【選手紹介】照井選手 「恵まれたチーム」と気付かせた”新しい風”
「どれをとっても贅沢です」。
今年2月に雪国の山形県のチームから移籍入部した照井明人選手は、今のSUBARU陸上競技部の環境をこのように表現します。
|SUBARUでは、うれしいことだらけ
ニューイヤー駅伝の舞台である群馬県で暮らし、日々、日本一の頂上決戦を意識できる。地元チームとして、大声援を受けられる。雪に悩まされることなく1年中、思いきり練習できる。なおかつ世界の舞台を知り、社会人1年目からずっと尊敬していた奥谷亘監督に、直接指導してもらえる――。
照井選手にとってはうれしいことだらけで、水を得た魚のように、シーズン序盤からレースにも次々出場しました。

照井明人選手
|移籍3日ですっかり溶け込む
トレーニング以外でも、後輩の車購入に付き添うなど、仲間たちと積極的に関わっていきます。その人当たりの良さは、「照井さんは入部して3日経ったら、もう何年も一緒にいるチームメイトという感覚」「『照井さん、実は昔からSUBARUにいましたよね』って言っちゃうくらいでした」という声が、チームのあちこちから聞かれるほどでした。
|チーム立ち直るきっかけに
そんな照井選手の言動によってSUBARUのメンバーは「当たり前だと思ってきたことは、どれをとっても当たり前ではなく、恵まれたチームで陸上競技が出来ている」ということに気付き、日々の練習に向かう姿勢を変えることにもなったと言います。
振り返ると、入部したばかりの今年2月、チームはまだニューイヤー駅伝不出場のショックをひきずっていました。その様子を見て、実は照井選手は「なぜここまで落ち込んでいるのか」と不思議に思ったと言います。
所属していた前チームはまだまだ新興で、自身がニューイヤー駅伝に出場できたのは1回だけ。そんな照井選手にとって、「ニューイヤー駅伝に1回出られなかっただけで落ち込むほど、出場が当たり前」という環境は恵まれている、としか思えませんでした。

天真爛漫な言動で、チームを明るく照らす
「来年はきっと出場できるチームなのだから、もうその時から『ニューイヤー駅伝は4区を走りたい』と言い始めていましたね」(照井選手)
そんな新たな風を吹かせた新メンバーの存在は、チームを大きく変えました。「明るい性格の照井が外部からチームに風を吹かせてくれたことは、昨年の予選敗退で悪いムードの中にあったチームを立ち直らせた理由の一つでもありました」(奥谷監督)
|「4区走りたい」
そんな天真爛漫で明るい照井選手は、アスリートとしては強烈な負けず嫌いでもあります。前チームのエースとしてニューイヤー駅伝に初出場した2021年は、「駅伝の定石」に則ってチームのスタートダッシュを担う1区を任されました。
ただ、照井選手自身は、自慢の粘りを生かせるのは最長区間の4区だと思い続けてきました。「日本各地のエースたちと華の4区で競り合いたい」ときっぱり言い続けている照井選手のこの競争心が、チームに緊張感をもたらし、チーム力アップにつながっています。
一方、照井選手自身もSUBARUのメンバーから刺激を受けています。
照井選手は5000メートル、10000メートルともにチームトップの記録を引っ提げて、SUBARUに移籍してきました。刺激を受けたSUBARUの選手たちは次々と自己ベストを更新。照井選手は「焦りではなく、そうやってチームがさらに強くなるのがうれしくて、自分ももっと頑張ろうと思えました」。もう一段階ギアを上げていきます。
そして迎えた11月の八王子ロングディスタンス10000メートル。日本の実業団のトップ選手たちが集うこのレースで、照井選手は他の選手に競り負けません。自身にとって2番目に良いタイムであるセカンドベストで走り切ることができました。
大きな自信をつけた照井選手はレース後、「ニューイヤー駅伝では、区間一桁の順位を目指します」と宣言し、さらに気持ちを高めていました。
一貫して、ニューイヤー駅伝ではエース区間の4区を走る、と志願し続けている照井選手について奥谷監督は、「これまでのチームは『エース区間は誰が行くのか』という不安混じりな声もあった。それが今季は『俺が行くぞ』と、メンバーで競い合っている状態になっています。これは一貫して『ニューイヤー駅伝の4区』を志願し続けている照井の影響が大きいです」と話します。
新鮮な感性でチームに新風を吹かせた照井選手。
SUBARUのユニフォーム姿でのニューイヤー駅伝デビューを果たす2022年1月1日、全力でファンを沸かせます!
