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開発秘話

episode02 今、国内で私たちにしか、つくれないエンジン。

効率よりも走りを求め、SUBARU BOXER誕生。

1966年に発売された「スバル1000」。SUBARU BOXERの歴史は、このクルマから始まりました。当時ほとんどのクルマがFR方式を採用する中、SUBARUが採用したのはFF方式。走行の快適さと安定性を追求した結果でした。そこで、FF方式でありながら短いフロントノーズを実現するために、エンジン全長が短い“水平対向エンジン”が採用されたのです。採用例が少なく高コストが見込まれる水平対向エンジンに対しては、社内での反対意見もありました。しかし「人が乗り運転する上で最も理想的なパッケージングを」という開発者たちの想いの熱さが勝りました。1980年代後半になると、日本車の地位が高まり“世界で通用するクルマ”がキーワードに。SUBARUでも新たなクルマづくりが求められ、直列型やV型のエンジンも改めて検討されました。しかし選ばれたのは、やはり水平対向エンジン。第二世代モデルのBOXERを搭載した「レガシィ」が発売され、モータースポーツでの活躍やワゴンブームなど、新たな時代を切り開いていきます。そして世紀が変わって、2010年。環境性能と走りの愉しさを高次元で両立させ、原価低減も推進するために、全性能を刷新した“新世代BOXER”が誕生することになります。

ゼロに戻ることから始めた、新世代BOXERの開発。

その第一弾は、NA車である2010年型「フォレスター」に搭載された“FB型”エンジンでした。開発を取りまとめたエンジン設計部の白板は「ゼロ地点に立ち返ることから始めた。」と言います。「水平対向エンジンには、部品点数が多い、ビッグボア・ショートストロークになるなどの制約があります。それを私たちエンジ二ア自身も“宿命”と諦めていたのですが、宿命から逃げずに戦おうと決意しました。」試行錯誤の末にロングストローク化に成功して燃焼効率を引き上げ、優れた環境性能と爽快な加速レスポンスを達成。パーツの軽量化やシステムの簡素化などによって量産効果を生み出し、原価の低減も実現しました。同じく開発に携わった堀は「全てが全く新しい試み。開発陣と生産技術陣との強い連携が不可欠でした。」と振り返りますが、難題は他にもありました。その一つが、排気管スペースが狭くなる制約下で出力性能と排ガス性能の両方を高めること。この領域を担当したシャシー設計部の葛西は「“出力”と“排ガス”は相反するテーマ。厳しい戦いでした。」と語ります。葛西が目を付けたのは、オイルを正常に循環させるために「自然な形であるべき」とされているオイルパンの形状。言わば“聖域”に手を加えて排気管のスペースを広げ、性能を向上させたのです。

誕生から50年。いざ、次の50年へ。

その後、新世代BOXERは進化と多様化を加速させていきます。FB型の優れた基本性能に、直噴ターボやハイブリッドシステムなどの先進テクノロジーを掛け合わせることで、限りないポテンシャルを発揮し始めたのです。2012年には、BOXER初のFRパワートレーン採用となる「SUBARU BRZ」を発売し、続いて直噴ターボ“DIT”エンジンを開発して「レガシィ」に搭載。2013年には、新世代BOXERとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを開発して「SUBARU XV HYBRID」に搭載。2014年に発売した「レヴォーグ」搭載の1.6ℓインテリジェント“DIT”は、新時代のダウンサイジングターボエンジンとして注目を集め、平成26年度日本燃焼学会「技術賞」を受賞しました。そしてBOXER誕生から50年を迎えた2016年には、NAエンジンとしては初の直噴化となる2.0ℓ直噴自然吸気エンジンを、5代目の新型「インプレッサ」に搭載。2.0ℓ排気量の従来型自然吸気エンジン比で約80%の部品を刷新して軽量化を実現し、出力と燃費の向上を両立させました。5代目「インプレッサ」はSUBARUの中期経営ビジョンで次世代モデルの第一弾に位置付けている戦略車。そこに搭載された直噴自然吸気エンジンは、SUBARU入魂の自信作です。しかしBOXERの進化が止まることはありません。SUBARU BOXERは次の50年に向けて、これからも誰も走っていない道を走り続けます。

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