都市対抗1次予選・群馬県大会も70連覇で突破し、SUBARUナインは2次予選・北関東大会に向けて闘志を燃やします。そんなSUBARUが一体どんなチームなのかをご紹介するため、今年が3年目の指揮官・冨村優希監督にどのようなチーム作りを心掛けてきたのかを聞きました。
・・・・・・・ 監督就任3年目ですが、昨年初めて北関東予選で指揮を執り、第2代表決定戦で勝てば都市対抗出場、負ければもちろん敗退の最終決戦の試合、人生で初めて「緊張で胃が痛くなる」とはどういうことかを知りました。現役時代は一打逆転のチャンスという緊迫した場面でも、胃は痛くならなかったのですが…。やはり監督のプレッシャーは、プレーヤーとは異なりますね。
野球は、試合に出る選手と、控えの選手がいます。かつ、チームプレーです。ですから力を出し切るために大事なことは、その人選において、チームのみんなが納得することだと考えています。
たとえば、試合に出られない選手でも、そのことに納得できていれば、ベンチでの声出しや自身の役割の理解、準備など、できる裏方の仕事でチームに貢献します。すると、誰かがケガをして、彼らに出番が回ってきた時に、スムーズに入り込むことができます。
また、全員に必ずチャンスを与えます。オープン戦で頻繁に打順を変えるのはそのためです。かつ、選手それぞれに、最も期待しているポイントを伝えてあります。山田知輝選手㉖なら得点圏打率、原澤健人選手㉕なら長打率、という具合です。その評価ポイントで結果を出している選手から試合に出します。そして、同等の結果なら若い選手を優先するとも伝えてあります。
評価基準を明確にし、平等にチャンスを与える。そのうえで、結果によって試合に出る選手を決める。チャンスは自分でつかみ取れ、というわけです。こうすることで、選手みんなが納得し、チームが一丸となって戦えると考えています。
こうした考えになったのは、社業の経験が大きく影響しています。私は野球部を引退した後、部品管理課という部署に約3年間所属し、係長として約2年間勤務しました。その時の上司が、部下に対して等間隔で接することに配慮されており、部署がとてもうまく回っていたのです。 また、社業に慣れない自分が、部署で信頼を得るためにどうしたらよいかを考え抜き、 朝早く出社して部品倉庫の見回りやゴミ拾い、連休中の休出出勤など、率先して雑用やらキツイと言われている仕事を引き受けました。 その時の自分にできることを頑張り、部署に貢献する。それを徹底していたら、上司はもちろん、部下も本当によく助けてくれました。おかげで仕事をどんどん覚え、成果も出せるようになりました。
部品管理課は、何万点もの自動車部品を円滑に現場に届くよう管理しています。間違った部品が入ってきたり、部品の納入が遅延すれば現場のラインが止まり、車を作る現場はストップしてしまいます。スバルの車の購入を楽しみに待って下さるお客様や、現場で働く従業員の皆さんに多大なるご迷惑かけてしまうといった重責を担っており、各々が役割を確実に果たすという、チームプレーが本当に大切です。 こうした社業を経験できたことは、さきほど話したように監督業をやるうえで大きな糧となりました。また、日々、こうした大変な仕事をされている従業員の皆さんの励みになるようなプレーをしたいと、より一層、強く思うようになりました。
今年も都市対抗本大会への出場をかけた戦いが、始まりました。本当に激しい競争のなか、猛練習を積んできた選手たちは、1点を泥臭く取りにいく、粘り強いプレーを見せるはずです。 いつも応援してくれている会社の皆さん、太田市の皆さんに、元気と感動をお届けしたい。そして、11月28日(日)に東京ドームで開幕する都市対抗本大会への切符を何としても手に入れ、喜びを分かち合いたいと思います。