「トレイルシーカー」開発ストーリーVol.2 若手エンジニアの奮闘

「トレイルシーカー」開発ストーリーVol.2 若手エンジニアの奮闘

記事内の日付や部署名は、取材当時の情報に基づいた記述としています

仕事は違っても、「笑顔をつくる」という想いでつながる「SUBARUびと」。 様々な部署で働く「SUBARUびと」を、仕事内容や職場の雰囲気を交えてご紹介します。

今回は、2026年4月9日に発表・受注開始したSUBARUのBEV(Battery Electric Vehicle:電気自動車)ラインアップ第2弾「トレイルシーカー」の開発に携わった若手エンジニアの熱い想いをお届けします。

トレイルシーカー開発ストーリー Vol.1は、こちらをご覧ください。

目次

AWD制御の開発担当

若山 綾那さん

若山 綾那(わかやま あやな)さん 車両環境開発部

2021年に入社後、一貫してAWD(All-Wheel Drive:全輪駆動)制御の開発業務に携わる。クロストレックとフォレスターの開発を経験し、2023年からはトレイルシーカーを担当。SUBARUがBEVを自社開発していくにあたり、これまで培ってきた技術をSUBARUならではの“走りの思想”を組み込んだ、AWD制御のさらなる進化に挑む。

AWDの駆動力配分を
工夫して叶えた
“狙い通りに走れる感覚”

若山:
私が携わったトレイルシーカー*1の開発では、SUBARUがこれまでのBEV開発で蓄積してきた技術的な知見を活かし、「ドライバーが狙った通りのラインを気持ちよく走れること」にこだわりました。
例えば、雪道のカーブを走行する際、思ったよりもクルマが曲がらず外側に膨らみ、慌ててアクセルを緩めたりハンドルを切り足したりする場面があります。トレイルシーカーでは、そうしたドライバーによる修正操作をできるだけ必要とせず、どのような路面状況でも、日常の運転と変わらない感覚で走れることを目指してAWDの制御を大きく進化させました。
これまでは、加速や旋回をしてクルマの挙動が現れた“あと”に、その状態を安定させるよう駆動力配分を行っていましたが、新しい制御では、ドライバーのアクセルやハンドルの操作から、次のクルマの動きを先読みし、最適な駆動力配分を行います。これにより、ドライバーの操作に対して、より素早くクルマが反応できるようになりました。
開発で難しかったのは、ドライバーの操作意思をしっかりクルマの動きに反映させることと、クルマの挙動が不安定になりそうな場面では駆動力配分を補正して素早く安定させることの「バランス取り」でした。「ドライバーの意志を尊重する部分」と「安全のために駆動力配分を補正する部分」をどう切り替えるか丁寧につくり込む必要があり、何度も試験を重ねて最終調整を行いました。
多くの開発メンバーが試乗して「1台のクルマとしてどうあるべきか」と意見を出し合ったことで、進化した制御が車両全体に反映され、完成度の高い走りが実現できました。クルマと自分が一つになったような、“狙い通りに走れる感覚”をぜひ体感していただきたいです。

内装組み立て工程の開発&量産準備の取りまとめ担当

小島 敬一郎さん

小島 敬一郎(こじま けいいちろう)さん トリム生産技術部

2021年に入社。大泉工場で生産性向上や、生産ラインの稼働率改善、省人化対応などの業務を担った後、矢島工場でフォレスター、クロストレック、アウトバックなどの量産車の生産性や品質の改善に従事。2023年12月からトレイルシーカーの組み立て工程づくりに携わる。

新たな工程づくりと、
仕組みづくりが大きなやりがいに

小島:
私は、シートや配線などの内装部品を安全かつ効率よく組み立てるための、新たな生産工程づくりに取り組みました。そこから業務の幅が広がり、SUBARU初となるグローバルBEVの量産実現に向けて、工場全体の組み立て作業をスムーズに進めるための工程づくりの調整・取りまとめを担当しました。
トレイルシーカーは、トヨタ自動車(以下、トヨタ)と共同開発したソルテラと多くの構造を共用しており、内装の組み立て工程づくりでは、トヨタのモノづくりの考え方を、SUBARUの製造拠点である矢島工場の工程にどう反映させるか検討を重ねました。そのうえで、トレイルシーカー固有の構造部分の組み立てについても、製造現場に過度な負担がかからないよう、工夫を行いました。
特に、天井の内張り工程では、配線の取り回しなどが複雑で作業負荷が高いため、誰もが簡単に作業できるよう工夫し、ダイバーシティにも配慮した工程を目指しました。また、他部門とも連携し、SUBARUの生産ラインにおける内装組み立て領域としては初となる、作業指示を部品に投影するプロジェクションマッピングの仕組みを導入。作業のわかりやすさを高め、魅力ある工場づくりに貢献できたと感じています。
一方、量産準備の取りまとめ業務では、トヨタの関連部署と連携し、数千点におよぶ部品の識別情報を一つひとつ確認しながらシステムに登録していきました。量産に向けた部品管理の基盤を整え、SUBARUとトヨタの間で協力しながら仕組みとしてつくりあげられたことは、大きなやりがいにつながりました。
SUBARU初となるグローバルBEVの量産や文化の異なる企業間の協業という新たな枠組みの中で、今回初めて工程づくりという業務に携わり、こだわりをもって多くの関係者とモノづくりを進められた経験は、私を大きく成長させてくれました。今後もこの経験を活かして、より多くの笑顔をつくり出せるよう、価値ある開発に取り組んでいきます。

SUBARUらしさをBEVで追求する「SUBARUびと」。ぜひ、次回のコラムもご期待ください。

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