2006年4月14日

富士重工業 インテリジェント ドライブ・アシストシステム
「SI-DRIVE(エスアイ-ドライブ)」を開発

富士重工業は、運転者と車とのコミュニケーションを通じ、走行性や環境性などへの意識を高めながら、様々な使用状況下において自らの用途に合わせて積極的に運転を愉しむことのできるシステム「SI-DRIVE(エスアイ-ドライブ/Subaru Intelligent Drive)」を開発した。

SI-DRIVEは、ベースとなるパワーユニット*の基本性能を向上させた上で、エンジンコントロールユニット(ECU)や、オートマチック(AT)車のトランスミッションコントロールユニット(TCU)に、運転者の要求に合わせた性能を実現する出力特性や制御パターンを複数設定している。
具体的には、市街地走行などの実用領域でスムーズかつ実用十分な出力特性を設定し、扱い易さと優れた実用燃費性能を実現する「Intelligent(I/インテリジェント)」、アクセル操作に忠実な出力特性とし、幅広い用途において快適かつスポーティな走行を愉しめる「Sport(S/スポーツ)」、アクセル操作の反応をより鋭敏に設定するとともに高回転域まで活用し、積極的な走りに対応する「Sport Sharp
(S♯/スポーツシャープ)」の3つの制御モードを持つ。運転者がモードを任意に切り替えることで、1台の車で3つの異なる走行性能を愉しむことを実現する。

*エンジンとトランスミッションをあわせた車の動力機構

また、SI-DRIVEの機能を効果的に表示し運転者と車のコミュニケーションを促進するインターフェイスとして、制御モードの的確な切り替えを可能とする「SI-DRIVEセレクター」、運転者に燃費走行を意識させる「ECOゲージ」、SI-DRIVEの稼動状況を総合的に表示する「マルチインフォメーションディスプレイ」を設定、さらにマニュアルトランスミッション車には「シフトアップインジケーター」も装備する。
運転者に燃費走行を意識させるディスプレイは、パワーユニットの制御や基本性能の向上との相乗効果で、従来の同型車に比べ約10%の実用燃費の向上(社内実測、「Intelligent」モード時)を達成している。

SI-DRIVEは、運転者と車との積極的なコミュニケーションを通じ、自らに見合った走り方を創造する愉しさを提供するシステム。単に、“速さ”だけでなく、1台の車で“幅広い走り”を愉しめる“人と車の知的なコミュニケーションツール”として、新たに提案するものである。
また、同社のコアテクノロジーであるSYMMETRICAL AWDなどとあわせて、同社の開発思想の一つである“様々な使用状況下において車を思い通りに操る愉しさ”という価値をさらに高めるものである。

なお、富士重工業では、2006年ニューヨーク国際自動車ショー(4月12日、13日プレスデー、4月14日~23日一般公開日)に、SI-DRIVEを搭載するレガシィセダン 2.5GT spec.B(北米専用車)を参考出品車として出展するほか、レガシィシリーズのターボエンジン車、および6気筒エンジン車に
SI-DRIVEを採用し、各市場において市販する予定である。

<各制御モードの特徴>

ECUに、専用の出力特性を持つ3つの制御モードを設定。これにあわせ電子制御スロットルやAT車のTCUを緻密に複合的に協調制御することで、各制御モードでそれぞれの特徴に際立った走行性能を実現。

「Intelligent」

エンジントルクの抑制、およびAT車ではトランスミッションのロックアップ制御などを変更。十分な出力を確保しながらスムーズな出力特性とし、特に、街中などの実用領域における扱い易さを重視した。また、「ECOゲージ」など運転者に燃費走行を意識させるディスプレイとの相乗効果により、優れた実用燃費を実現する。

「Sport」

自然吸気エンジンに見られるアクセル操作に対し忠実な出力特性とし、幅広い使用状況下において、快適な走りを実現する。

「Sport Sharp」

低回転域から高回転域までレスポンスに優れる出力特性とし、また、AT車ではシフトアップポイントの変更などにより、ワインディング路などでのスポーティな走行状況にも積極的に対応する。

<インターフェイスの特徴>

制御モードの切り替えを的確に操作できる「SI-DRIVEセレクター」を採用したほか、メーターパネル内に、SI-DRIVEの機能を効果的に表示するインターフェイスを充実させた。特に、燃費走行を運転者に積極的に促す「ECOゲージ」などのディスプレイは、運転者の燃費走行意識を高め、実用燃費の向上に寄与する。

「SI-DRIVEセレクター」

センターコンソール部に、1回の操作で各制御モードに的確な切り替えを可能としたSI-DRIVEセレクターを採用。ダイヤルを左に回すと「Sport」に、右に回すと「Sport Sharp」に、また、ダイヤルをプッシュすると「Intelligent」に切り替わる。

「ECOゲージ」

スピードメーター下部に、ECOゲージを設定。針が垂直下の位置を基準に、運転者の走行履歴から演算した平均燃費を上回ると針が右に振れ、燃費走行をしていることを積極的に表示。

「マルチインフォメーションディスプレイ」

平均燃費および瞬間燃費などの燃費情報などのほか、現在選択している制御モードの出力特性をイメージしたグラフで図示。また、そのグラフに沿って、現在のアクセル開度のレベルを表示するなど、運転者に、より的確に車両情報を提供する。

「シフトアップインジケーター(マニュアルトランスミッション車、Intelligentモード時)」

タコメーター内に、シフトアップインジケーターを設定。加速状態において、燃費走行に適したエンジン回転数に達するとインジケーターが点滅し、運転者にシフトアップ操作を促す。

■SI-DRIVE制御系統図(イメージ)

■各制御モード出力特性図(イメージ

* *各モードでの出力特性をイメージしたものです。また、アクセル開度により、各モードの出力特性は変化します。
(図は、アクセル開度を全開付近で維持した時のもの)

■SI-DRIVEセレクター

■マルチインフォメーションディスプレイ

■ECOゲージ