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2022.12.07

梶谷瑠哉選手、闘争心に火が点いて

11月26日に行われた10000mの記録会「八王子ロングディスタンス」で、梶谷瑠哉選手は自己ベストを22秒も更新する28分02秒27で走りました。

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実は梶谷瑠哉選手、今季は例年以上に、自分を追い込んで猛練習を積んできました。

 

同期・清水選手“覚醒”の衝撃

その原動力は、同期の清水歓太選手の飛躍です。

同期入社で切磋琢磨し合ってきた、梶谷選手(右)と清水選手(左)

清水選手は2021年5月の大会で5000m13分45分56の自己新記録を出して以降、走るたびに好記録を連発しました。2022年3月には、米国の大会で10000mで27分31秒27と、日本歴代7位(当時)の驚異のタイムを記録。6月には日本選手権5000mで3位になるなど、急成長を遂げました。

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梶谷選手は、清水選手と同期です。そして、2019年の入社時は、5000mと10000mとも梶谷選手の方が速い記録を持っていました。しかし、清水選手は2021年のブレイクの後、5000mで1分、10000mのタイムを2分も縮めて、日本トップクラスのランナーに躍り出ました。

 

沸き上がる闘争心

「カンタは、故障で苦しんでいた時期がありました。そこを耐えていたかと思ったら、突然“覚醒”しました。常識では考えられないような、驚異的な伸びを見せました。僕はそれを、間近でずっと見ていたんです」と梶谷選手は振り返ります。

梶谷選手は「チームで力を合わせて走る駅伝が好き」が口ぐせで、強烈な負けず嫌いが多いアスリートのなかでは、かなり穏やかな性格です。しかし、同時に、同じSUBARUに入った清水選手が、日本のトップクラスのランナーとして、世界を目指すところまで一気に駆け上がるのを目の当たりにし、「自分にだってできるはずだ」という、今まで感じたことのない強烈な闘争心が、フツフツと沸き上がってきたと言います。

 

「世界を目指してみたい」

その闘争心は、「日本選手権に出たい」「自分も世界を目指してみたい」という高い目標につながっていきます。元々真面目で努力家の梶谷選手ですが、例年以上の試行錯誤と猛練習に励みました。

猛練習する梶谷選手

筋トレによる体幹の強化、これまでに以上に細かな練習分析、大量の走り込み。奥谷亘監督と本川一美コーチにも積極的に教えを請い、走り方、フォームを細かく見直してもらい、徹底的に修正しました。

 

やってきた飛躍の時

とは言え、すぐに結果が出るわけではなく、なかなか記録は伸びませんでした。「今季は、常に張り詰めた気持ちで、自分を追い込みながら練習していました」。清水選手が耐えたように、梶谷選手も我慢しながら飛躍の時を待ちました。そして、その時は、11月26日にやってきました。

町田GIONスタジアムで行われた記録会「八王子ロングディスタンス」。梶谷選手は目標タイムが28分10秒と、自己ベストより10秒以上も速く設定されたC組にエントリーしました。

いよいよスタート!
その直後、梶谷選手は軽く走れることに気付きました。そして、集団の前方に付いてペースを守ります。

集団が8000mすぎにペースアップしてもまだまだ余裕があり、トップで粘ります。ついには「ラクに走れていたので、前に出てみようと思いました」と、1200m地点で早めのラストスパートをかけます!

八王子ロングディスタンスで激走する梶谷選手(ナンバーカード21)

 

終盤、さらにもう一段スピードを上げてフィニッシュ。記録は設定タイムを上回る28分02秒27で、自己ベストを22秒も縮め、トップランナーの証とも言える27分台も視野に入れました。

苦しみながら鍛え上げた力が、記録に結実した瞬間でした。

 

ニューイヤーに自信

試合後、梶谷選手は「今季、やってきたことが正しかったと確認でき、ニューイヤーに向けて自信を持つことができました」と、会心の走りに笑顔を見せました。

同期の清水選手から刺激を受け、激しい闘争心でその背中を追いかけ、苦しい時を経て大きく成長した梶谷選手。その走りで、1月1日は沿道を沸かせます!

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