仕事は違っても、「笑顔をつくる」という想いでつながる「SUBARUびと」。様々な部署で働く「SUBARUびと」を、仕事内容や職場の雰囲気を交えてご紹介します。
今回は、技能五輪で得た学びを仕事の礎とし、改善活動や人財育成を通じて強い組織づくりに取り組む井上さんに、その原点となった経験や、班長としての想いを聞きました。
第二製造部 第三ペイント課
2007年に入社。技能五輪全国大会(以下、技能五輪) ※1の金属塗装職種の選手として訓練に取り組んだ後、第三ペイント課で磨き工程、修正工程などを経験。2022年から班長を務め、班員との対話を大切にしながら、改善活動と人財育成に取り組んでいる。
- ※1 原則23歳以下の青年技能者が職種ごとに技能レベルを競う国内最大級の技能競技大会。優れた技能の継承や技能水準の向上を目的に開催されている。SUBARUでも選抜試験を通過した若手社員が代表選手として訓練に取り組んでいる。
技能五輪で学んだ、周囲から吸収する姿勢が仕事の礎に
私は2007年にSUBARUへ入社し、技能五輪金属塗装職種の選手選考を経て、日本一を目指す代表選手として2年間訓練に取り組みました。その経験が、現在も大切にしている考え方の礎になっています。
当時の私は、訓練に励むうちに、「自分のやり方が一番だ」と考えていました。しかし、訓練の一環で町工場の研修に参加し、社外の職人の皆さんの技術に触れたことで、自分にはない工夫や考え方が数多くあることを知りました。
以来、周囲と積極的に関わりながらそれぞれの良いところを吸収し、自分の成長につなげようと考えるようになりました。技能五輪では入賞には届きませんでしたが、この経験は今でも私の仕事の原点になっています。
技能五輪の選手を卒業した後は、自動車の生産ラインで塗装後のクルマのボディに付着した異物を機械で除去する磨き工程経験し、その後、ライン外で異物や欠陥を手直しする修正工程の研修生になりました。
磨き工程では教わったことを正確に実施することを意識していましたが、修正工程では状況に応じた判断が求められる場面が多くありました。だからこそ、「成長する機会を与えてもらっている」と感じ、自分で考えながら行動することを意識するようになりました。周囲から学び、自分なりに工夫を重ねる中で、「井上なら安心して任せられる」と言っていただく機会も増え、自身の成長を実感しました。
「作業者ファースト」で、一人ひとりが力を発揮できる職場へ
現在は修正工程の班長を務めています。班長になってから強く意識するようになったのは、「仕事は一人では成り立たない」ということです。班員一人ひとりが力を発揮して、初めて成果につながります。そのため私は、班員が働きやすい環境を第一に考える「作業者ファースト」という考え方を大切にし、誰もが意見を言いやすい職場づくりに取り組んでいます。
私自身、上司が積極的に声を掛けてくれたことで助けられた経験があります。その姿をお手本に、20人を超える班員全員と一日一回は会話をすることを心掛けています。朝会や作業の合間に声を掛け、仕事のことだけでなく、日常の何気ない話をすることもあります。そうした会話の積み重ねによって、班員から自然に報告や相談をしてもらえるようになり、業務改善の提案も増えてきました。
改善提案を受けた際には、内容の大小にかかわらず必ず感謝を伝えています。さらに、班のミーティングでも提案者を紹介するようにしています。私自身、周囲から認められたと感じたときに、自身の成長を実感できた経験があります。同じように、班員にも自分の取り組みが組織に貢献していると感じてもらいたいと思っています。
また、一人ひとりが主体的に行動できるようになるためには、小さな成功体験の積み重ねが大切だと考えています。まずは挑戦しやすい課題に取り組んでもらい、できたことをしっかり認める。そして少しずつ新しい経験や難しい課題に挑戦してもらう。その繰り返しが自信につながり、自ら考えて行動する力を育てていきたいと考えています。
私が目指すのは、自分がいなくても回る強い組織
私は長年、第三ペイント課のさまざまな班を経験してきました。その経験から、頼ってもらえることも増えました。一方で、私が目指しているのは、自分がいなくても班として力を発揮できる組織です。
そのために力を入れているのが改善活動です。活動を通じて、私が培ってきた技能やノウハウをできる限り班員へ伝えたいと考えています。班員一人ひとりにはそれぞれ強みがあります。そこに経験や知識が加われば、私以上の力を発揮してくれるはずです。
一人ひとりが自ら考え、行動できる人財へ成長することで、組織全体の力はさらに高まり、生産性向上にもつながっていくと思います。
実際に改善活動は活発になっており、2025年度には、班員が主体となって進めた改善活動が社内表彰で優秀賞を受賞しました。評価されたこともうれしかったですが、班員が主体となって取り組みを進めていたことに成長を感じました。
これからも班員一人ひとりと向き合いながら、それぞれの可能性を広げ、より強い組織づくりにつなげていきたいと思っています。
周囲から学び、一人ひとりの力を引き出しながら、より強い組織づくりに挑む「SUBARUびと」。ぜひ、次回のコラムもご期待ください。