人権尊重
考え方・方針
人権方針の制定
SUBARUグループは、人を第一に考え、「人を中心としたモノづくり」を行っています。「一人ひとりの人権と個性を尊重」することをSUBARUの経営における重要課題と捉え、2020年4月に「人権方針」を制定しました。この方針は世界人権宣言、国際人権規約、国際労働機関(ILO)「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」などの国際規範で定められる人権を尊重し、これらの国際規範に準拠しています。また、SUBARUおよびすべての子会社にこの人権方針を適用するとともに、ビジネスパートナーを含めたすべてのステークホルダーを対象とし、人種・年齢・性別・性自認および表現・性的指向・国籍・民族・出身地・宗教・信条・職業・障がいの有無・家族関係・その他法令で保護される地位などを根拠とした、あらゆる差別を禁止しています。
本方針は外部有識者や海外子会社との協議を通じて、ステークホルダーの期待値を考慮して作成し、2020年3月の取締役会への報告を経て制定しました。なお、SUBARUグループの事業の視点で重点的に取り組む人権課題が示されている付属書については、法令などを含む社会の要請、技術の進歩、SUBARUグループの事業内容などの変化に基づき、適宜見直しを実施します。
人権方針
人権尊重の理念
SUBARUグループは、自動車と航空宇宙の両事業を通じて、人を第一に考え、「人を中心としたモノづくり」を行っています。
「一人ひとりの人権と個性を尊重」することを、SUBARUの重要な経営課題と捉え、この人権方針を掲げ、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた人権への尊重に対するSUBARUグループの責任を明確にします。
1. 人権尊重に関連した法令や規範の遵守
(適用範囲・体制)
- この方針は、株式会社SUBARUおよびすべての子会社に適用されると共に、サプライチェーンを含め、事業に関連するビジネスパートナーやその他の関係者にも、この方針に基づく人権尊重を期待し、働きかけを行います。また、それを実現するため、代表取締役社長をSUBARUグループの人権に関わる責任者とした社内体制を整備し、継続的な取り組みを実施します。
(関連法令・国際規範)
- 私たちは、各国の関連法規制を遵守すると共に、世界人権宣言、国際人権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約および、経済的、社会的、文化的権利に関する国際規約)、国際労働機関(ILO)「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」等の国際規範で定められる人権を尊重します。法令と国際規範に乖離がある場合は、可能な限り国際規範を尊重した取り組みを行うよう努力します。
2. 人権デュー・ディリジェンスの実施
(人権リスクへの対応)
- 私たちは、事業に関わる潜在的もしくは実際の人権リスクを特定し、リスクを防止または軽減するための仕組みを構築し、継続的に運用します。
(是正)
- 私たちが、人権に対する負の影響を引き起こした、もしくは、関与したことが明らかになった場合、その救済に取り組みます。また、そのための苦情処理手続きを構築、維持します。
(教育)
- この方針がSUBARUグループで働くすべての人々に理解され、実践されるよう、役員・従業員・その他の関係者に対し、人権尊重に関する教育・啓発を定期的に行います。
(対話・協議)
- 人権尊重へのより良い取り組みのため、関連するステークホルダーとの対話や協議を行います。
(情報開示)
- この方針に従い、人権尊重および推進への取り組みについての情報開示を、毎年実施します。
2022年3月改定
人権方針(付属書)
SUBARUグループの事業において重点的に取り組む人権課題
SUBARUグループのモノづくりは、自社の工場のみならず、重層的なサプライチェーンで働く、非常に多くの人々によって支えられています。また、マーケティング・販売・アフターサービス等においても世界中のディストリビューターやディーラーを介して、様々な人々との接点があります。そして、私たちが関わるモビリティ社会においては、多くのかけがえのない命を大切にする事業を営み、商品やサービスを提供しています。このようなSUBARUグループに関わるすべての人々の人権を尊重するため、現時点で重点課題として特定した、以下の項目に積極的に取り組んでいきます。
