2009年5月8日

富士重工業 2008年度連結業績の概要

<2008年度業績:売上高>

 スバルの国内販売は新型車エクシーガ、デックスの導入による台数増がありましたが、レガシィとインプレッサ、軽乗用車が下期以降の経済状況悪化の影響などにより大幅な台数減となり、販売台数は前年同期比85.7%、179千台となりました。一方、海外販売は、上期に中国、ロシアなど新興国を中心にすべての市場で前年実績を上回りましたが、年度後半の世界的な景気後退により第4四半期の落込みが第1~3四半期までの拡販を上回り、販売台数は同97.1%の377千台となりました。
 国内、海外を合わせた世界販売台数は同93.1%の555千台で、急速な円高も加わりスバル自動車部門は減収となりました。
 また、航空宇宙部門がボーイング社向けの生産機数の減少やエクリプス社の経営破綻により減収となり、産業機器部門も世界同時不況の影響による国内外での販売台数減少により減収となりました。
 全体では、前年同期比92.0%、1,266億円の減収となる、1兆4,458億円の売上となりました。

<2008年度業績:利益>

 営業利益は原価低減や試験研究費の効率的活用に努めたものの、国内販売の減少や海外販売の車種構成の悪化に加え、年間を通じた米ドル安や年度後半の急激なユーロ安による為替レート差、さらに鉄鋼や貴金属、原油市況の高騰による原材料高、新型車導入による固定費の増加など減益要因が大きく、合計では58億円の損失となりました。
 経常利益は為替予約の影響により46億円の損失となり、当期純利益は航空宇宙部門の取引先であるエクリプス社の破綻に関連する特別損失などを計上、さらに今後の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の取崩し394億円を行うことなどにより、699億円の損失となりました。

<2008年度業績:その他>

 2008年度のフリーキャッシュ・フローは前年同期に比べ1,617億円減の△993億円、年度末の有利子負債は3,817億円と同771億円の増加、また、自己資本比率は33.8%となっています。

<2009年度計画>

 2009年度のスバル車販売は、引続き世界的に厳しい経済環境が続くと予想されるなかで、主力車種のレガシィのフルモデルチェンジを世界全市場で行いますが、業績に寄与するのは主に下期となるため、上期に想定される既存車種の販売減をカバーするにはいたらず、全体の通期売上高は前年実績を下回る1兆3,200億円を見込んでいます。
 また、鉄鋼、貴金属、原油などの原材料の高騰は終息してきたものの、今後の為替動向も不透明であることから、為替レートを1米ドル95円、1ユーロ125円を前提としたうえで、損益面では350億円の営業損失、400億円の経常損失を、また当期純損益については550億円の損失を予想しています。