──2021年にローンチしたSUBAROAD。その現在地
まず、SUBAROADがどんなものかというところからご紹介したいと思います。通常のナビでは最短距離や効率的なルートでドライバーを目的地までナビゲートしますが、SUBAROADはあえて遠回りして、走りがいと発見にあふれたルートでナビします。走りを楽しめるワインディングロードや、その地域らしい地形や景色を味わえる道を案内しながら、位置情報と連動した音声ガイドや音楽を届けるという、無料のスマホ用ドライブアプリです。

SUBAROADはSUBARUオーナーに向けて開発されたものですが、じつはIDを取得すれば誰でも利用できます。ローンチ時には関東近郊の3本しかなかったルートが、現在では全国に広がり、26本がリリースされています。走りの愉しさに価値を感じるSUBARUオーナーのマインドに刺さる内容になっていて「お金を払ってでもいいから、もっとコースを増やしてほしい」という声が届いたり、60回以上もSUBAROADのルートを走行したユーザーもいたりします。SUBARUのオーナー向けアプリとしてはマイカー情報や整備状況を管理する「マイスバル」もありますが、それとは異なる生い立ちと役割を果たしているのがSUBAROADです。
SUBARUの提供価値である「安心と愉しさ」のうち、安心がマイスバル、愉しさがSUBAROAD、と考えるとわかりやすいかもしれませんね。マイスバルにはSUBARU STARLINKというコネクティッド技術による安心を提供する機能も搭載されています。
SUBAROADでは、ドライバーが選んだコースのスタート地点まで行き、アプリを起動してドライブを始めます。コースには地元の人でなければなかなか知らないような走りごたえのある道なども入っていて、地域の魅力を再発見できる内容になっています。これを可能にしているのが、全国の販売店さんたちとの協業です。ローンチ直後のわりとはやい段階から販売店の方たちと一緒にルート作りをするスタイルを導入しました。本社と全国の販売店がここまで密にやり取りして、ひとつのチームとして取り組むプロジェクトは珍しくて、販売店のメンバーにとっても刺激的な体験になっています。
作り手の趣味・嗜好が色濃く反映されたコースなどもありますが、根底には走しる愉しさを追求するSUBARUの精神があり、それがSUBARUオーナーさんたちにも体験として伝わるんだと思います。コースを走ったドライバーによる、走りがい・クルマ映え・性能実感などの評価もアプリ上で公開されるので、コースを考える側もやりがいがあります。

ローンチから4年目を迎え、SUBAROADも運用フェーズに移り、国内営業本部ビジネスイノベーション部という、日本市場の営業部門の中にある部署に移管されました。販売店との協業を進めながら、ここからどうやってさらにユーザーを増やしていくか、どうビジネスに活かしていくかが考えどころです。