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平成11年10月13日

東京モーターショー出展概要

 富士重工業(田中 毅社長)は、第33回東京モーターショーにおいて、独自の「スバル4WDシステム」を核として、「走り」「安全」「環境」の3項目を中心に、スバルの21世紀に向けた取り組みをアピールする。

 同社は、「走り」こそ車のもつ最も基本的な機能であり本質的な魅力であると考え、「安全」や「環境」へも配慮しながら、「走りの愉しさ」を追求したクルマづくりを行っている。そして21世紀に向け、定評ある「走り」と「安全」を更に熟成させるとともに、「環境」への対応を一段と進めるべく、様々な技術開発に取り組んでいる。今回のモーターショーでは、走りとスペースユーティリティを高次元でバランスさせるとともに、軽量化技術を駆使して環境への対応を図った次世代グランドツーリングワゴン「FLEET-X」、独自のコンパクトなハイブリッドパワーシステムを搭載した新基準タウンカー「ELTEN CUSTOM」をはじめ、レガシィ、インプレッサ、フォレスター、プレオをベースとしたドレスアップカーや、同社が挑戦しつづける世界ラリー選手権(WRC)に関連した車両などを展示し、スバルが提案する様々なクルマと独自技術をアピールする。

 主な出品車は以下の通り。

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FLEET-X
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ELTEN CUSTOM
【スバルブース】
 
コンセプトカー ステージ/参考出品車
FLEET-X(フリート・エックス)
特 徴
1.走行性能、燃費性能、衝突安全性能のすべてを高次元で成立させた、充分なスペースユーティリティを持つグランドツーリングカーの理想形としての次世代ワゴン。
2.徹底的に軽量化を図り、運動性能と燃費性能をともに向上し、「走りの愉しさ」と、排出ガスの低減などの環境対応を両立。
3.高い走行性能やスペースユーティリティとともに、衝突安全を向上するクラッシュストロークの確保にも寄与する、コンパクトな新開発パワーユニットを搭載。
4.全長を短縮しながらもロングキャビン化を図るとともに、前席と同じシート形状の後席など、大人4人が快適にロングツーリングを楽しめる居住空間を確保。
 
主な搭載技術
1.車体の構造や部材の役割に応じ、スチール、アルミ、樹脂といった様々な材料を複合して使う独自の「マルチマテリアル技術」により大幅な軽量化を図り、運動性能や燃費性能をともに向上し、「走りの愉しさ」と環境対応を両立。
外板パネル面にはアルミ、リアクォーターガラスとリアゲートガラスには樹脂ガラス、ボディの骨格部にはスチールを採用したほか、サスペンション、プラットフォーム、インテリアなどにも、求められる機能に最適な性能を発揮する素材を選択して採用。
車両重量は、レガシィ ツーリングワゴンGT-VDCに対して、30%軽量化。
素材選択や構造設計にあたっては、廃棄時の分離のしやすさなどを考慮し、リサイクル性を向上。
2.前後長を短縮した新開発BOXER4気筒エンジンを採用し、重量バランスの向上による軽快なハンドリング、居住スペースの拡大による快適性の向上、充分なクラッシュストロークの確保による衝突安全性の向上を実現。
平成12年度排出ガス規制値から、更にNOx*、HC*を50%低減し、J-LEV*の基準をクリア。
3.車重に合わせた専用の大径細幅タイヤを開発・採用し、コーナリング性能を犠牲にすることなく軽量化と空気抵抗の低減を実現。
*NOx:窒素酸化物。
*HC:炭化水素。水素と炭素だけを含む化合物の総称
*J-LEV:環境庁の低公害車排出ガス技術指針における「低排出ガスレベル」。
ELTEN CUSTOM(エルテン カスタム)
特 徴
1.独自のハイブリッドパワーシステムを搭載し、スバルならではの、きびきびとした走り味と、タウンカーとしてバランスのとれた全高、必要最低限の全長や全幅、全方位にわたる良好な視界などを組み合わせ、扱いやすさを徹底的に追求した新世代タウンカー。
2.「愛着と豊かさ」をコンセプトとし、スバル360のバリエーションであるスバル360カスタムに通ずる曲面を多用した存在感の有るフォルムを採用。
コンパクトカーならではの愛らしさ、スポーティな雰囲気、居住性を高次元で成立。
3.バッテリーを後席床下にコンパクトに収納し、大人4人がゆったり座れる空間と、段差の無い広いカーゴスペースを実現。
機能とデザインを両立させたインストルメントパネルと新鮮な色使いのシートやトリムにより、愉しさと豊かさが感じられるようにコーディネイトされたインテリア。
 
主な搭載技術
1.SHPS(スバル・ハイブリッド・パワーシステム)
エンジンを主動力とするパワーユニットで、シリーズモード、パラレル・アシスト、減速エネルギー回生、アイドル停止、停車時発電といったハイブリッド機能をコンパクトに実現。
エンジン、トランスミッション、インバーター、バッテリーの各システムが持つ個別のECU*とSHPS全体を統合制御するECUの組み合わせにより、あらゆる状況下において、エネルギー効率を最適化するとともに、ドライバーの意思に忠実に駆動力を制御。
エネルギー補給はガソリン給油のみで、外部充電は不要。
10・15モード燃費33.0Km/Lの低燃費により燃料消費とCO2排出を迎えるとともに、平成12年排出ガス規制値からNOx、HCを50%削減し、J-LEVの基準をクリア。
 
