NY駅伝への試金石・全日本実業団詳報②~5千メートル
前回に引き続き、9月24日から3日間にわたり、大阪市で開催された全日本実業団対抗陸上競技選手権大会を詳報します。
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ニューイヤー駅伝と近い日程であるうえ、全国から有力選手が集まるこの大会は、選手が全国でどこまで戦えるかを探る、各チームにとってまさに「試金石」とも言える意味があります。
そして、この大会で、SUBARUの選手たちは、次々と好成績を収めました。今回は5000メートルの戦いぶりをお伝えします。
挑んだのは、梶谷瑠哉選手、清水歓太選手の2人です。
レースがあった18時現在の気温は、30度近い暑さに見舞われた前日とは打って変わって22度と下がって走りやすくなりました。
|梶谷選手 ラスト1周で見事な追い上げ
まず第2組で梶谷がスタート!前半、選手たちでけん制し合いペースの上げ下げが見られる中、梶谷選手は3000メートルの通過時点で先頭に立ちます。その後かわされながらも3~4番手で粘り続けます。後半にギアを上げていく他の選手に負けじとラスト1周で一気に切り替えて追い抜き、組2着と上々の成績でフィニッシュしました。

スタート地点に立つ梶谷選手
13分42秒26でセカンドベスト(自己記録の次に良いタイム)の走りを見せた梶谷選手は「ここからは駅伝シーズン。チームの力になりいたい」と手ごたえをつかんだ様子でした。
|清水選手 高速レースに食らいつき、日本人大会新記録!
そして、今大会のラストレースでもある5000メートル第3組。清水選手は序盤、外国人選手9人が縦長の集団を作る後方に位置取りしました。先頭は3000メートルを8分09秒、4000メートルを10分49秒で通過。この3000メートルから4000メートルの1000メートルで、フィニッシュタイムが13分20秒をうかがうペースへと一気に上がります。昨年樹立された日本人大会記録13分22秒60を塗り替えそうな高速展開になってきました。

ハイペースな展開に対応し、大会新記録をたたき出した清水選手
清水選手の成長が感じられたのは、このペースアップにしっかりと対応したことです。このハイペースにも関わらず、ラスト1周も第2グループに食らいついて5着、13分22秒25でフィニッシュしました!13分21秒81を出して2着に入った青木涼真選手(Honda)と共に日本人大会新記録!自己ベストは13秒93も更新されました! この記録は『今期5000mランキング日本人2位』と素晴らしいもの!
この大幅なジャンプアップに清水選手は「思った以上に記録が出て、びっくり」と話しています。力を出し切った、というわけではなく、まだまだ上を目指せる手ごたえを得た大会となりました。
今大会はタイムレース決勝で、10000メートルはロロット選手が6位、住吉選手が16位、照井選手が26位(完走者52人)。5000メートルは清水選手が5位、梶谷選手が18位(完走者61人)という好成績です。さらに9月末に移籍入部した鈴木勝彦選手も出場しており、5000メートルで17位に入っています。
レース内容、タイムの面のいずれも、SUBARUがニューイヤー駅伝で活躍してくれることに、期待がふくらむ大会となりました。
ニューイヤー駅伝の出場権をかけた第62回東日本実業団駅伝は11月3日(水)、埼玉県熊谷市の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われます。皆さまのご声援を、よろしくお願いいたします!
*タイムレース決勝って?
タイムレースとは、各組の着順に限らず、全ての組の選手が走り終えた後に順位が決定する仕組みのことです。例えばタイムレース予選全2組で決勝進出を争う場合、1組8着でも2組1嫡のタイムを上回れば、決勝に進出できます。
タイムレースでは「出場資格タイム」に則って何組目で走るかが決定され、力が近い選手同士で競い合うことになります。また、速い選手が後ろの組に入ることが多いです。今回の全日本実業団の男子種目の場合、800メートル、1500メートル、5000メートル、10000メートル、リレー2種目はいずれもタイムレース決勝で行われました。

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