真船恭輔選手、武器は鍛え上げた体幹
今季のSUBARUには、移籍や新卒で新しいメンバーが5人も加入しました。
真船恭輔選手もその一人。鍛え上げた体幹を武器に、チームを刺激しています。
教科書に載るような、きれいなフォーム
教科書に載るような、クセのないフォームが見る人の目を引きます。東京国際大学で先輩だった照井明人選手は、冗談めかしながら「学生時代から、顔と走り方がきれいな選手でした」と評します。
ブレたり、グラついたりすることなく、きれいに走れるのは、しっかりした体幹のたまもの。真船選手は、長距離選手にしては、がっちりした体格です。長距離の名門・学法石川高校時代に、スピードを上げる練習で鍛えられたことで、筋力がついたそうです。
厚底シューズにしっかり適応
出走に向け、シューズを履き替える
「近年、長距離界では筋力が重視されるようになってきています。真船選手の体格は、現代長距離界向きと言えます」と話すのは、本川一美コーチです。
筋力重視の理由は、シューズの厚底化。最近のシューズは底が厚く、反発力があります。厚底シューズを履いても体をグラつかせず、しっかり支えるために、筋力が求められるようになってきているのです。その点、真船選手は持ち前のがっちりした体で、しっかり厚底シューズを履きこなせているというわけです。
加入で、チーム明るく
真船選手、今夏は1日30~40㌔を走り込み、筋トレにもしっかり励みました。
「本当によく練習しており、即戦力としてチームに貢献したいという意気込みが、にじみ出ていましたね」と、本川コーチは目を細めます。
実は真船選手、すでにチームに大きな貢献をしています。
梶谷瑠哉キャプテン「真船選手の加入で、チームの雰囲気はいつも明るくなりました。というのも、めちゃくちゃキツくて苦しい練習の時も、彼、楽しそうにやるんですね。『次、インターバルだよね。乗り越えていこうぜ!』という感じで、こちらもつられて楽しくなってくる。常に前向きな姿勢には、僕もかなり影響を受けました」。
「歓太さんに追いつきたい」
記録会で、懸命に前を追いかける真船選手(左から3人目)
昨年の東日本予選で、真船選手は前チームで1区(13.4km)を走りました。この駅伝で、SUBARUの1区は清水歓太選手でした。真船選手は39分47秒で9位。清水選手は39分35秒で5位でした。そして、自身のチームは予選を突破できませんでしたが、SUBARUは予選を突破し、ニューイヤーでは準優勝を果たしました。
「東日本予選で、歓太さんとのタイム差は12秒で、そんなに離れていなかった。僕はまだ、予選を突破した経験がありません。歓太さんに追いつき、メンバーに選ばれて予選を突破したい」と負けん気の強さを見せます。
切磋琢磨し合う清水歓太選手(左)と真船恭輔選手(右)
課題は、強い筋力が力みにつながり、スピードにブレーキをかけてしまうことがあること。
本川コーチは「本人の努力でうまくバランスが取れるようになってきている。真船選手の頑張りは、チーム内の競争に拍車をかけてます」と話します。
東日本予選まで1カ月。真船選手、メンバー入り目指して猛アピールします!