【チーム紹介】北関東大会は明日開幕!冨村監督、井上コーチが語る“勝利の戦略”
都市対抗2次予選(北関東大会)はいよいよ明日、開幕します!
首脳陣は勝つためにどのようにチームを育ててきたのでしょうか。冨村優希監督と井上肇ヘッドコーチに、今季の指導を振り返りながら勝利の戦略を聞きました。
選手を信じ「攻めの姿勢」貫く――冨村監督
冨村監督の今季の方針は、「攻めの姿勢を貫く」です。
「たとえば点を取ったとしても『逃げ切ろう』ではなく、“ゴン攻め”をする。選手にも一貫して『どんどん攻めろ』と言ってきました」。

チームが持っている力を出し切るにはどうすれば? 考え続けていた昨年夏、東京五輪のスケートボード競技を見ていて「ゴン攻め」というフレーズを耳にします。選手が空中で繰り出す技に果敢に挑む姿勢を、解説者のプロスケートボーダーが表した言葉ですが、これが冨村監督の胸に響きました。
以降、「トライして失敗したなら納得できるし、得るものがある」という意思統一のもと、失敗を恐れずに、果敢に直球で攻める、あるいは前へ出て捕球する、先の塁を常にうかがうなどの攻めの姿勢を徹底的に指導してきました。
「意識は変わってきた。選手を信じています」ときっぱり。いよいよ幕を開ける北関東大会のタフな6日間の戦い。太田の地で、これまでの成果を出し切ります!
思考力磨き、練習の質と人間力を高める――井上コーチ
今季のSUBARUの各選手は、月に一度を目安に「コミュニケーションシート」に目標を書き込み、コーチと面談してきました。主に担当するのは今季17年ぶりに復帰した井上ヘッドコーチです。

「スイングを500本やる」と書いてあれば、なぜ500本なのか。どんなスイングを、どんな順番で、何のためにやるのか。面談では1人30分かけ、一つずつ選手に尋ねていきます。「最初は考えも記述も大雑把だった選手でも、面談を繰り返しているうちに、考えを整理できるようになってきます」と井上コーチは話します。
1984年に入社し、外野手を9シーズン務めました。その後11年間社業に就いてからコーチを3シーズン。社業に就いてからも野球部の試合には必ず足を運び、同僚の選手からもチームの雰囲気を折に触れて聞いていました。そんな56歳の春、冨村監督から声がかかり、今季、みたびユニフォームに袖を通しました。
練習に加わってすぐに感じたのは、「選手たちは真面目で、言われたことをしっかりやる。ここに、自ら考えて練習し、プレーできる姿勢が加わればもっと強くなる」ということ。二度目にコーチを務めた3年間、チームは3年連続で都市対抗に出場しました。「選手たちはだんだんと自分で考えられるようになって強くなっていきましたが、今のチームはあの時の、最初のころと似ています」。コミュニケーションシートを使った面談は、そんな”常勝チーム”をもう一度作り上げるための手段の一つなのです。
「私はもうすぐ定年ですが、最後に大好きな野球に携われて本当に幸せ。野球の技術を指導するだけでなく、選手の人間力を育てたい。人間力の高いチームは強いし、社業でも活躍できるようになります」と話す井上コーチ。冨村監督を支え、選手の未来を見据えながら、東京ドームをめざします。
都市対抗北関東大会はいよいよ明日、開幕です!
初戦の相手は茨城トヨペット、太田市運動公園野球場で午前8時30分、試合開始です。