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2003年12月25日



富士重工業 自動車部品の新加工技術「ハードブローチ工法」を開発



  富士重工業(竹中 恭二社長)は、焼き入れ後の高硬度(HRC50~65)を有する部品を高精度で仕上げる加工技術として「ハードブローチ工法」を不二越の協力を得て開発し、スバルR2に採用している部品の量産に用いている。

  富士重工業はこの新工法を、CVTの可動用プーリーにおける内面ボールスプライン部の最終仕上げとして採用した。ボールスプライン部は変速をスムーズに行うため、高精度な加工が必要であり、以前は専用の研削盤で加工を行っていたが、設備が高価で加工時間が長いことからコスト高の要因となっていた。そこで、ボールスプライン部の高精度な精度を確保し、かつコストの大幅な低減を狙いとして、独自の機構を持つ「ハードブローチ盤」と長寿命の「超硬ハードブローチ工具(以下ブローチ)」を開発し、国内で初めて量産を可能としたものである。
  今回のハードブローチ工法の導入により、以前の研削加工の実加工時間60~90秒から約1秒と短縮、非常に高速かつ高能率に加工できる。それによって、複数台の研削盤をハードブローチ盤1台に集約し、設備投資額や生産スペース、電力量などの大幅な低減を実現した。また切削油は、セミドライ方式を採用すること削減し、環境負荷の低減にも対応を図った。

  本加工法は汎用性が高い事から、今回対象部品以外にも様々な部品に応用でき、拡大、展開が可能である。

  ブローチ工法:ブローチと呼ばれる総形工具を用いて、断面形状の複雑な穴などを一度に仕上げてしまう加工方法。工作物の下穴に挿入されたブローチが下方向に引き抜かれ、ブローチ下方の荒刃から上方の仕上げ刃へと工作物を少しずつ切削しながら、またはブローチを下方に動作させ切削しながら所定寸法に仕上げるというもの。しかし、ハードブローチ工法は、工作物が高硬度であり、切削する速度や工具の保持方法、ブローチの刃部にて構成される切り方(いわゆる切削方式)がピンポイントで適正であることが条件のため、非常に難しい。

 

     
【ハードブローチ工法における加工設備「ハードブローチ盤」について】
  「ハードブローチ盤」は、既存の不二越製工具移動式メカニカル高速ブローチ盤をベースに、そのほとんどの部分の見直しを行い、各部の剛性や精度を大幅に向上させた。特徴は下記の通り。
 
  1. 切削加工時、ブローチ後端部を保持しながら追随する機構を採用し、加工精度および工具寿命を大幅に向上(共同特許申請中)。
  2. ブローチ前端の掴み保持部においては、テーパークランプ機構とすることで、切削加工時の振動低減やブローチを掴み保持する精度向上を図り、加工精度および工具寿命を向上(共同特許申請中)。
  3. ブローチと部品が加工部位以外には接触せずに加工する特殊なガイド機構を採用することで、ワークに傷や圧痕が発生を防止(共同特許申請中)。
 
【ハードブローチ工法における加工工具「ブローチ」について】
  「ブローチ」は、切削刃部とフォルダー部を別体化したブレード方式を採用し、切削刃部では切刃形状、切削方式、超硬合金、コーティングにそれぞれ改良・専用設計を行い、低コスト、長寿命で安定した加工を実現している。特徴は下記の通り。
 
  1. 粗切削刃、仕上げ切削刃をおのおの専用化。粗刃部は、部品の熱処理後の変形バラツキに影響を受けないような独自の切削方式を開発し、仕上刃部に異常摩耗など悪影響が発生しないよう工夫(共同特許申請中)。また、仕上刃部は、低荷重、低振動となる切削方式を採用し、高精度・長寿命化を達成。
  2. ブレード(刃部)に使用している超硬合金は、チッピングなどの異常摩耗に対応するため、超微粒子系超硬合金に改良を加え専用化。また、コーティングは、(TiAl)N系コーティングを採用し剥離の発生を抑制するなどの改良を行い長寿命化。

 

 

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