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平成10年6月8日


ステレオ画像認識による低高度対地高度計を開発
高性能大型無人ヘリコプター「RPH2」に搭載

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 富士重工業(田中 毅社長)の関係会社で、自動車、鉄道車両、航空機等の研究開発などを行うスバル研究所(佐伯 信正社長)(注)は、このたび、無人ヘリコプターなどの搭載に適した低高度対地高度計を開発した。

 今回開発に成功した低高度対地高度計は、同社がこれまで自動車用に開発してきたステレオ画像認識による距離計測技術を応用、実用化したもの。これまでの対地高度計と異なり、ステレオ画像認識を用いたものとしては世界初となる。

 この高度計は、地上に向けた2台のCCDカメラから得られる画像情報を0.2秒ごとに演算処理し、地表までの垂直距離を算出、その距離情報をアナログ出力するもので、農地や荒れ地などの上空を低空で飛行し農薬散布などを行う無人ヘリコプターの高度計として最も適している。

 これまで、低空飛行時の高度計にはレーザー、電波、あるいは超音波を利用したものが用いられているが、これらの高度計は対象物からの反射波の遅れ時間を「点」で計測しているため、地表面に立木などがあると、これが誤差要因となり、地表面からの高度を精度良く計測できないという難点があった。これに対し、スバル研究所が今回開発した高度計は、画像により地上の状況を「面」で判別するため、立木のあるような場所でも地表から20mまでの範囲で対地高度を正確に計測できるという特長を持っている。

 富士重工業では、この低高度対地高度計を現在開発中の高性能大型無人ヘリコプター「RPH2」に採用し、飛行時の対地高度を検出し、農薬散布時などの高度保持飛行制御に使用する予定。

 なおスバル研究所では、今回の技術内容を6月10日から12日までパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で行われる「第4回画像センシングシンポジウム」で発表し、併設される「’98画像センシング展」に出展する。

注.株式会社スバル研究所・・ 代  表:佐伯 信正(さえき のぶまさ)
所 在 地:東京都三鷹市大沢3-9-6
電話番号:0422(33)7400(代)
設立年月:昭和64年1月
資 本 金:300百万円(富士重工業100%出資)
事業内容:自動車、鉄道車両、航空機等の技術開発、設計、製造、およびそれに関連する生産技術の研究開発


【主な特長】

  1. 小型CCDカメラや高集積度FPGA(注)を採用し、軽量でコンパクト。
2. ステレオ画像方式での計測のため、地表面の状況、物質に関係なく精度の高い計測が可能。
3. 特に低高度で精度が高く、低高度での計測に適する。
(高度0.5mで±1.5mm、5mで±0.15m)
4. リアルタイムで0.2秒ごとの計測が可能。
5. 高度分布を検出しているため、起伏面や段差のあるところでの使用も可能。
 
   注. FPGA(Field Programmable Gate Alley)・・書換可能なLSI


【高度算出の流れ】
 
1. 2台のCCDカメラにより地表面を見た二つの画像(基準画像、比較画像)を得る。
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2. ステレオマッチング手法により基準画像、比較画像の視差を求め、画像全域にわたって距離分布を得る。
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3. 特異点除去フィルタにより、ミスマッチングした データの除去、平滑化を行う。
 
4. 残った距離分布の中からレンズ歪みを補正しながら地表面を近似する。
 
5. 近似した平面のプロフィールから垂直高度を計算する。


【主な仕様】
 
形  状 カメラ一体型
寸  法 214×260×133mm
重  量 2.9kg
サンプリングレート 5Hz
耐環境性 -10~55℃(動作時)
測距レンジ 0.5~20m
測距分解能 0.1m
測距精度 0.3%/0.5m~6%/10m
データ出力 アナログ電圧(1v/m)
電源電圧 8~18V
消費電力 20W以下
出力電流 5mA MAX

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