考え方

SUBARUは、クルマを単なる移動手段ではなく、人の想いを受け止め、それに応える「人生を豊かにするパートナー」であると考えています。
飛行機づくりのDNAを持つSUBARUは、人を中心に考え、クルマを使う人にとって何が大切かを考えつくし、必要な機能・性能を軸に商品を開発してきました。
「人を中心に考える。使う人にとって何が大切かを考えつくす。そして、クルマに新しい価値を生み出す」、これが「SUBARUらしさ」であると考えています。
そして、お客様一人ひとりに「安心と愉しさ」を感じていただくために、航空機事業をルーツに持つ企業として、「人の命を守る」ことにこだわり、半世紀以上前から安全性能を最優先したクルマづくりを続けてきました。あらゆる視点からクルマの安全性能を追求し、「乗る人すべてに、世界最高水準の安心と安全を」というSUBARUの「総合安全思想」のもと、「0次安全」「走行安全」「予防安全」「衝突安全」の4つの軸に「つながる安全」を加えて、独自の安全技術を磨いています。
中期経営ビジョン「STEP」では、安心・安全への取り組みとして、「2030年に死亡交通事故ゼロを目指す」ことを表明し、死亡交通事故ゼロを実現できるクルマの開発を進めています。

※SUBARU乗車中の死亡事故およびSUBARUとの衝突による歩行者・自転車等の死亡事故をゼロに

2030年に死亡交通事故ゼロへ

SUBARUは、視界の良さや乗員が疲れないパッケージなどの「0次安全」、目の前の障害物を正確に回避でき、回避後も走行が破綻しないコントロール性を持つ「走行安全」、「アイサイト」に代表されるプリクラッシュブレーキなどの「予防安全」、そして、それでも事故が起こる場合に乗員を保護する「衝突安全」の4つの安全思想を磨くことで、リアルワールドで低い事故死亡率を実現してきました。
SUBARUは、自動化ありきではなく、“人が得意なタスクはそれを尊重し、人が苦手なタスクをクルマが補うことで安全に移動する”という考えのもと、運転支援技術を磨き上げてきました。今後も、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems=先進運転支援システム)で、高速域や広角域での衝突回避や減速が可能になり、さらに事故を回避・軽減することができると予測されています。一方で現状のままでは、「もらい事故」を主因に起こっている死亡事故の約3割程度が残るという課題も見えています。
SUBARUはこうした課題に対しても、従来の「0次安全」「走行安全」「予防安全」「衝突安全」をさらに強化すると共に、「つながる安全」を加え、知能化技術を活用することによって、2030年に死亡交通事故ゼロを目指します。

米国・日本で低い死亡交通事故率を実現

2008年度から2018年度に米国および日本国内で販売したSUBARU車の死亡交通事故件数について調査をしたところ、米国では10年連続で米国主要販売ブランドの平均値よりも低い死亡交通事故率を維持していました。日本国内でも10年連続で国内カーメーカーの平均値よりも低い死亡交通事故率を示していました。

※本調査は、米国においてはFatality Analysis Reporting System(FARS)、日本国内においては公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA/Institutefor Traffic Accident Research and Data Analysis)のデータをもとに独自算出したものです。

市場の死亡交通事故実態:米国

FARSデータより、SUBARUが独自に算出
販売台数100万台あたりの死亡交通事故数。対象は、各年の過去5年の販売数。
SUBARU含む米国販売13ブランド平均(トラック、大型SUV除く)

市場の死亡重傷事故実態:日本

公益財団法人交通事故総合分析センターのデータを基にSUBARUが独自に算出(重傷含む)
販売台数100万台あたりの死亡重傷事故数。対象は、各年の過去5年の販売数。
SUBARU含む国内カーメーカー8社平均(軽自動車含む、トラック除く)

取り組み

0次安全

SUBARUの前身は航空機メーカーです。航空機はちょっとした操作ミスや判断ミスが大事故につながるため、“そもそも事故を起こしにくい”設計であることが求められます。その安全思想を受け継ぐSUBARUは、まずカタチや操作系といったクルマの基本的な設計を工夫。ドライバーが運転以外のことに気を遣うことのないよう、見やすく、使いやすく、疲れにくいドライビング空間を追求しています。

