2005年1月14日

富士重工業、東京都八王子市に「スバルアカデミー」を開設

富士重工業(竹中 恭二社長)は、東京都八王子市にある教育施設「スバル総合研修センター」内に、国内外のスバル特約店の人材教育を担う「スバルアカデミー」を1月16日より開設する。

スバルアカデミーは、富士重工業のグローバルな販売網の体制強化に対応し、国内外のスバル特約店の総合人材育成機能を持つ。今回、講習体系を再編し、新人から経営幹部まで計画的な育成が可能な2階層の教育プログラムを構築。新たに経営幹部や拠点長などのマネジメント層を対象とした「ビジネススクール」を開設し、国内に限らず、海外からも特約店経営者や販売・サービスの管理責任者を受け入れ、グループ全体での営業力強化を目的としている。さらに、セールス、サービスフロント、メカニックなど若手層向けの「トレーニングスクール」においても、海外からインストラクターやトレーナーを受講生として受け入れ、お客様対応力の向上を目指している。

開設する各講習内容は、お客様対応力の向上を狙い、実践力を重視している。特約店の新任取締役研修の新設や拠点長研修の拡充をはじめ、セールス向けには集合教育の機会を活用したロールプレイ中心の研修に刷新、さらにメカニック向けの研修も実習設備の充実にあわせて、故障診断技術の修得に有効な実技訓練に重点を置いた内容としている。スバルアカデミーでの教育受講者数は、年間約12,000名超、従来比1.5倍を見込んでいる。また、昨年からは、特約店の販売拠点に準ずる役割を担う業販店「スバルショップ」に対しても公開講座を開催し、積極的に受講生を受け入れて、人材育成の支援を行なっている。

「スバル総合研修センター」外観

講師には、販売現場感覚に優れた富士重工業社内の拠点長経験者を登用するほか、メカニック部門では、実践的な講習内容の組立のため特約店から第一線のメカニックを受け入れるなど組織の活性化を進めている。また、販売実績の高いトップセールスや拠点長、特約店の経営者などのグループ内のみならず、異業種のトップセールスやホテル、デパート、航空会社など接客の専門家を外部講師として招くなど講師陣の充実も図る計画である。

スバルアカデミー専用となるサービスメカニック教育用施設では、4輪シャシーダイナモメーターなど最新整備機器を導入し、スバルの最新テクノロジー教育に相応しい研修施設となっている。施設内には高難度技術対応を行なう「スバルテクニカルセンター関東」が併設されており、スタッフによる連携講習を実施し、メカニックの高難度修理技術の向上を目指している。
また、隔年開催の全国サービス技術コンクールを毎年開催に変更するとともに、新たに全国セールスコンテストの開催も計画しており、サービス技術力とお客様対応力の向上を図ると同時に、これらのレベルの全国均一化をさらに推進していく。

富士重工業は、これまで国内スバル特約店のセールス、フロント、メカニック向けの教育を、東京都三鷹市の東京事業所内にある「富士学園」で行なってきた。富士学園は、三鷹での運営が約40年経過し、建物・設備の老朽化と受講者数の増加により、新たな研修施設の建設が求められていた。また、富士重工業の海外部門のさらなる強化を目指しており、海外における人材育成を担当する機能の必要性も高まっていた。
今回、一層の顧客満足度の向上を狙い、国内外スバル特約店の総合人材育成機関としてスバル総合研修センター内に移転すると同時に、名称を「富士学園」から「スバルアカデミー」に変更し、新たにスタートすることとなった。

なお、スバル総合研修センターは、1986年に建設した従業員教育用施設「富士重工・研修センター」を増改築し、昨年11月に竣工式を行なったものである。この施設は、2003年に迎えた富士重工業の創立50周年事業の一つとして計画されたものであり、スバルアカデミーでのスバル特約店向け教育以外に富士重工業とその関係会社の従業員教育においても活用され、グループ全体の教育施設としての機能を持つ。

富士重工業は、中期経営計画「FDR-1」(Fuji dynamic Revolution-1)において、「販売活動の高質化」を掲げ、販売店体制の強化に取り組んでいる。今回の「スバルアカデミー」の立ち上げは、販売品質のソフト面での充実を図り、さらなるスバルブランドの強化を目指す取り組みである。

【施設概要】

名称: スバル総合研修センター
所在地: 東京都八王子市狭間町1460番地
総敷地面積: 10,396㎡(約3,150坪)
延べ床面積: 13,321㎡(約4,037坪)
宿泊室: 133室
最大宿泊人数: 165名
駐車場: 89台
実習用設備: 4輪シャシーダイナモメーター、4輪アライメントテスター、4輪ブレーキテスター、サイドスリップテスター、ヘッドライトテスター、門型洗車機、車両リフト14基、エンジンベンチ運転室、試走路(200m)、低μ路(15m)

【施設概要】

A棟(増築部分) B棟(既存部分) C棟(増築部分)
建物規模 地上7階建 地上4階建、地下1階建 地上3階建
床面積 5,141㎡ 4,569㎡ 3,611㎡
研修室 2室:収容人員100名 7室:収容人員326名 4室:収容人員120名
討議室 8室:収容人員112名
宿泊室 104室:収容人員105名
※うち1室は身障者用
29室:収容人員58名