SUBARUSUBARU 運動部

【選手紹介】SUBARU最強ランナー清水歓太 ライバルの背を追い続けて

今季絶好調のSUBARU。それを象徴する選手と言えば、清水歓太選手です。力強く地面をける、野性味あふれる走りが魅力の清水選手は、5000メートルで日本歴代14位(2021年9月当時)/10000メートルを100秒短縮/SUBARU記録を独占 と、大健闘しています。

大きな期待がかかる、絶好調の清水選手

 

そんな清水選手には、背中を追い続けたライバルがいます。それは、同じ群馬出身で同学年の塩尻和也選手(伊勢崎清明高校→順天堂大学→富士通)。「いつかは追いつきたいと思っていた」。その思いが、清水選手の成長の原動力となりました。

 

|高校時代から競り合う

塩尻選手とは高校時代、高校駅伝県大会の1区(10・0キロ)で他のランナーを大きく離して二人で競り合ったレースが、今でも群馬県内での語り草になっています。このレースは前半からガンガンと攻める塩尻選手と清水選手で飛び出しました。中盤で清水選手は塩尻選手に離され、16秒差の2位でたすきをつないでいます。

 

|相手はオリンピアンに

そんな群馬県を代表する選手だった二人。ところが大学入学後、二人には徐々に力の差がついていきます。塩尻選手は3000メートル障害でリオ五輪に出場、2017年にはユニバーシアード10000メートルで銅、2018年にはジャカルタでのアジア競技大会3000メートル障害で銅メダル。箱根駅伝でも大活躍と、日本を代表する選手へと駆け上がっていきます。

 

一方、清水選手は早稲田大学時代、自己ベストをなかなか更新できず、記録の面では伸び悩む日々が続きます。オールラウンダーとして輝くライバルに水をあけられる格好となってしまいました。

 

|冷静にトレーニング

加えて昨年、SUBARUはニューイヤー駅伝出場の切符を逃しました。清水選手はニューイヤーに出ることさえできなかった一方で、塩尻選手は5区を走り、1位でたすきを受け取るとそのままトップを保って6区にたすきをつなぐ快走を見せ、富士通の優勝に貢献しました。

 

「心の底から悔しかった」と振り返る清水選手ですが、そこで、腐るのでも、焦るのでもなく、気持ちはホットに、頭はクールに、次の行動に向かいました。

まず、基本に立ち返って動作を見直す地味なトレーニングを根気よく続けるとともに、食事を見直しました。

また、この練習は何のためにやるのか。目的を達成するためにはどれくらいやればいいのか――と、目的意識を持つことを徹底。時には思い切って休息するなど、ムダなく適度な練習を追求した結果、ケガすることなく、記録が伸びていきました。

こうして清水選手はSUBARUのみならず、日本のトップレベルにまで上り詰めていきます。

この清水選手のひたむきさは、後輩の新人・森選手が「レースのたびに結果を出し続けていることは誰もが納得、です。自分も歓太さんの姿から『継続は力なり』を学んでいます」と話すほどでした。

 

|高校以来の直接対決!

今年11月の八王子ロングディスタンス10000メートルで、そんな二人の直接対決が実現します。同じ組で走るのは実に高校以来。力を付けてきた清水選手は「ついにこの時が来た。今年の俺なら今度こそ勝てる」と意気込み、スタートラインに立ちました。

レースがスタートすると、高校駅伝の時と同様、塩尻選手が先頭を引っ張りました。清水選手はその背中にしっかりと食らいつきます。

「レースの最初から、塩尻をとても、とても意識した。ゴール直前で彼の背中がすぐ目の前にあった。最後は持てるだけの力を全部振りしぼり、夢中で背中をとらえた」と清水選手。

塩尻選手をフィニッシュライン直前で追い抜き、0・14秒先着しました!

このレースのタイムは二人そろって自己べスト更新、さらに塩尻選手が大学生の時に樹立していた群馬県記録を清水選手が塗り替えました!

 

これには後日談もあります。12月のレースで、今度は塩尻選手が清水選手の5000メートルの自己ベストを上回ったのです(13分16秒53)。清水選手の闘争心はさらにかき立てられた状態で、1月1日を迎えようとしています。

 

|群馬が生んだ高速ランナーが

 1月1日に地元を盛り上げる!

清水選手は学生時代から、意識しているランナーを尋ねられると、塩尻選手の名前をあげていました。ただ、相手のすさまじい成長に「ライバルとして名前を挙げるなんて恥ずかしいのではないか」という考えが頭をよぎったことは一度ではありません。それでも、自ら揚げた旗を降ろすことはできないというプライド、ライバルと言うのをやめた時点で自分の中で負けを認めるという思いがあり、ライバルと言い続けました。

 

清水選手の今シーズンの快走は、塩尻選手という同い年のすばらしいライバルがいたこと、そして、差がついてしまったときにも、前向きな気持ちを持ち続け、ひたむきに努力し続けた、清水選手の強く明るいマインドがあったからに他なりません。

偶然にも、塩尻選手の所属する富士通は2020年のニューイヤー駅伝出場を逃した後、2021年で復活優勝を遂げました。SUBARU同様、敗戦を経験したチームなのです。

「SUBARUも、富士通のように『くやしさをばねにした』と思ってもらえるような良い走りをしなければと思いますし、自分としては塩尻選手のような存在に勝ってやるぞ、というのが競技生活のモチベーションになってきました。ニューイヤー駅伝でもライバルに負けない気持ちで、応援してくださっている群馬のファンたちに良い結果で恩返ししたいです」と清水選手は語ります。

群馬が生んだ清水選手と塩尻選手。ライバル同士の2人は、2022年1月1日、地元で最高の走りを見せてくれるはずです!