2001年5月23日
富士重工業 新TQF21計画01ローリングプラン(2001年度~2005年度)を策定
富士重工業(田中 毅社長)は、昨年発表した戦略5ヶ年中期経営計画「新TQF21計画」を見直し、2001年度から2005年度までの5年間を対象とする「01ローリングプラン」を策定した。
「01ローリングプラン」では、自動車事業部門における国内全需の低迷、為替の影響による欧州市場の変化、好調を維持した米国市場などの2000年度の実績と、GMグループにおけるシナジーの進捗状況を踏まえ、これまで2004年度までだった計画を1年延長し、2005年度までの提携戦略や数値目標などを設定した。
本計画では、「プレミアムブランドを持つグローバルプレイヤー」という経営ビジョンはそのままに、今後も特色ある商品でGMグループにおいて確固たるポジションを築き、お客様をはじめとする全てのステークホルダーに満足していただき、加えて環境対応など社会調和を重視して、企業価値の向上を図っていくことを目標に置いている。
具体的には、売上高30%アップと品質・コスト・生産性の30%改善を掲げた『チャレンジ30』の行動指針の下、2005年度連結での売上高17,700億円(2000年度比35%増)、営業利益1,340億円(同64%増)、経常利益1,280億円(同79%増)、当期利益710億円(同214%増)、市場別売上台数80.4万台(同38%増)を目指し、会社の全部門にわたる640の数値目標とそのアクションプランを定め、社内活動(新TQF21活動)として取り組んでいる。
また、その重要施策としてあげられるGMとの提携効果については、マネジメントレベルの人員交流からスタートし幅広い分野での取り組みが進んでいるが、FIATのグループ参入などによる更に拡大したグループとして、真にWIN/WINとなる項目を最重点とし、かつ経営の主体性とブランドの独自性を重視して、その具現化を推進している。
【新TQF21計画 01ローリングプランの概要】
収益目標 (2005年度連結)
| 売上高 | 17,700億円 | (35%増) |
| 営業利益 | 1,340億円 | (64%増) |
| 経常利益 | 1,280億円 | (79%増) |
| 当期利益 | 710億円 | (214%増) |
| 有利子負債 | 3,350億円 | (8%減) |
売上台数(2005年度)
| 国内 | 軽 | 18.1万台 | (4.3%増) |
| 登録 | 17.3万台 | (34.1%増) | |
| 計 | 35.4万台 | (17.0%増) | |
| 海外 | 北米 | 28.5万台 | (45.5%増) |
| 欧州 | 7.0万台 | (91.2%増) | |
| その他 | 9.5万台 | (108.5%増) | |
| 計 | 45.0万台 | (61.8%増) | |
| 総合計 | 80.4万台 | (38.3%増) | |
※( )内は2000年度比、売上台数は海外生産用部品売上を含む
【経営目標】
※01ローリングプランの2002年度、2004年度は非公開
1.収益目標
| (連結) | (単独) (単位:億円、円/$) |
| 2000 | 2001 | 2003 | 2005 | 2000 | 2001 | 2003 | 2005 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 01ローリング プラン |
売上高 | 13,118 | 14,000 | 15,900 | 17,700 | 9,231 | 9,600 | 11,360 | 13,170 |
| 営業利益 | 816 | 840 | 920 | 1,340 | 564 | 670 | 660 | 1,010 | |
| 経常利益 | 715 | 770 | 870 | 1,280 | 544 | 640 | 620 | 970 | |
| 当期利益 | 226 | 400 | 470 | 710 | 303 | 330 | 330 | 540 | |
| 為替レート | 190 | 115 | 105 | 105 | 109 | 115 | 105 | 105 | |
2.主要経営指標(連結ベース)
| 2000 | 2001 | 2003 | 2005 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 01ローリングプラン | ROE(株主資本当期利益率) | 8.0 | 10.7 | 10.3 | 12.6 |
| ROA(総資産当期利益率) | 2.1 | 3.3 | 3.7 | 5.2 | |
| RONA(純総資産当期利益率) | 3.9 | 6.6 | 6.4 | 8.6 | |
| 有利子負債 | 3,651 | 3,750 | 3,600 | 3,350 | |
| 試験研究費 | 466 | 540 | 550 | 510 | |
| 設備投資額 | 436 | 690 | 860 | 620 | |
| D/Eレシオ(有利子負債株主資本比率) | 1.02 | 0.96 | 0.74 | 0.55 | |
※RONAはGM方式により算出
3.売上台数計画
| 2000 | 2001 | 2003 | 2005 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 01ローリングプラン | 国内 | 軽自動車 | 17.4 | 17.4 | 16.8 | 18.1 |
| 登録車 | 12.9 | 13.1 | 17.1 | 17.3 | ||
| 小計 | 30.3 | 30.4 | 33.8 | 35.4 | ||
| 海外 | 北米 | 19.6 | 20.2 | 23.1 | 28.5 | |
| 欧州 | 3.7 | 4.3 | 5.7 | 7.0 | ||
| その他 | 4.5 | 4.8 | 6.6 | 9.5 | ||
| 小計 | 27.8 | 29.2 | 35.4 | 45.0 | ||
| 総計 | 58.1 | 59.6 | 69.3 | 80.4 | ||
※海外生産用部品売上を含む
※四捨五入の差があるため、合計値は必ずしも一致しない
4.生産体制