なお、この付属書に示された重点課題は、法令等を含む社会の要請、技術の進歩、SUBARUグループの事業内容等の変化に基づき、定期的な見直しを実施します。
(人命・財産への権利の尊重)
- 運転者・同乗者・歩行者等SUBARUグループの商品やサービスに関わる人々やその家族の基本的な権利を守るため、スバル車に関連する死亡交通事故ゼロを目指します。
- SUBARUグループの様々な商品やサービスの災害支援等の人道的な利用を推進するとともに、非人道的な利用を避けるよう努力します。
(個の尊重および多様性と包摂の尊重)
- 従業員、ビジネスパートナー、および当社が事業を展開するコミュニティの構成員一人一人の個性を重視し、多様性と包摂性をもつ環境の構築に努めます。
- お客様や従業員のみならず、SUBARUグループに関わる人々の個人情報の保護を含めたプライバシーを十分に尊重した事業活動を行います。
(差別・ハラスメントの禁止)
- SUBARUグループに関わるすべての人々に対し、人種・年齢・性別・性自認および表現・性的指向・国籍・民族・出身地・宗教・信条・職業・障がいの有無・家族関係・その他法令で保護される地位などを根拠としたあらゆる差別を禁止します。また、その尊厳を傷つけるいかなるハラスメント行為も許容しません。
- マーケティング活動等のコミュニケーションにおいても、潜在的な人権リスクへの配慮を行い、差別的な表現や子どもに悪影響を与える恐れのある表現は禁止します。
(SUBARUグループの労働者の権利の尊重およびサプライチェーンへの働きかけ)
- 児童労働、強制労働、奴隷労働、および人身売買による労働は禁止します。
- 若年労働者の危険作業への従事を禁止します。
- 外国人労働者、移民労働者等の人権には十分な配慮を行います。
- 労働者の基本的な権利である結社の自由および団体交渉権を尊重します。従業員のより良い労働環境を確保するために、従業員と対話をしていきます。
- 働きがいがあり、安全で衛生的な職場環境を維持します。
- 働く人々の幸福を促進するため、最低賃金・生活賃金を上回る適切な賃金支払いを実施するとともに、適正な労働時間の管理を行います。
- 労働者の権利の尊重を、サプライチェーンにも期待し、働きかけます。
(地域社会の脆弱な人々の権利尊重)
- 紛争鉱物への対応をはじめとする責任ある調達に取り組みます。
- 女性、子ども、障がい者、社会的少数派(マイノリティ)、少数民族、先住民族等弱い立場の人々の人権の尊重には、特に配慮します。
(人権尊重への貢献)
- SUBARUグループの企業市民活動を通じて、世界の人々の人権を守るための貢献を積極的に行います。
2020年4月制定
体制
SUBARUグループでは、代表取締役社長をSUBARUグループの人権に関わる責任者とした体制を整備しています。ガバナンス・リスクマネジメント部、人事総務本部、IR部、サステナビリティ推進部、モノづくり本部、調達本部、航空宇宙カンパニー(調達部門)※1のマネジメント層が参加するタスクチームを結成し、人権上の課題とその対策について定期的に検討し、PDCAサイクルに基づく改善を推進しています。タスクチーム内で検討した内容は、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会にて、年に1回報告されています。
- ※1
- 活動内容は2025年度実績に基づいています。組織名称は掲載時点(2026年度)のものです
人権尊重の推進体制
サステナビリティ委員会および取締役会での人権に関する報告・議論内容
| 年度 | 内容 |
|---|---|
| 2025 | 人権リスクへの対応策の進捗状況、そのモニタリング結果を受けての追加対応策について |
具体的な人権リスクおよび2025年度に実施した対応策については、取り組みをご覧ください。
識別したリスク
