記事内の日付や部署名は、取材当時の情報に基づいた記述としています
サステナビリティ
ジャーナル
2026.09.30
三鷹市と育む、子どもたちの交通安全
~ヒヤリハット体験マップを活用した三鷹市との取り組み~
~ヒヤリハット体験マップを活用した三鷹市との取り組み~
SUBARUは、航空機メーカーをルーツに持ち、「人を中心に考え、安全を追求すること」を大切にしています。そんなSUBARUが取り組む交通安全啓発活動のひとつが、「ヒヤリハット体験マップ*1」を活用した交通安全教育です。
*1:住民から寄せられた「ヒヤリとした・ハッとした」危険な体験情報を地図上に可視化したもの。交通事故防止や道路環境の改善への活用を目的としており、公益財団法人豊田都市交通研究所が提供している。
SUBARUの交通安全啓発の取り組み
SUBARUは、輸送機器メーカーとして果たすべき社会貢献の重点取り組み4分野の一つに「交通安全」を掲げ、地域社会と連携した様々な交通安全活動を継続的に実施しています。群馬製作所では太田市職員向け交通安全講習会、東京事業所では三鷹警察署と連携した二輪車交通安全講習会、航空宇宙カンパニー宇都宮製作所では地域住民へ交通安全を呼びかける街頭啓発活動などに取り組んでいます。
こうした活動に加え、SUBARUは新たに、東京事業所の所在地である東京都三鷹市と連携し、「ヒヤリハット体験マップ」を活用した子どもたちへの交通安全教育に取り組んでいます。
「タテシナ会議」から始まった
新たな交通安全啓発
ヒヤリハット体験マップを活用した交通安全啓発活動は、モビリティに関わる企業・団体が連携し、交通事故死傷者ゼロを目指す「タテシナ会議*2」の活動がきっかけとなっています。
この会議にはテーマごとに分科会が設けられており、SUBARUが参加している「新しい児童への啓発分科会」では、児童が危険を察知・回避する能力を養うための新たな啓発方法の開発・展開に取り組んでいます。
この啓発活動の実践として、ヒヤリハット体験マップを作成し、このマップを活用した交通安全啓発の実証に取り組んでいます。
*2:毎年、交通安全に祈りを捧げる蓼科山聖光寺夏季大祭において自動車や関係する業界のトップ役員が一堂に会すことを受け、2019年に、交通事故死傷者ゼロの実現に向けて思いを共有し、協働するための場として初開催。2023年7月の開催時には、交通安全への想いと交通事故死傷者ゼロに向けた取り組みをさらに実効性のある活動にしていくための「分科会」も発足。
三鷹市との取り組みの始まり
~ヒヤリハット体験マップづくり~
タテシナ会議の活動を通じて出会ったヒヤリハット体験マップ。このマップの活用を三鷹市に相談した結果、三鷹市は道路幅が狭く、自転車利用も多いことから、交通安全に関する課題意識を持っており、本取り組みの趣旨に賛同いただきました。こうして、SUBARUが橋渡し役となり、東京都内では初の取り組みとして、2025年よりヒヤリハット体験マップを活用した交通安全啓発活動が三鷹市とともに始まりました。
活動を始めるにあたって、三鷹市内の小学校15校でヒヤリハット体験マップづくりを実施しました。5年生の児童が通学路などで危険を感じた場所や状況をタブレットに入力し、豊田都市交通研究所で危険度分析を経たうえで、各校の地域ごとのヒヤリハット体験マップが完成しました。
児童一人ひとりのヒヤリハット体験を共有することで、地域に潜む危険が「大変危険」「危険」「やや危険」「要注意」の4段階で可視化され、児童たちが交通安全について考えるきっかけとなっています。また、マップは三鷹市が事故防止策を検討するためのツールとしても活用されています。
授業の様子
完成したマップ(2025年版)
*3:ヒヤリハット体験マップは継続して作成されており、2026年10月現在は2026年版が最新版として公開されています。
2026年度は「マップづくり」から
「出張授業」へ ~5年生が講師役に挑戦~
こうして、2025年度のマップづくりの次のステップとして、2026年度は交通安全の出張授業を開催することにしました。
子どもは、小学校入学を機に行動範囲が広がる一方で、交通安全に関する知識や危険回避能力は発達途上にあります。そのため、歩行中の交通事故死傷者数は7歳前後で最も多くなることが知られています。「新しい児童への啓発分科会」は、この年代の子どもたちにどのように交通安全を伝えていくかをテーマに、新たな教育プログラムの実証を進めています。
2026年度は、三鷹市の小学校7校を対象に、分科会の参加企業・団体による全3回の出張授業を行うことにしました。第1回では5年生が地域の危険や交通事故について学び、第2回では学んだ内容を2年生にどう伝えるかを考え、最終的には第3回の授業で、5年生自身が2年生へ交通安全について教えます。
5月から第1回の出張授業が始まり、SUBARUもその一員として参加しました。児童たちは授業に積極的に取り組み、クイズや統計を通じて交通事故への理解を深めました。また、作成したマップを用いてグループワークを実施し、児童たちは地域の危険箇所について意見を出し合い、「なぜ危険なのか」「どうすれば安全にできるのか」を考えました。
第1回の授業を終えた5年生は、今後「作戦会議」を経て、学んだことを2年生へ伝える役割に挑戦します。
グループワークの様子
広がる交通安全の学び
SUBARUで本取り組みを担当した
H.A.さんのコメント
「当時総務として勤務していた東京事業所のある三鷹市で何か協力できないだろうかと考え、三鷹市をご紹介したことがこの取り組みとの関わりの始まりでした。
その後、三鷹市や学校関係者の皆さま、そして分科会に参加する企業・団体の皆さまのご協力により、活動が着実に広がっていく様子を大変うれしく感じています。立ち上げに関わった取り組みが、実際に子どもたちへ学びとして届けられている様子を見ることができました。
この取り組みは、一つの企業だけで実現できるものではありません。多くの関係者の想いや協力によって支えられています。今後この取り組みがさらに広がり、地域の交通安全につながっていくことを願うとともに、私自身も引き続き協力していきたいと考えています。」
SUBARUは、タテシナ会議の分科会参加企業・団体の一員として、この取り組みを支援し、今後も地域社会と連携した交通安全活動を推進していきます。