきたからこそ、この責任が私にあると思うと、身が引き締まると同時に、うれしく感じます。
入社してからは、品質管理、金型設計、成形技術と、一から二年周期でプレスの生産技術業務のなかでも異なる領域を経験してきました。現在の成形技術では、新型車のデザインやクレイモデルのデータをもとに、新たな形状がプレスで成形できるのかを解析ソフトで検証するところから始まります。一枚の鉄板を加工したときにパネルがちぎれないか、シワが寄らないか。完成形のパネルを何個の金型でどういう流れで成形するか。デザイナーが描いたクルマのカタチを、実際にものとして成り立たせる。プレスの全体を俯瞰しながら、その道筋を設計しています。
前例のない金型に、二年目で挑んだ。
より多くのお客様へ、クルマを届けるために。
入社二年目のとき、SUBARUとして初採用となるトリプルアクション構造の金型設計を任されました。通常のシングルアクション金型は、一枚のパネルを上型と下型で挟み込んで成形しますが、トリプルアクションはそこに動きが二つ増える構造で、成形時に発生する材料ロスを抑えやすくなります。デザイン性を保ちながら、いかに無駄を減らすか。群馬製作所 矢島工場で生産するバッテリーEV(BEV)であるトレイルシーカーへの採用を見据え、コストと商品性を両立させて、より多くのお客様にクルマを届けるための挑戦でした。
金型設計では、大前提として二つを同時に満たす必要があります。一つは、繰り返し打っても壊れない基本強度を担保すること。もう一つは、決められた重量の制限に収めることです。強度を確保しようとすれば、通常はどうしても重量がかさんでしまいます。今回はそこに、新しい構造ならではの事情が重なりました。金型のスペースに対する部品の密度が高くなり、そのぶん重量がかさみやすい。かといって密度を落とせば弱い箇所ができ、そこから壊れれば膨大な費用と時間がかかってしまいます。
しかもSUBARUとして初めての取り組みで、社内に規格はほぼ存在せず、経験のある人もいませんでした。ひたすら情報を集め、経験豊富な先輩の見解を聞きながら、一つひとつ判断を積み重ねていきました。解析を使いながら削れるところを探し、課内全員を巻き込んで「ここを削れないか」と減量に取り組む日々でした。角という角を全部丸めるような、地道な作業の積み重ねです。しんどい場面もありましたが、ゴールがあれば食らいついていける。学生フォーミュラで身についた経験が、ここでも支えになりました。
そうして完成した金型は、今も現場で動き続けています。苦労して設計したものが実際のクルマになり、お客様の手に届いて、誰かの人生に寄り添っていく。それが、次に向かう力になっています。
自分が設計した金型から生まれた。
街で見かけるたびに思い出す、この仕事の喜び。
幼少期からクルマが好きだった人間だから、街で私が手がけたクルマを見かけたときのうれしさは格別です。あのパネルは私が設計した金型から生まれた。あの外観の精度は私が管理した。「ここ苦労したんだよな」と思い出しながら、お客様が乗っている姿を見る。周りもみんな同じで、苦労した箇所を指さしながらうれしそうに話しています。自分の手でつくり込んだカタチが実際のクルマになり、それが街を走っている。この一連の流れを体験できることが、この仕事をやっていていちばんのやりがいです。
その上で大切にしていることは、お客様にとって必要な品質や価値を見極めること。商品性とコストのバランスを考えるときも、単に技術者として実現したいことを突き詰めるのではなく、お客様にとっての本当の価値を大切にしています。
こうした視点は、私だけが持っているものではないと思います。普段の会話の中でも「お客様はどう思うか」という言葉が自然に出てくる。インターン生からも「お客様の視点をこんなにも現場で大切にしているのはすごい」と言われたことがあり、それがSUBARUらしさの一つなのかもしれません。そして、社内にもクルマ好きは非常に多く、自分のクルマをカスタムする人、サーキットで走る人、キャンプやオフロードを楽しむ人など、いろいろな形で自身でもカーライフを満喫しています。クルマを愛する人たちが、クルマを愛するお客様のためにクルマをつくっている。クルマ好きの私にとって、この上ない環境です。
その人の思い出に刻まれる、
「相棒」と呼んでもらえるクルマを送り出したい。
私のキャリアを通じてのテーマは、入社前から変わっていません。単に移動するための道具ではなく、その人の生活や思い出に寄り添い、手放すときに名残惜しく感じてもらえるクルマを送り出すこと。私が携わった商品に愛着を持って使ってもらえたら、それ以上のことはありません。
直近の目標は、SUBARUの海外生産拠点であるSIAで仕事をすることです。入社前から変わっていない目標の一つで、プレスの領域で海外に行きたいと、キャリア面談でもずっと言い続けてきました。金型とともに現地へ渡り、現地の機械に合わせた最終チューニングを行って量産につなげる。現地ならではの文化や人々との交流の中で、人間としても大きくなりたいですね。
学生フォーミュラには、今も関わり続けています。2025年から生産技術・製造部門として初めて動的審査員を務め、今年度も参加予定です。参加する側から審査する側へ、立場は変わりましたが、この活動に鍛えられたからこそ、今度は支える側でいたい。その想いは変わっていません。
最後に、就職活動中の皆さんへ。SUBARUには、やりたいと思ったことに手を伸ばし、仕事の幅を広げていける環境があります。やりたいことがはっきり決まっている人はもちろん、ふわっとでも「こういうものをつくりたい」という思いがある人にとっても、入社してからもいろいろな業務に携わることができる会社だと思います。
とある1日の流れ
出勤
まずはメール、チャットのチェックからスタートします。
朝会
進捗会議や担当会議での報告を行います。朝10分程度の短いものから、週1回のものまで部署によって異なります。
問い合わせ返答、メール返信、タスク整理
立ち会い前データ、要点確認、移動
設計データ・図面の確認をして、現場対応の準備をします。
現場立ち会い
問題なく稼働することを確認しつつ、現場の質問対応、トラブル対応をします。
帰社、遅めのランチ
現場対応の時間がお昼休憩と被る場合は、前後にずらしたりします。
指摘事項の確認・調査
退社
休日の過ごし方
サーキット走行会に参加したり、車の整備をしたりしています。仲間内でBBQ、飲み会、旅行、ロックフェス、ライブなど、外で楽しむことが多いです。冬場は毎週スノーボードをしていて、趣味全開でリフレッシュしています。