エンジン
電子制御スロットルを備えた高効率のガソリンSOHC4気筒658cc。
駆動用&発電用モーター
永久磁石型同期モーターでトルク分割機構を経てエンジンとCVTに直結し、シリーズモード、パラレル・アシスト、減速エネルギー回生、アイドル停止、停車時発電のハイブリッド機能を実現。
ニッケル水素バッテリー
大量生産技術の確立による高い生産性や、安全性、充放電時の出力密度の高いバランスを持つバッテリーを、後席床下部にコンパクトに収納。
インバーター
駆動用&充電用モーターのコントローラーとして、回転数やトルクを、正/逆転、駆動/回生を含めて綿密に制御。IPM*を採用し、小型、低コスト、高信頼性を高次元で達成。
*ECU:Electronic Control Unit 電子制御装置。
*IPM:Intelligent Power Module モーター駆動に必要な素子などを複数個内蔵し、 保護回路、制御回路までひとつのパッケージに収めたもの。
発進・加速時の制御>
エンジンで発電された電力を用い、駆動用モーターで発進に必要な駆動力をコントロール。(シリーズモード)
バッテリーに蓄えられた電力を用い、駆動用モーターで加速時にエンジンをアシスト。(パラレル・アシスト)
定常走行時の制御>
エンジンを効率の良い領域で運転し、余剰エネルギーを発電用モーターで回収し、バッテリーに充電。
減速時の制御>
エンジンを低回転化あるいは停止させ、駆動用モーターで減速エネルギーを回収し、バッテリーに充電。(減速エネルギー回生)
停車時の制御>
車両が駐停車している場合はエンジンを停止。(アイドル停止)
バッテリーの充電状態が不充分な場合は、エンジンを停止せずに発電用モーターを駆動してバッテリーに充電。(停車時発電)
 
スバルチャレンジ ステージ/参考出品車
インプレッサWRC '99
スバルのモータースポーツのイメージリーダーであり、WRCにおいて快進撃を続けるインプレッサWRカーを展示。今シーズンのWRCのハイライトシーンを映像でご紹介するとともに、スバルのモータースポーツへの取り組みを解説。またWRC快進撃の源である、WRCマシン用パワーユニットも展示。
インプレッサWRX STi ELECTRA ONE
スバルモータースポーツ活動の中枢であるSTIが、全てのノウハウを結集しデザインしたロードスポーツバージョン。大径ハイグリップタイヤと強力なブレーキシステムに加え、フロントエアダムスカート、リヤスポイラーなど、最新の空力理論を採り入れたエアロパーツを装着。 ロードスポーツとしての性能を大幅に向上。
 
その他の参考出品車
レガシィツーリングワゴン SUPER RFRB II
GT-B E-tuneをベースとした、次世代のデザイントレンドに沿ったモデル。スバルのニューコンセプト・パーツブランド「RFRB」による、シンプルでかたまり感のあるデザインの前後バンパー、ルーフの流れを強調するエアロレール、ルーフエンドスポイラー形状、大型フレアのホイールアーチなどが、レガシィの持つ機能美をいっそう強調。
レガシィB4 BLITZEN
フロント&リヤバンパー、サイド&リヤスポイラー、17インチアルミホイールなどのエクステリアパーツを、工業デザイン界で孤高の座に君臨するポルシェ・デザイン社とスバルが共同開発。 B4の圧倒的なパフォーマンスを、スポーツセダンの一級品と呼ぶにふさわしい洗練されたフォルムで表現。“BLITZEN”はドイツ語で「稲妻のように走り過ぎる」の意。
レガシィランカスター ATIPAL
“大人の少年誌「ラピタ」”とのタイアップで完成した「大人の隠れ家」仕様車。カーゴルームにはどんな場所でもくつろぎを提供する専用木製テーブルとチェア、そしてマッキントッシュと共同開発した専用オーディオを装備。さらに趣味の小物を収めた3タイプのホビーボックスが装着可能。ステレオ画像認識を用いたドライバー支援システムであるADA(Active Driving Assist)が安全で快適なロングツーリングを支援。
フォレスター AERO SPEC II
1996年のフォレスター24時間耐久世界速度記録挑戦車両のイメージを再現したオンロードSUV。 エアロパーツは高速走行時の安定性を重視し、車体の浮力を抑えて路面に吸いつくような走りを実現するとともに、低く身構えるようなスポーティな雰囲気を演出。
プレオ AERO STREAM
空気を切り裂くような、野性的で引き締まったエアロパーツを装着。さらに車体色を硬質感あるシルバーで統一することにより、スポーティなイメージをいっそう強調。内装にはブルーとイエローのコンビレザーを使用し、スポーティーな中にも軽快感のあるイメージを演出。
プレオ NICOT
ガソリンエンジンに比べ、排出ガス中の有害物質とCO2を大幅に削減したCNG(圧縮天然ガス)エンジンを搭載する、環境に優しいタウンミニ。微笑ましいフェイスデザインとチャーミングなイエローのボディカラーを採用。
プレオ ウイングシート(量産車出品)
プレオをベースとした、在宅介護に最適なトランスケア。簡単なレバー操作で助手席が回転し、リモコン操作により座ったままでスムースな昇降ができる「電動リフトタイプ」。リヤシートを倒せば車椅子も収納可能。
 
その他(量産車出品)
レガシィ ツーリングワゴン GT-B E-tune    フォレスター S/20 Limited
レガシィ B4 RSK プレオ ネスタ RG
インプレッサ WRXtypeR STi Version VI ディアス ワゴン クラシック
インプレッサ スポーツワゴン C'z SPORT   
 
【電気自動車館】
 
参考出品車
サンバーEV
今年フルモデルチェンジした新規格サンバーのパッケージングを活かした電気自動車。永久磁石式同期モーターにシール型バッテリーを組み合わせて、AT車と同等の運転感覚と110Kmの航続距離を確保。またバッテリーを床下に収めることで、優れたスペースユーティリティを実現。

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