SUBARUグループおよびその関係者において、労働環境・労働安全衛生上の問題や、様々なハラスメント、労働者の権利・機会の侵害、人権上問題のある調達などがあった場合には、関連法規への抵触に加え、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下によるブランドイメージの毀損、販売の低迷、人財流出、資材・資金の調達難などが事業基盤を損ない、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに適切に対処するため、各取り組みを実施しています。
取り組み
人権啓発活動
SUBARUでは毎年、「ビジネスと人権」に関する勉強会や理解促進策を実施しています。2025年度は12月の人権週間に合わせて人権をテーマにしたWeb社内報「サステナ通信」を発行しました。同じく12月のハラスメント撲滅月間は、管理職に対しハラスメント研修を実施しました。
また、サプライヤーであるお取引先様に対しては「調達方針説明会」や「取引先CSR説明会」などを通じて、人権の取り組みに関する啓発を行っています。
「ビジネスと人権」に関する勉強会/理解促進策
| 対象者 | 内容 | |
|---|---|---|
| 2025年度 | SUBARU全従業員ならびに国内(日本)グループ会社 | 人権をテーマにした社内報「サステナ通信」の発行 |
| SUBARU管理職 | ハラスメント研修 |
ステークホルダーとのエンゲージメント
SUBARUグループでは人権に関するステークホルダーの期待を把握し、応えるべく、専門家との対話に加え、お取引先様や機関投資家、外部評価機関とのコミュニケーションを行っています。
2025年度は、国内外の複数の機関投資家との面談を実施し、SUBARUの人権に関する考え方および具体的な取り組みについて説明しました。機関投資家からは、潜在的なリスク把握に向けたサプライチェーンを含むより広範な取り組みなど、SUBARUグループのさらなる取り組みへの期待の声をいただきました。またお取引先様との相互対話やその先のサプライチェーンへのCSR調査の拡大などにより、人権侵害の撲滅に向けて取り組みました。
なお、外部評価機関に対しても積極的に最新の取り組み状況を共有し、各団体からの期待や指摘事項についてはサステナビリティ委員会にも報告され、全役員で共有しています。
人権デュー・ディリジェンス
SUBARUグループでは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」およびOECDのデュー・ディリジェンス・ガイダンスなどの国際的枠組みを踏まえ、人権デュー・ディリジェンスを実施しています。2020年度から人事領域・調達領域で想定されるリスクを特定し、対応策を策定、その後、対応策の検証・モニタリングを進めていきました。2020-2021年度にかけて人事領域・調達領域で特定したリスクと対応策、および2023年度および2024年度に人事領域の中の特に製造領域(自動車事業)のリスクに対して策定した対応策についてはすべて「ビジネスと人権」に関して専門的な知見を有するLRQAリミテッド(https://www.lrqa.com/ja-jp/)のレビューを受けています。
特定したリスクと対応策
| 領域 | 人権リスク | 2025年度の主な対応策 | |
|---|---|---|---|
| 人事領域 | 長時間労働、地域社会の脆弱な人々(女性・性的マイノリティなど)の権利侵害、労働者へのハラスメント、労働災害、外国人労働者の強制労働、構内常駐業者を含む強制労働、労働者の権利・機会の侵害 | 人事領域 | 外国籍リーダーのトライアル、労務研修の実施、LGBTQ+のAllyメンバーの活動促進、ハラスメント研修の実施や労働災害の再発防止に向けた各種教育や情報共有など |
| 製造領域 (自動車事業) |
群馬製作所全体の警告表示の統一基準(国籍問わず理解しやすい新しい標識)を策定。構内常駐業者における人権リスク調査の実施(構内常駐業者への監視レベル強化) | ||
| 調達領域 | 責任ある鉱物調達(紛争鉱物・コバルトなど)、お取引先様における人権侵害、お取引先様へのハラスメント | サプライヤーであるお取引先様を対象とした責任ある鉱物調達調査(従来の紛争鉱物調査に加え、2024年度にマイカ調査を新規追加するとともにコバルト調査項目を拡充したもの)の継続実施、取引先CSR調査の実施、改正取適法の対応・周知実施 | |
対応策の実行とモニタリング
