積み上げてきた強みとビジネスモデル
普遍的な発想の軸
人を中心としたモノづくり
クルマづくりにおける普遍的な発想の軸は、「人を中心に考え、安全を追求すること」。この考えの原点は、前身である航空機メーカーのDNAにあります。航空機の開発において最も大事なことは安全です。万が一の状況に陥らないため、求められる安全性能、技術基準は非常に高く、徹底的に“人を中心に考えた設計”を行っていました。この安全であることが当然という思想がクルマの開発においても脈々と受け継がれ、いかなる時代にも一貫して高い安全性、優れた走行性能、合理的なパッケージを追求してきたことこそが、SUBARUのDNAです。
磨き続けてきた安全技術
1958年に発売された「SUBARU 360」の時代から、あらゆる方向からの衝突に対して効果的に衝撃を吸収し、高い強度を持つキャビンで乗員を守るべく、衝突安全ボディの開発に取り組んできました。当時はまだ「安全」がクルマの価値として重要視されておらず、衝突安全という概念すら一般的ではありませんでしたが、当社は1965年から自主的に前面衝突試験を開始しました。衝突実験用のダミー人形もありませんでしたが、技術者はクルマのボディ構造や人体への影響について独自に研究を進め、試行錯誤しながら時代の一歩先を行く優れた衝突安全性を追求していました。
その後も運転者だけではなく同乗者や歩行者も守るという安全思想のもと、転覆や後面衝突などの様々な形態の衝突安全データを積み重ね、例えば前面衝突時にエンジンが室内に侵入しにくい構造の実現や歩行者がボンネットに当たった際の衝撃吸収スペースの確保など、独自の衝突安全技術に関する開発を現在にいたるまで続けています。
加えて総合安全思想のもと、ドライバーが運転以外のことに気を遣うことのないよう、見やすく、使いやすく、疲れにくいドライビング空間となるようなクルマの基本的な設計の工夫や、「走る・曲がる・止まる」の基本性能を継続的に追求しています「。走り」は単に愉しみを提供するものではなく、安全を高めるための重要な要素です。万一の事故に遭遇したときの安全な危険回避や、様々な天候や路面状況でも普段と同じような安定した走りを可能にします。
2030年に死亡交通事故ゼロの実現に向けて
SUBARUは2030年に死亡交通事故ゼロの実現に向けて取り組んでいます。あらゆる視点からクルマの安全性能を追求し、「0次安全」「走行安全」「予防安全」「衝突安全」「つながる安全」の5つの分野をさらに強化することで、2030年に死亡交通事故ゼロを目指します。
* SUBARU車乗車中の死亡事故およびSUBARU車との衝突による歩行者・自転車等の死亡事故ゼロを目指す。
ビジネスモデル
経営資源の“選択と集中”による競争力の強化
強みを発揮できる分野や市場にターゲットを絞り、限られた経営資源を投入する「選択と集中」を推し進めることで「付加価値」を高めて競争力を強化し、またSUBARUブランドを磨いてきています。
最重要市場
米国市場における取り組み
2025年は小売販売675千台(対前年実績+1.1%)を目標に掲げ、中長期的にはマーケットシェア5%の実現に向け取り組んでいきます。
1.“Love”をKeyとしたコミュニケーション
当社独自のAWD技術により、雪道に強いクルマとしてスノーベルト地域で高い評価を得ています。さらに、第三者機関による衝突安全性能の高評価が後押しとなり、スノーベルト以外の地域でも、一般道や未舗装路、雨天など多様な環境で高い操縦安定性と安心を提供し、「運転が愉しいクルマ」として広く認知されています。お客様がSUBARUの安全性や価値を実感される場面は様々ですが、SUBARUのクルマに対し「Love」として表現してくださる方が多いことが特徴です。この「Love」をキーワードに、お客様にとってのSUBARUのある生活や人生を問うマーケティング訴求「Love Campaign」を展開してきています。その結果、お客様それぞれのなかでストーリーが形成され、自分らしさを表現する唯一無二の存在として愛着が進化し、またその“Love”がお客様自身から周囲の人に情熱的に語られてきました。そして、深まった愛着や共感が、SUBARUブランドの強さにつながっています。
2.SUBARUグループの強固な販売網
私たちは、実際にお客様と接し商品やサービスを提供する現場の事業者を「Dealer」ではなく「Retailer」と呼び、SUBARUチーム一員・代表者として、各地域のお客様一人ひとりの気持ちや価値観に寄り添った対応をしています。リテーラーは私たちにとって大切なパートナーであり、新車販売からアフターサービスにいたるまで、各リテーラーの活動支援に注力し、ともに成長してきました。こうした取り組みにより強い信頼関係が築かれ、SUBARUの目指す方向性に共感いただきながら関係性を深めてきたことが、米国市場での競争優位性につながっています。2025年3月末現在のリテーラー数は計641店舗で、将来的には約650店舗まで拡大する計画です。ただし、単にリテーラー数を増やすのではなく、まず既存店舗あたりの売上拡大による収益性向上と、リテーラーによるSUBARUビジネスへのさらなる投資のサイクルを重視しています。
3.SUBARUならではお客様や地域への寄り添った活動
商品だけでなく、各リテーラーが地域に根ざし、スタッフ一人ひとりがお客様との関係を丁寧に築くことで、SUBARUブランドへの信頼や共感、“Love”が育まれ、SUBARUの成長にもつながっています。SUBARUに関わるすべての人が「Love」と「Respect」を感じられることをビジョンとし、リテーラーと共により良い社会の実現に向けて地域社会に寄り添う「Love Promise」。この取り組みを通じ、リテーラーの地域に対する想いや姿勢、スタッフの人柄や価値観などを理 解していただくことが、より強固で深い信頼関係の構築につながっています。「Love Promise」への参加はスタッフのモチベーション向上や人財の確保・維持にもつながり、今や大半のリテーラーが賛同し、地域ネットワークを活かした大規模な活動へ発展しています。昨今では社内外に大きな影響を与える活動となっており、SUBARUとリテーラー、そしてお客様との関係性は他ブランドとは違う「 Different」な存在であり、「SUBARUらしさ」を生み出す重要な要素の一つとなっています。

