平成17年9月2日
東京電力株式会社
富士重工業株式会社

東京電力用業務用電気自動車の共同開発の開始について
~「スバルR1e」をベースに業務用EVを開発~

東京電力株式会社と富士重工業株式会社は、このたび、東京電力の業務車両に適した電気自動車(以下、EV)の共同開発を行うことといたしました。両社は、本日より約1年間で、富士重工業が開発を進めているEV「スバルR1e」をベースに試作車を10台設計・製作するとともに、実際に東京電力の業務で活用することにより、実フィールドにおいて性能や経済性を検証してまいります。

CO2をはじめとする温室効果ガスの削減が求められる中、特に運輸部門においては、2003年度のCO2の排出量が1990年度比19.8%増加するなど、排出ガスの削減に向けた具体策が急務となっております。
一方、東京電力においては、環境指標として、車両燃費の削減目標(注1)や低排出ガス車の導入目標(注2)を掲げ、達成に向けて全社をあげて取り組んでおります。
こうした中、環境に優れた系統電力の強みを持つ東京電力と、EV搭載に適したリチウムイオン電池(注3)の性能向上によりEVの製造・販売を目指す富士重工業は、共同で東京電力の業務車両に適したEVの開発に取り組むこととしたものです。

具体的には、富士重工業が開発を進めているEV「スバルR1e」をベースに、東京電力の業務車両として、軽自動車で一日の走行距離が80kmなどの仕様を満足する10台の試作車を共同設計・製作いたします。その後、東京電力の支社等に実際に試作車を配置し、日常業務における路上走行試験等を通じて性能や経済性を確認するとともに、最適な電池搭載量を検証し、EVの軽量化、低価格化を目指します。
さらに、東京電力の取り組みとして、これまで蓄積してきた充電技術をいかし、15分で約80%まで急速充電できる充電器の開発をあわせて行います。

東京電力では、このたびの共同開発の結果を踏まえ、保有する約8,300台の業務車両のうち、1,500cc以下の小型車で大量の荷物の運搬がなく、一日の走行距離が80km未満の約3,000台を対象に、平成19年度以降のEVへの転換の可能性についても、あわせて検証してまいります。
なお、仮に約3,000台規模の業務車両がEVに転換すると、CO2排出量で年間約2,800tの低減効果(注4)とともに年間約1.9億円の燃費削減効果(注5)が期待できます。

富士重工業は、EVの普及を進めるにあたり、企業の業務車両は有望なマーケットとなると想定しており、東京電力における業務車両としてのニーズを正確に捉えることによりノウハウを蓄積し、東京電力以外の企業への展開も図るとともに、広くEVの普及に努めてまいります。

以上

(注1)車両燃費の削減目標

2005年度の自社用資源消費量の削減目標として、車両燃費を2000年度(0.112L/km)比で20%削減することを設定。2004年度実績(0.098 L/km)は13%削減となっている。

(注2)低排出ガス車の導入目標

車両交換時に全て低排出ガス車を導入することにより、2010年度の低排出ガス車(国土交通省認定の低排出ガス車、電気自動車、ハイブリッド車など)導入率を100%とする目標を設定。2004年度実績は51%となっている。

(注3)リチウムイオン電池:

充放電では正極と負極の間をリチウムイオンが移動するだけで、電極や電解液は化学反応を行わないため、他の電池に比べて寿命が長いのが特徴。
蓄積できるエネルギー量が多いことや大きな電流を流せる特性から、EV搭載用に期待されている。価格が高いことが課題であったが、携帯電話やノートパソコンなどの電源として近年著しい伸びを見せた結果、小型の電池については価格が低下してきている。
今回、使用を計画しているNECラミリオンエナジー社の電池は、正極へのマンガンの使用によって安全性を高めていることに加え、寿命が長いことが特徴である。

(注4)CO2の年間約2,800t低減の試算値

センターコンソール部に、1回の操作で各制御モードに的確な切り替えを可能としたSI-DRIVEセレクターを採用。ダイヤルを左に回すと「Sport」に、右に回すと「Sport Sharp」に、また、ダイヤルをプッシュすると「Intelligent」に切り替わる。