策定した各リスクの対応策と、各領域の担当部署による進捗状況を人権タスクチームにて確認し、その内容を定期的にサステナビリティ委員会と取締役会に報告することで、継続的にモニタリングとリスク軽減を進めていきます。なお、調達領域の対応策に関しては「SUBARUサプライヤーCSRガイドライン」をベースに、お取引先様と共に取り組みを進めています。
ご意見、各種相談窓口(救済メカニズム)
SUBARUグループでは、様々なステークホルダーの声が窓口を通じて会社に届く仕組みを整えています。
人権を含む様々なご相談やご意見・苦情に関して、各窓口にて適切に対応し、必要に応じて、是正や救済につなげています。相談者および相談内容に関しては、匿名性・秘匿性を保証しています。また、会社として、相談者に不利益が生じないことを約束しています。
従業員向け
社内・社外に「ハラスメント相談窓口」「コンプライアンス・ホットライン」を常設し、SUBARUならびに国内(日本)のグループ会社および販売特約店※1の全従業員が相談できる環境を整えています。特に「コンプライアンス・ホットライン」では、英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語の4言語に対応した電話での相談窓口に加え、2022年10月より、個人秘匿性の高いWebによる相談も開始しました。
- ※1
- SUBARUの出資をともなわない販売特約店の一部を除く
お客様向け
お客様からのご意見やご指摘などを関係部署と迅速に情報共有し、改善に活かしていくための仕組みとして「SUBARUお客様センター:SUBARUコール」を設置しています。
商品・サービスに関するお問い合わせはもちろん、そのほか様々なご意見やお困りごとに対応しています。お客様の希望があれば秘匿事項として取り扱うとともに、いただいたご意見などを関係部署に共有し、解決に努めています。
お取引先様向け(サプライヤー向け)
SUBARUでは「自動車産業適正取引ガイドライン」に基づき、適正取引推進活動を進めています。その一環として、SUBARUのサプライチェーンのお取引先様を対象とした「適正取引推進相談窓口」を設置し、コンプライアンス上の問題の早期発見、未然防止、是正措置、再発防止を図り、健全なサプライチェーンの維持、お取引先様とのベストパートナーシップを構築していくことを目指しています。
また、2022年度には、新たにサプライチェーンの人権イニシアチブ「責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(JP-MIRAI)」に賛同・入会しました。2023年度から本格稼働した「責任ある外国人労働者受入れ企業協働プログラム」についても、直接材(部品・原材料)のお取引先様に働きかけ、共に参画を進めています。
SUBARUが参画しているプログラムのメニューの一つである相談窓口に関しては、23カ国語※2で対応し、お取引先様の外国人労働者に加え、日本人労働者も相談可能としています。相談内容は日本での日常生活に関する情報収集から人権・労働に関わる悩み事まで幅広く受け付け、相談窓口で解決できない案件については、弁護士など専門家への相談による伴走支援や、東京弁護士会「ADR※3」を利用することも可能で、第三者による公平性・透明性を担保して対応しています。相談窓口をはじめ、その他外国人労働者に向けた様々な情報をまとめたポータルサイトはスマートフォン用アプリでも提供しており、誰でも気軽にアクセスできるようにしています。SUBARUからお取引先様にQRコードを印刷したチラシを配布したり、利用手順説明会を開催するなど、労働者への相談窓口の周知を促しています。
なお、相談窓口を含むプログラム全般については、パイロット事業に参加した企業(SUBARUを含む)やステークホルダー(サプライヤーを含む)の意見を反映し構築されています。
- ※2
- やさしい日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、タガログ語、ネパール語、ミャンマー語、クメール語、モンゴル語、シンハラ語、ヒンディー語、ベンガル語、ポルトガル語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語、ウルドゥー語
- ※3
- ADR(Alternative Dispute Resolution):裁判に代替する紛争解決手段