コーチ陣による戦力解説。
最終回は、試合の流れを左右する走塁・守備について、指導を担当する井上肇コーチ、小川信コーチが対談します。
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日置翔兼内野手はピカイチ
井上コーチ 野球において、足は試合を決める大きなカギの一つ。足をうまく使えば、攻撃では安打を増やせるし、守備ではアウトを増やせます。今季は走塁の練習にも力を入れてきましたので、日本選手権でも、足をしっかり使ったプレーに期待していてください。
打席に立つ選手に声をかける井上肇コーチ
守備練習でノックする小川信コーチ
小川コーチ 足に加えて、目や頭を使うことも同じくらい重要です。 盗塁も、相手投手の配給やら球の速さを見てできるようになれば、成功する確率が上がります。
そういうわけで、走塁や守備は経験がものを言いますが、うちのチームで言うと日置翔兼選手④はピカイチです。
守備・走塁はお任せ!日置翔兼選手④
井上コーチ 目や頭を使うことは本当に大事で、日置選手はそれができている。相手の動きを読んだり、タイミングを取るのがうまい。
私は中学の時に茨城県の陸上大会で優勝したくらい足が速かったけど、社会人1年目の時、盗塁を狙ってもほとんどアウトになってしまった。数年たって試合が読めるようになったら、今度はほとんどセーフになるんだけど、足が速いだけでは足りない。
小川コーチ 守りの要も、間違いなく日置選手です。 飛んできた打球を取って、投げるという一連の動作を、流れるようにこなせます。力の抜き方がうまい。守っている時に常に脱力できているから、打球に対して機敏に、柔らかく動ける。
日本選手権でも、日置選手の守備に注目してもらいたいですね。
新人コンビの中里・小玉内野手は伸び盛り
井上コーチ 守備の伸び盛りは中里亮太選手㉓だね。
守備でも成長中の中里亮太選手㉓
小川コーチ 同じ内野手の小玉佳吾選手⑥と一緒に猛練習していて、2人とも守備がどんどんうまくなっています。 中里選手は足が速いので、以前から打球に追いつくことはできていましたが、動作がぎこちなかった。しかし最近、急激に動きがスムーズになっています。
小玉佳吾選手、猛練習しています!
日置選手によく質問もしているし、練習量を重ねることで自信をつけている。不安そうな感じがなくなるとともに、実際に、イージーミスが日に日に減っています。
中里選手、小玉選手は新人らしい、元気いっぱいの守りで京セラドームを沸かせてほしいですね。
井上コーチ 中里選手は、小林亮介選手⓪と、チームで1、2を争うかなりの俊足だけど、走り方にまだまだ改善の余地がある。もっと速くなれます。
外野の要は古川幸拓選手
小川コーチ 外野で言うと、守備がうまいのはセンターの古川幸拓選手①です。
外野を守る、古川幸拓選手①(左)と、龍昇之介選手(右)
井上コーチ 足が速いし、判断力もいいから、ヒット性の難しい打球にも追いつける。しかも、捕球してから投げるまでが速いし、肩も強い。センターは安心して見ていられます。
小川コーチ 古川選手は身体能力が高い。もっと上達すると思いますね。
井上コーチ 外野手で最近、明らかに良くなったのは龍昇之介選手⑨。バッターが打った瞬間のダッシュや、捕球から送球までが速くなりました。声も大きく、チームを鼓舞してくれる龍選手のプレーも楽しみにしていてください。
元気です! 龍昇之介選手⑨
小川コーチ 日本選手権への出場は、2016年以来で、6年ぶりの出場です。全国大会での勝利は選手にとって大きな自信になります。何としても勝利したい。
井上コーチ 林稔幸コーチは選手時代、どんな時もドーンと落ち着いていて、大舞台やチャンスの場面で本当によく打った。勝つためには、平常心で臨むことが大切。選手たちは練習してきたことに自信を持って、力を出し切ってほしい。