2006年2月6日

富士重工業 リチウムイオンキャパシタに関する技術を日本ミクロコーティングに供与

富士重工業は、このたび、リチウムイオンキャパシタに関する一連の特許の実施権を許諾する契約を日本ミクロコーティングと締結した。

※日本ミクロコーティング株式会社(東京都昭島市武蔵野3丁目、代表:渡邉 信義)、JASDAQ上場<証券コード5381>

今回の契約は、日本国内外において富士重工業が供与する技術を用いて、キャパシタの研究や開発、試作、製造、使用、販売などの非独占的な権利を有償で得られるというもの。契約期間は5年で、日本ミクロコーティングは技術指導も受ける予定。

富士重工業が開発したリチウムイオンキャパシタは、従来のキャパシタの特長である大容量の電気を瞬間的に充放電できることや耐久性の高いことを生かしながら、あらかじめ負極にたくさんのリチウムイオンを吸蔵させる“プレドーピング”とよぶ独自技術によりエネルギー密度を飛躍的に増大させた大容量キャパシタ。昨今大容量化のために電気二重層キャパシタにおいて開発の進んでいる新材料を使用した正極とリチウムイオンキャパシタの技術を組み合わせると、さらに大きなエネルギー密度を得ることが可能となり、応用範囲は飛躍的に拡大する。

日本ミクロコーティングは、独自のコーティング技術をもち、ポリッシングフィルムの製造をはじめ、シリコンウェハーのエッジ研磨、ハードディスクのテクスチャー加工、薄型テレビ画面に使われる高機能フィルムのコーティングなど、微細な表面コントロールシステムを提案している企業として知られている。この技術を応用してリチウムイオンキャパシタの独自の集電箔に電極材料を高精度でコーティングする技術を開発、2002年より富士重工業からリチウムイオンキャパシタ用の電極製造を受託していた。

リチウムイオンキャパシタは、将来ハイブリッド車への搭載や自動車用鉛電池の代替、加えて自動車分野以外の民生機器・産業機器需要に応える可能性をもっており、日本ミクロコーティングは、今後、電極製造を基盤にキャパシタセルの製造に取り組み、キャパシタ市場への新規参入とリチウムイオンキャパシタの量産化を目指す。
また、富士重工業は、スバル車への適用開発も視野に入れ、今後も他社の協力を得ながら、リチウムイオンキャパシタの研究開発を推進していく。