2007年10月31日

富士重工業 2007年度上期業績の概要

<2007年度上期業績:連結売上高>

スバルの国内市場は、6月に導入した新型インプレッサが計画通りの伸張を見せたものの、登録車需要の長引く不振の影響や昨年度に発売した軽乗用車ステラの新車効果の一巡などにより既存車種が落ち込み、販売台数は前年同期比88.7%、99,217台となった。一方、海外市場では、主要市場である北米や豪州、西欧で堅調だったことに加えて、ロシアや中国、シンガポール、イスラエル、チリなどの新興市場が伸び、販売台数は同109.8%の172,187台となった。
自動車部門以外では、航空宇宙カンパニーが民間機需要は好調であったものの、防衛省向けの航空機の開発が落ち着き、売上高が減少したほか、産業機器カンパニーでは保有株式売却により関係会社の富士ロビンの業績を連結対象から外したことなどから、前年同期比では減収となっている。
全体では、為替レート差にカバーされ、前年同期比101億円増収、7,088億円の売上となった。

<2007年度上期業績:連結利益>

営業利益は、国内外ともに市場競争の厳しさから車種構成の悪化が大きな減益要因となっているが、原材料の高騰などに対処しながらの原価低減努力、米国インセンティブ費用の抑制など諸経費削減努力が効を奏し、為替レート差を加えて、189億円と前年同期を上回る実績を確保した。
また、経常利益も前年並みの142億円となったが、当期純利益は前期に計上していた固定資産売却による特別利益がなくなったことなどにより78億円と減益になっている。

キャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが620億円と前期に比べ619億円の増加、中間連結会計期間末における現金および現金同等物は1,060億円と期首に比べ69億円の増加となった。
また、2007年9月末の有利子負債は2007年3月末比271億円減の3,168億円となっている。

<2007年度通期見通し>

スバル自動車部門において、国内市場は、登録車需要の低迷、軽市場での競争激化と環境が厳しいものの、下期にインプレッサWRX STIのフルモデルチェンジ、さらにもう一車種フルモデルチェンジ車の投入と、商品ラインナップのてこ入れを図るとともに、海外市場でも、現在の成長戦略を維持しながら新型インプレッサを中心に一層の拡販に努めていく。
こうした状況を踏まえ、為替動向なども鑑みながら、通期連結決算の見通しは10月23日に上方修正したとおり、売上高は1兆5600億円(2007年7月発表の予想値比+100億円)を、営業利益は400億円(同+50億円)を、経常利益は350億円(同+50億円)を、当期純利益は170億円(同+10億円)を、それぞれ計画している。