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平成11年1月13日

ご参考

21世紀に向けた環境への取り組みについて

 当社は、これまでも種々の環境への取り組みを行ってまいりましたが、21世紀に向けた取り組みとして下記のものをご紹介いたします。

1. 製品開発、技術開発を通じての環境への取り組み

(1) 直噴エンジンの開発と市場導入

 平成13年に、シリンダー内に直接ガソリンを噴射する筒内噴射システムをもつエンジン(直噴エンジン)を市場導入する計画です。

 この直噴エンジンは、排気量2.5L水平対向4気筒で、当社にとりまして初めてであるだけでなく、水平対向エンジンとしても初めてのものとなります。当社では、最初に国内市場向けのSUV「フォレスター」に搭載し、順次展開を拡大していきつつ、排気量の種類も拡充していく予定です。

 当社では、かねてより、直噴エンジンの実用化に向けその研究・開発に努めておりましたが、この直噴エンジンは、従来のエンジンと比較し、部分負荷時での超リーンバーンを可能とする成層燃焼と、高負荷時の均一燃焼を組み合わせることにより、大幅な燃費性能の向上と排出ガス浄化性能向上の両立が図られています。また水平対向エンジンの特徴であるビッグボアを活かした、インジェクターの理想的なレイアウトと、十分なバルブサイズとコンパクトな燃焼室により、高い出力性能を確保しています。

(2) ハイブリッド車の開発と市場導入

 平成13年に、エンジンと電気モーターを組み合わせて走るハイブリッド車を市場導入する計画です。

 このハイブリッド車は、当社の軽乗用車「プレオ」にそのシステムを塔載するもので、軽自動車としては初めてのものとなります。排気量660ccの直列4気筒エンジンと電気モーターの組み合わせで、通常エンジンを中心に走行しながら、蓄えた電気でも駆動できる「パラレル方式」を採用いたしました。

 当社では、平成7年と平成9年に開催された東京モーターショーにもハイブリッド車を出展してまいりましたが、このハイブリッド車は、軽量・コンパクトである軽自動車がベースであるメリットを活かし、また当社独自のi-CVTをトランスミッションに採用することにより、従来方式の50%増程度の大幅な燃費性能の向上を可能としており、21世紀初頭の理想のタウンカーとして提案いたします。


2. 工場運営における環境への取り組み

(1) ゼロ・エミッション工場の実現

 平成13年度末までに主力製作所から排出される廃棄物の社外処分量をゼロレベルまで削減(ゼロ・エミッション)する活動に取り組みます。

 廃棄物の社外処分量をゼロレベルまで削減する取り組みを行うのは、自動車部門の群馬製作所(群馬県太田市他、花田 輝夫専務取締役群馬製作所長、4工場)と航空宇宙事業部門の宇都宮製作所(栃木県宇都宮市、中坪 博之取締役宇都宮製作所長、3工場)の2製作所。

 現在、両製作所においては、それぞれ約1,700t(群馬製作所、平成9年度)、約1,900t(宇都宮製作所、平成9年度)あった廃棄物の社外処分量をいかに平成13年度末にゼロレベルとするか具体的な検討を重ねている段階です。


3. リサイクルへの取り組み

(1) 使用済みバンパーの全国での回収体制を構築

 平成12年度末までに全国での使用済みバンパーの回収体制を構築いたします。

 当社は、これまで関東・関西地区での回収体制を構築しておりますが、平成11年度で甲信越・中部・北海道地区、平成12年度には、残る中国・四国・九州・東北地区へ展開を拡大し、全国の回収体制を構築いたします。

 当社の回収システム(注)は、基本的に各地のスバル特約店が設置する回収拠点に集められたバンパーを、軽貨物車「スバル サンバー」を使用する全国赤帽軽自動車運送協同組合(堀籠 俊至(ホリゴメ タカシ)会長、東京都千代田区)加盟会員各社の「赤帽車」が回収するというものであり、そのシステム全体を当社の関係会社で完成車の輸送を行うスバル物流(株)(早藤 善雄社長、群馬県邑楽郡大泉町)が管理・運営いたします。また回収にあたっては、外注板金業者からの回収も行い、全回収拠点にバンパー専用パレットを設置、軽貨物車を使用する「赤帽車」で集荷するといった方法をとっています。これらにより、1. 回収本数の増加と 2. 保管本数と回収頻度の最適化、そして 3. 回収規模に見合った効率的な運用を特徴としています。

 全国レベルでの使用済みバンパーの回収体制の構築により、当社では約4,700本/月の使用済みバンパーの回収を可能とし、リサイクルを更に推進することになります。

  当社は、平成5年1月より東京・神奈川地区で使用済みバンパーの回収を実施、平成9年10月には関東全域に回収地域を拡大し、平成10年11月には関西地区での回収体制を構築しています。そして、これまでに約61,000本(平成10年12月末)を回収しています。現在、回収された使用済みバンパーは、トランクトリムなどスバル車の16の内外装部品に活用しています。


注.赤帽車を用いた回収方法は関東地区を除く。
東京・神奈川地区は、日産トレーディング(株)(永渕秀夫社長、東京都港区)との共同回収。また、東京・神奈川地区以外の関東地区は、スバル物流が直接回収している。

以上

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