2004年10月1日

富士重工業 ICタグによる蔵書管理システムを納入

富士重工業(竹中 恭二社長)は、非接触ICタグによる蔵書管理を行なう図書館向けシステム「スバル ライブラリー サポート システム」を宇都宮市立図書館(栃木県宇都宮市)ならびに宇都宮市立東図書館に納入、本日2004年10月1日より稼動する。

今回納入する「スバル ライブラリー サポート システム」は、ICタグを活用した蔵書盗難防止システム。バーコードを使用する既存の蔵書管理システムと連携しており、図書の貸出・返却処理は従来通りバーコードリーダーで行ない、そのデータをもとに図書に貼付されたICタグの通信機能で、ゲートでの貸出手続き確認を行なうというもの。正規の貸出処理が行なわれずに、図書を館外へ持ち出そうとした場合、ICタグの図書データと貸出データがマッチングせずに警報が鳴る仕組みになっている。
このシステムは、受付用のパソコンとバーコードリーダーから成る既存のシステムに加え、ICタグ登録用の据え置き型アンテナ及びリーダライタと館内の出入口にアンテナ内蔵型のゲートで構成される。

現在、大半の図書館ではバーコードを使用して図書の貸出管理が行なわれている。新設の図書館でのICタグの導入は、ICタグを図書に貼付するのみで容易であるが、既存の図書館にICタグの活用を検討すると2重のシステムとなり、管理、手続きが煩雑となる。
富士重工業は、バーコード方式によりゴミの種類、重量とゴミを排出するテナントを管理するゴミ計量システムを販売し、さらにICタグを利用する方式を研究中であった。これらの成果を応用し、既存のバーコード方式を採用している図書館向けにICタグ利用による蔵書管理システムの開発を行なったものである。
「スバル ライブラリー サポート システム」は、バーコードが貼付された図書とICタグが貼付された図書が混在しても、従来通りのバーコードを用いた手順でICタグを利用できる方式であり、バーコードを使用している既存の図書館でも、効率的に蔵書盗難防止システムを導入できる。

なお、このシステムは、将来、図書の棚卸・整理への活用、無人貸出・返却の対応など機能拡張が可能である。
例えば、図書の棚卸・整理は、アンテナを搭載した携帯型パソコンや無線LANの利用により、書棚の近くで該当図書のデータをパソコン画面で確認しながら実施することができる。
また、貸出カウンターにアンテナを設置し、利用者のICカードと図書のICタグを使用することによる無人での貸出処理機能と、アンテナを内蔵したコンベアを設置し、コンベアに返却図書を置くだけで処理が終了、ICタグの確認により図書の自動仕分けも可能な返却処理機能が追加できる。
さらに、エレベーター連動のビルの自律清掃ロボットシステム「RFS-1」「連結式搬送ロボット」や「放射性汚染除去水底ロボット」など、富士重工業がこれまでに培ってきた知能ロボット技術を応用し、連結式搬送ロボットによる図書の自動搬送機能の追加も可能となっている。