2005年 5月12日

富士重工業 2004年度業績の概要

<2004年度業績:連結売上高>

スバル自動車部門は、国内において、登録車がレガシィの新車効果の一巡などから売上台数を減らしたものの、軽自動車のR2とR1の拡販で補い、合計では前年同期比4%増の254千台となった。また、海外でも、後半に新型レガシィを導入した北米を始め、欧州、豪州といった主力市場の好調を維持し、合計では328千台、同7%増の実績を上げることができた。国内海外合わせた全世界での売上台数は、同6%増の582千台となった。
また自動車以外でも、航空宇宙カンパニーの次期固定翼哨戒機・輸送機の売上への寄与や、産業機器カンパニーの国内向け新型発電機、米国向け産業機械搭載用エンジンの販売増などの成果があり、その結果、富士重工業グループ全体の連結売上高は、円高による為替の影響や米国生産会社での受託生産終了などの減収要因をカバーし、前年同期比1%増の1兆4,465億円と、過去最高を記録した。

<2004年度業績:連結利益>

利益面では、円高による為替の影響に加え、車種構成の悪化や安全・環境対応などの仕様向上分の価格吸収、原材料高騰の影響、米国生産会社での新型車立ち上げ準備による固定費の増加などの減益要因が大きく、試験研究費の効率的な運用や原価低減などの収益確保努力も及ばず、営業利益は前年同期比17%減の420億円、経常利益は同23%減の436億円に留まった。さらに航空関連の特定のプロジェクト事業での大幅な遅延発生による将来リスクの顕在化に備えた特別損失などを計上したことにより、当期純利益は同53%減、4期ぶりの減益となる182億円となった。

連結会計期間末(2005年3月末)におけるキャッシュフローは、現金および現金同等物が1,317億円と2004年3月末比77億円の減少、有利子負債は、同332億円増の4,122億円となっている。また、株主資本比率は2004年3月末比1.1%改善し34.7%となっている。

<2005年度通期予想>

通期の連結決算予想は、売上高は過去最高の1兆4,700億円、営業利益は310億円、前年同期比26%減、経常利益は同38%減の270億円、当期純利益は同18%減の150億円を計画している。

通期予想において、スバル自動車部門として、各市場での既存車種の大幅改良や顧客ニーズに適応した特別仕様車の戦略的投入、北米での新型車B9トライベッカの導入などで、前期なみの売上台数を確保し、航空宇宙カンパニーの収益回復などと合わせ、増収を見込んでいる。
一方、利益面において、現在の激しい販売競争下での安全・環境対応の仕様向上の負担増、原材料高騰の影響、米国での新型車導入による生産会社の固定費や販売会社の管理費などの諸経費増加を鑑み、減益を計画している。