<前提>
燃費 軽自動車 17.5km/L EV 10km/kWh
CO2排出原単位 ガソリン 2.32kg-CO2/L 電気 0.381kg-CO2/kWh

1台当り年間約0.945tの削減(年間走行距離10,000km)
    (年間走行距離10,000km/軽自動車17.5km/L×ガソリン2.32kg-CO2/L)-
        (年間走行距離10,000km/EV10km/kWh×電気0.381kg-CO2/kWh)

CO2の年間約2,834t低減=1台当り年間約0.945tの削減(年間走行距離10,000km)×3,000台

(出典)
・軽自動車燃費17.5km/L:「社団法人 全国軽自動車協会連合会」ホームページより
・EV燃費10km/kWh:本共同開発による目標値
・ガソリン2.32kg-CO2/L:環境省地球環境局「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン」より
・電気 0.381kg-CO2/kWh:東京電力における2004年度のCO2排出原単位実績

(注5)燃費削減効果の年間約1.9億円の試算値

<前提>
燃費 軽自動車 17.5km/L
EV 10km/kWh
単価 ガソリン料金 128円/L
電気料金 10.07円/kWh

1台当り年間約6.2万円の削減(年間走行距離10,000km)
    (年間走行距離10,000km/軽自動車17.5km/L×ガソリン128円/L)-
        (年間走行距離10,000km/EV10km/kWh×電気10.07円/kWh)

燃費の年間約1.87億円低減=1台当り年間約6.2万円の削減(年間走行距離10,000km)×3,000台

(出典)
・ガソリン料金128円/L: 「財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センター」(給油所石油製品市況調査における関東圏の数値、消費税を含む)より(平成17年8月10日現在)
・電気料金 10.07円/kWh: 「電気需給約款」供給電圧6kV・契約電力500kW未満、業務用電力「10月1日から翌年の6月30日までの期間」料金による。(基本料金、消費税等相当額は含まない)

<本件に関するお問合せ先>
東京電力株式会社    広報部 電話03-4216-1111(代表)
富士重工業株式会社 広報部 電話03-3347-2029(直通)

【別 紙】

東京電力用業務用電気自動車の共同開発の概要

1.開発の概要

(1)内容:

富士重工業が開発を進めているEV「スバルR1e」をベースに、目標性能と経済性のバランスを勘案した仕様を定め、試作車両10台を設計・製作するとともに、実際の路上走行試験等を通じて性能、経済性を確認する。

(2)東京電力の業務車両としての仕様条件:

・ 定員 2名
・ 航続距離 80km(積載電池容量8kWhで市街地を走行した場合)
・ 急速充電 AC200V電源で15分(0~80%容量まで)
・ 通常充電 AC100V電源で8時間程度
・ 電池容量低下 初期容量の20%未満 (7年使用、総走行距離7万km)

◆開発を行うEVベース車両:「スバルR1e」

(3)期間:

平成17年9月~平成18年9月まで
o試作車設計: 平成17年9月~12月
o試作車製作: 1台目 平成17年10月中旬目途
全台完成 平成18年3月目途
o路上走行試験: 試作車完成後、順次実施

(4)製作場所:

富士重工業株式会社 スバル技術研究所(東京都三鷹市大沢3-9-6)

(5)開発体制:

東京電力株式会社

住 所:東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
社 長:勝俣かつまた 恒久つねひさ
事業概要:電気事業その他
本開発における役割:開発車両・主要機器の仕様の決定 / 充電器の設計・製作 / 試験走行データ収集・分析

富士重工業株式会社

住 所:東京都新宿区西新宿1丁目7番2号
社 長:竹中たけなか 恭二きょうじ
事業概要:自動車ならびにその部品の製造、修理および販売
本開発における役割:開発車両・主要機器の仕様の決定・設計・製作

(6)開発協力:

NECラミリオンエナジー株式会社

住 所:神奈川県相模原市下九沢1120
社 長:内海うつみ 和明かずあき
事業概要:自動車用リチウムイオン電池の開発・製造および販売
             資本金4億9,000万円(出資比率:NEC51%、富士重工業49%)
本開発における役割:車載用電池の設計・製作

<参考:EVにおける充電イメージ>

以上