・こだわりの視界設計

事故を起こしにくいクルマとは、ドライバーが危険に早い段階で気づくことができるクルマです。そのために死角の少ない良好な視界を確保するだけでなく、夜間や雨など、様々な環境を考慮して視認性を高めています。

・最適で快適なドライビングポジション

運転に必要な操作が自然にできる正しいドライビングポジションを確保することは、疲れにくいだけでなく、安全性の向上にも役立ちます。ドライバーは正確に車を操作できるため、回避行動もしやすくなります。SUBARUのコックピットは、様々な体格のドライバーが最適なドライビングポジションを確保できる構造と調整機構を備えています。

・操作しやすいインターフェース

ナビの確認や空調の調整などによって運転への意識が散漫にならないようにインターフェースの設計に配慮しています。例えばナビ画面の高さの設定や大きく視線を動かさなくても確認できる設計にしており、空調やオーディオなどの操作位置、目で確認しなくても直感的に操作できるようなスイッチ類の形状への配慮にもこだわっています。

走行安全

SUBARUにとって「走り」は、単に愉しさを提供するものではなく、安全を高めるための重要な要素です。
万一の事故に遭遇したとき、安全に回避ができること。様々な天候や路面状況で、普段と同じような安定した走りができること。 「走る・曲がる・止まる」というクルマの基本を磨くことは、もしもの時に思い通りにコントロールできる、安全で頼もしいクルマづくりにもつながっています。

・走行安定性

SUBARUは、水平対向エンジンやシンメトリカルAWDという優れた基本性能をベースに、ボディやサスペンションを鍛え上げると共に車両制御デバイスなどを採用するなど、走行性能を高めることで、乗る人が心から安心できる安定した走りを生み出しています。

・ライントレース性

雨や雪の降る日に、いつもと同じ感覚でコーナーに入り、思い通りのラインを描いて曲がり、スムーズにコーナーから抜けられるような正確で安全なコーナリングを実現する様々な機能があります。

・ブレーキ性能

クルマの安全性(特に危険回避性能)に直接関係するブレーキは、SUBARUはその性能を磨くだけでなく、ブレーキの「安心感」にもこだわっています。安心感のあるブレーキとは、思い通りの効きが得られること。天候に限らず、普段は扱いやすく、万が一の時には即座に反応するブレーキを目指して、SUBARUはあらゆる環境と路面でテストを繰り返しています。

予防安全

事故を無くすことは、自動車メーカーにとって究極の目標です。そのためにSUBARUは、20年以上も前からステレオカメラやレーダーを使った運転支援システムを開発。「アイサイト」をはじめとした先進安全技術として結実させてきました。クルマを取り巻くすべての人の安心と愉しさを深めるために、この先もSUBARUの進化は続きます。

・「アイサイト」 コアテクノロジー

「アイサイト」は、主な機能を「ステレオカメラ」による認識と制御によって実現しています。このカメラは常に前方を監視し、人の“目”と同じように距離を測れるだけでなく、クルマや歩行者、白線などを識別できる他、広い視野角と視認距離、カラー画像によるブレーキランプの認識など、高い認識性能を誇ります。その情報と走行状況をもとに、“頭脳”にあたるソフトウェアが必要な制御を判断し、状況に合わせてクルマの各ユニットを“手足”のように適切に制御します。ステレオカメラのポテンシャルをベースに様々なセンサーを組み合わせ、あらゆるシーンでより高度な運転支援を実現しています。

・衝突回避の支援

自動(被害軽減)ブレーキによる衝突回避を目指した「プリクラッシュブレーキ」や、後退時の衝突回避を目指した「後退時ブレーキアシスト」、シフトレバーやペダルの誤操作による急な飛び出しを抑制する「AT誤発進抑制制御 & AT誤後進抑制制御」などにより衝突を回避する支援を行い、ドライバーの安心を守ります。

・運転負荷の軽減

SUBARUは、運転負荷を軽減し、安全で快適な運転をサポートしています。
例えば「アイサイト」は、クルマや歩行者、白線や道路形状を認識し、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動でアシストします。
渋滞のストレスから高速巡航の疲れまで、様々なシーンの運転負荷を大幅に軽減する「ツーリングアシスト」、一定の車間距離を保って追従走行する「全車速追従機能付クルーズコントロール」、車線内中央付近の維持や、車線からの逸脱を抑制する「アクティブレーンキープ」、自車のふらつきや車線逸脱を検知し、お知らせする「警報&お知らせ機能」などの機能により、ドライバーの負荷を軽減します。

