2009年2月20日


富士重工業、「ITS-Safety2010」公開デモンストレーションへ参加

 富士重工業は、ITS推進協議会*が推進する「ITS-Safety2010」の公開デモンストレーションに、交通事故の未然防止のためインフラ協調型安全運転支援システムを搭載した車両「スバル ASV-4」や、昨年5月に市販を開始した先進運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」を搭載した車両を出展する。

* ITS推進協議会
ITSによる安全運転支援システム推進のため関係省庁および産業界の代表で構成される協議会。


 富士重工業は、国土交通省自動車交通局が推進するASV**推進計画に第1期より参画し、自律検知型の安全運転システムの技術開発・実用化を進めてきた。1999年には、ステレオカメラによる前方認識技術を軸にした安全運転支援システム「ADA(Active Driving Assist)」を世界に先駆けて実用化し、2008年にはその進化型である「EyeSight」を商品化、世界で初めてステレオカメラのみでのプリクラッシュブレーキを実現してきた。

** ASV(Advanced Safety Vehicle:先進安全自動車)
国土交通省自動車交通局が推進する1期5年のプロジェクト(第1期は1991年~)で、今期は第4期(平成18年度~22年度)にあたる。


 今回、富士重工業は、第4期ASV(ASV-4)で取り組んでいる無線を用いた車車間通信により走行中の位置や方向などの情報交換によって車両衝突回避を目指す機能に加えて、道路に設置された光ビーコンを活用した路車間通信システムであるDSSS(安全運転支援システム)***や、道路に設置されたセンサーからの渋滞情報などを伝達する路車間通信システムであるスマートウェイ****に対応したインフラ協調型安全運転支援システムを搭載した車両「スバル ASV-4」を2台開発した。

*** DSSS(Driving Safety Support Systems:安全運転支援システム)
警察庁とその外郭団体である新交通管理システム(UTMS)協会が推進しているプロジェクト。
**** スマートウェイ
国土交通省道路局が推進しているプロジェクト。


 この車両を用いて、昨年9月の栃木地区や今年1月の東京臨海副都心地区での実証実験に参加し、インフラ協調型安全運転システムの実用化に向けた効果的なサービスやシステムのあり方についての検証を行うとともに、事故低減への効果について定量的な評価を行ってきた。
 また、ドライバーが周辺視野で情報を得られるようにインパネ中央上部に専用モニターを設置し、画面の色変換と点滅速度変更で注意を喚起し、さらには車両の接近を錯視画像を用いて表現する情報提示システム(HMI:Human Machine Interface)を開発、そのシステムの有効性などについて検証を進めてきた。

スバル ASV-4
スバル ASV-4

 今回の公開デモンストレーションでは、公道試乗会を通じてASVやDSSS、スマートウェイの3つのプロジェクトに即した最新技術を紹介するほか、会場内専用スペースで「EyeSight(アイサイト)」搭載車両の試乗や会場内展示スペースでの運転支援システムに関する取組みを紹介する予定。

 今後も「どのような状況下でも事故を未然に防ぎたい」という安全に対する考え方に基づき、「ぶつからないクルマ」「事故を未然に防ぐクルマ」づくりを積極的に推進し、継続的な技術開発と共に、あらゆる機会を捉えて安全技術の発展に努めていく。

スバル ASV-4に搭載する最新技術は以下の通り。

1.先進安全自動車(ASV)

 車車間通信により他車両と、走行中の位置や方向、速度等の車両情報をお互いに交換することで、対象車両との衝突の危険性を総合的に判断し、必要に応じてドライバーに音、音声、画像等により情報を提示・注意を喚起する。
 今回の公開デモンストレーションで紹介する主なASVシステムは以下の通り。

 右折時衝突防止システム・出会い頭衝突防止システムは、車両が一旦停止してから再発進しようとした際に、危険対象となる他車両の存在に応じて注意喚起を行うことで、踏み止まりを促すシステム。

2.安全運転支援システム(DSSS)

 路側インフラから送信される道路情報、信号・規制情報等の周辺交通情報を視覚及び聴覚情報として提供することで、運転上の危険要因を知らせて注意を促す。
 ITS-Safty2010のもと、東京都臨海副都心(お台場地区)での合同実証実験に参加しており、今回の公開デモンストレーションで紹介する主なDSSSシステムは以下の通り。

3.スマートウェイ

 路側インフラから送信される道路情報、合流・障害物情報等の周辺交通情報を視覚及び聴覚情報として提供することで、ゆとりのある運転環境を提供する。
 ITS-Safty2010のもと、首都高速道路での合同実証実験に参加しており、今回の公開デモンストレーションで紹介する主なスマートウェイシステムは以下の通り。