・安全運転の支援

車体後部のセンサーで、自車の後側方から接近する車両を検知する「スバルリヤビークルディテクション」、対向車や先行車の位置を検知し、ハイビームの照射範囲をコントロールする「アダプティブドライビングビーム」、状況に応じてハイビーム/ロービームを自動的に切り替え、より明るく安全な夜間視界を確保する「ハイビームアシスト」などで、安全運転を支援します。

・視界の拡張

安全な後方確認をサポートする「スマートリヤビューミラー」や、死角を低減する「フロント&サイドビューモニター」で、ドライバーの死角を低減し、安全運転をアシストします。

衝突安全

SUBARUは、最初の量産車である「スバル360」の時代から、クルマが持つべき基本性能の一つに「安全」を据えてきました。まだ衝突安全という考え方が浸透していなかった1960年代から、歩行者保護をも含めた独自の衝突安全試験を実施しています。乗員保護はもちろん、歩行者保護も視野に入れたSUBARUの衝突安全性能は、日本だけでなく世界中で高い評価を獲得しています。

・新環状力骨構造ボディ

キャビンをピラーやフレーム類で「かご」のように結合し、どの方向から衝突されても変形を防ぐことを目指したSUBARU独自の安全ボディです。ある程度クラッシャブルゾーンを設け、衝撃を吸収するなどの強い衝撃を全体へ分散・吸収する構造により、全方位からの衝突に対して高い衝突吸収性能を発揮します。

・前面/後面衝突

衝突時の大きなエネルギーを受ければ、小さな装置でも凶器になり得るという事実に基づき、SUBARUが採用する「水平対向エンジン」は、前面衝突時にはフロア下にもぐり込みやすいだけでなく、衝撃吸収のためのフレームを左右対称かつストレートに伸ばすことができるので、衝突エネルギーを効果的に吸収できるというメリットがあります。キャビン内の各コンポーネントは、人体を保護するため衝撃吸収材で作製されています。

・側面/オフセット衝突・横転

側面衝突の際に乗員を保護するため、ドア内に剛性の高いサイドドアビームを採用しています。それに加え、新環状力骨構造ボディによる高剛性が、衝突や横転の際にキャビンスペース全体を保護します。さらに各種エアバッグと内張り全体への衝撃吸収材の採用で、キャビン内の乗員の保護を目指しています。

・歩行者保護

SUBARUは乗員だけでなく歩行者の保護も目指しています。例えば、水平対向エンジンはフロントフードとエンジンユニットとの間に衝撃吸収のスペースを広く確保することができ、歩行者が頭部を負傷する可能性の高いフード上に投げ出された際のダメージを軽減します。さらにヒンジやフードステーなどの部品も衝撃を吸収する構造を採用しています。また「歩行者保護エアバッグ」を国内メーカーで初めて設定するなど、あらゆる安全に配慮したSUBARUの安全思想が設計に息づいています。

・世界で評価される安全性

SUBARUの衝突安全性能は、世界各国の安全アセスメントで高い評価を受けています。

つながる安全

SUBARUの4つの安全思想である「0次安全」「走行安全」「予防安全」「衝突安全」をベースに「つながる技術」や「データ」を活用し、さらに安全を追求するために新たな技術・サービスの開発をしています。SUBARUは量販車種としていち早くドライバーの状態を見守るドライバーモニタリングシステムを採用しています。個人を認識するだけでなく、ドライバーのよそ見や眠気を検出し、注意喚起する機能を持っています。今後、様々な制御と連携させていきます。

自動車アセスメント

SUBARU は、日本のJNCAP、米国のIIHS※1、欧州のEuroNCAP※2、豪州のANCAP※3など国内外の公的機関による安全性能試験・評価を受けており、最高ランクの評価を多数獲得しています。
2019年度は、JNCAPの予防安全性能評価においてフォレスターが衝突被害軽減制動制御装置[対歩行者:夜間]性能試験(街灯なし)を受け、引き続き最高評価の「予防安全性能評価(ASV+++)」を獲得しました。


※1
米国道路安全保険協会(The Insurance Institute for Highway Safety)。
※2
欧州で行われている自動車の安全情報公開プログラム(European New Car Assessment Programme)。
※3
豪州、ニュージーランドの交通関連当局などで構成された独立機関が1993年より実施している安全性能評価(The Australasian New Car Assessment Program)。
2019年度の受賞実績
対象車 評価機関 評価
フォレスター
日本 JNCAP
予防安全性能評価:ASV+++
アウトバック(2019年11月以降の生産車)、レガシィ、フォレスター、クロストレック ハイブリッドの2020年モデル※1

アセント(特定のヘッドライト装着車)、クロストレック、インプレッサ(セダン、5ドア)、WRX(いずれもアイサイトおよび特定のヘッドライト装着車)の2020年モデル※1

米国 IIHS


米国 IIHS
2020TSP+賞※2

2020TSP賞※2
フォレスター
欧州 EuroNCAP


欧州 EuroNCAP
2019年評価5★

スモールオフロード/MPV部門でベスト・イン・クラス賞
※1
米国モデルのみ適用
※2
IIHSが行う自動車の安全性評価で、前面・側面・後面・スモールオーバーラップ(運転席側、助手席側)衝突、ロールオーバー(車両転覆)、耐衝撃性能試験のすべてにおいてGood評価でヘッドライト評価がAcceptable以上、衝突回避評価(対車両および対歩行者の両方)の試験結果がAdvanced評価以上の条件を満たす自動車にトップセーフティピック(TSP)賞、さらにこれらの条件に加え、Acceptable評価以上のヘッドライトを標準装備した自動車にトップセーフティピックプラス(TSP+)賞が与えられる。

「安全」というDNA

航空機事業をルーツに持つSUBARUグループは、クルマの最も重要な基本性能は「安全」にあると考え、半世紀以上も前の「スバル360」の時代から現在にいたるまで、“ALL-AROUNDSAFETY”の思想のもとに安全性能を最優先したクルマづくりを続けています。

SINCE 1917
パイロットを安全に

航空機開発から継承される「安全」というDNA

SUBARUの安全開発の根底には、航空機開発のDNAが息づいています。航空機は、基本構造のなかに危険な状況に陥らないための工夫や対策が施されています。パイロットが全方位を直接見渡すことのできる良好な視界の確保も小型航空機に不可欠な安全性能の一つで、こうした安全思想はクルマづくりにも受け継がれています。

SINCE 1960
ドライバーを安全に

時代に先駆けて「全方位安全」の思想に基づく
衝突安全ボディを開発

高度成長期のクルマの普及拡大に重要な役割を果たした「スバル360」。SUBARUは、あらゆる方向からの衝突に対して効果的に衝撃を吸収し、高い強度を持つキャビンで乗員を守る「全方位安全」の思想のもと、衝突安全ボディの開発にこの時代から取り組んできました。クルマのボディ構造や人体への影響について研究を進め、時代の一歩先を行く安全性を追求してきました。

SINCE 1970
走る・曲がる・止まるを安全に

走行安全性を高める独自技術を開発

走る・曲がる・止まるという基本性能は、重心の位置と駆動方式によって大きく変わります。重心を低くし、四輪すべてにエンジンの力を伝える駆動方式で安定した走行性能が得られます。SUBARUでは1966年に「水平対向エンジン」を縦置きにしたFF車「スバル1000」を、1972年には四輪駆動車「レオーネ4WD」を発売。以来、これらの独自技術で安全で安定した走行性能を追求しています。

IN THE 1980s & 1990s
ドライバーと同乗者を安全に

「レガシィ」登場。運転支援システムの開発

フラッグシップモデル「レガシィ」は、1989年1月、10万キロ連続走行の世界最速記録を更新するなど、安定した走行性能と耐久性を実証しました。また、ステレオカメラを駆使した運転支援システムとして、「アイサイト」の前身となる「ADA」を商品化しました。

IN THE 2000s & 2010s
全ての人を安全に

「アイサイト」を商品化
最新の先進安全装備を全車に標準装備

ステレオカメラで常に前方を監視し、警報やプリクラッシュブレーキによって被害低減を図る「アイサイト」を商品化。2017年には新機能「ツーリングアシスト」を搭載し、「車線中央維持」の作動領域を従来の「60km/h以上」から「0km/h以上」へと拡大。その後も次々と新たな技術を開発しています。