| 対象工場 | 能増台数 | 増強後能力 | 設備投資額 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 01ローリングプラン | 登録車 | 車体 | 矢島 | 4,800台 | 32,200台 | 80億円 |
| 車体 | SIA | 5,300台 | 14,800台 | 150億円 | ||
| エンジン | SIA・大泉 | 13,000基 | 51,000基 | 270億円 | ||
| トランスミッション | 大泉 | 13,000基 | 50,000基 | 130億円 | ||
| 軽自動車 | 車体 | 本 | ― | 24,500台 | ― | |
| パワーユニット | 大泉 | ― | 24,500基 | ― | ||
| 設備投資額総計 | 630億円 | |||||
※増強後の年間車体総生産能力: 71,500台/月 × 12ヶ月 = 858,000台/年
【部門別計画について】
◆自動車
水平対向AWDなどのコアとなるスバルDNAを更に進化発展させ、GMグループにおいて確固たる地位を確立し、一方、先端技術の共同研究など次世代への布石を図り、コンパクトでプレミアムなスバルならではのラインアップで、80万台体制を構築する。
☆GM・スズキとの提携シナジーの進捗について
本計画に反映させた項目は以下の通りだが、その進行状況は、アイデア・構想レベルのものから、既に着手したものまで含まれており、あくまで本計画に計上している項目である。
1.商品
| ・多人数乗りワゴンの国内市場投入 | |
| 国内販売の強化の一環として、市場要望の高い多人数乗りワゴンを今秋発売する。 当該車両はGMグループのドイツOPELにて開発したものをベースに、スバル専用仕様を施し、GMタイ工場で生産し、スバル・ブランドにて販売する。 | |
| ・台湾での共同開発プロジェクト | |
| 大慶汽車(台湾)で生産しているインプレッサをベースに、GMと台湾市場向けの共同開発を行い、スバル・GM双方のブランドで販売するプロジェクトを検討中。 | |
| ・中国での軽自動車共同プロジェクト | |
| 中国において、当社のミニカーの現地生産を含め、GMと事業協力の可能性を検討中。 | |
| ・多人数乗り新コンセプトSUV共同開発プロジェクト | |
| 新コンセプトの多人数乗りSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)をGMと共同開発し、2005年に投入する計画である。スバルのプラットフォームを活用し、スバル、GMそれぞれのブランドで生産・販売する。スバルでは、北米から市場導入を開始し、世界展開する。 | |
| ・OnStarの導入 | |
| 米国市場において、スバルでは03MYから順次、GMが提供するテレマティクス・サービスであるオンスター(OnStar)を導入する計画である。 | |
| ・欧州市場向け新規開発車構想 | |
| 欧州における小型軽量低燃費車を、当社のCVTを用いてアライアンス・パートナーの協力のもとに開発することを検討中。 | |
2.技術
| ・AWD-CoE(All Wheel Drive - Center of Expertise) | |
| 既に欧米GMに技術駐在を派遣し、GMの次世代商品のAWD化について技術協力を開始している。 社内支援体制としては、本年4月に東京事業所にAWD-CoEセンター(スタッフ20名)を設置し、業務を開始している。 | |
| ・CVT-CoE(Continuously Variable Transmission - Center of Expertise) | |
| FiatとGMのジョイント・ベンチャー Fiat-GM Powertrainのハンガリー工場での、CVT生産立ち上げに際して、生産技術支援を行っている。 さらに当社CVTの現地生産も含めてグループとしてのCVT事業拡充を検討中。 | |
| ・環境対応の共同研究 | |
| 中長期に渡る排出ガスの高度な抑制技術について、双方の持つ固有技術を交換し、より合理的なシステムの共同研究に基本合意し、具体的な活動に入った。 | |
| ・先端技術の共同研究 | |
| 総合車両制御、燃料電池やハイブリッドなどの次世代動力、軽量化、安全技術、製造関係先端技術など30項目以上のテーマについて、双方の特質を生かすと同時に重複を避けることにより膨大な開発投資の節減合理化を進めている。 | |
3.生産
| ・アジア地域での品質向上に貢献 | |
| 多人数乗り車の国内導入をきっかけに、GMタイ工場の品質向上プログラムに協力している。 | |
| ・スバル車のCKD生産 | |
| GMタイ工場を活用して、スバル車をCKD生産し、タイ及び周辺市場において、スバルブランドで販売することを検討中。また中南米地域でも同様のCKD生産を検討している。 | |
4.販売
| ・アジア地域でのスバル車拡販 | |
| フィリピンではGM Autoworldを通してフォレスターの販売を開始する(既報)。 これに続いて、今後成長が見込めるアジア市場でのスバル車拡販にGM Autoworldを活用することを検討中。 | |
| ・北米でのスバル車拡販 | |
| GMの協力を得て、米国市場での販売網の改善とスバル車販売の強化を加速する。 また、GMの対法人営業プログラムに参画し、企業向け販売の充実を図る。 | |
| ・GMACを活用した金融サービスの充実 | |
| すでに台湾では現地スバルディーラーでGMACによる販売金融を活用しており、欧州ではスバルイタリアが、GMACの活用を決定した。 これに続いて他地域においても、スバルが充実した金融サービスを提供するべく、GMACの活用を検討中である。 | |
5.購買
| ・WWP(GM世界購買)活用による原価低減推進 | |
| 購買部門では、昨年度よりWWPプロセスへ本格的に参画をするため専任要員を配置し、取引先に対するGMグループ共同価格交渉などの共同購買活動を進めてきた。すでに10種ほどの部品・材料アイテムで具体的な低減効果を創出しているが、今年度は年間購買額の10%以上をWWPプロセスにのせる予定であり、最終的には30%を目指している。 | |
| ・スズキとの部品共用化 | |
| 両社の車両開発日程に合わせて、具体的な検討を推進中。 | |
6.物流
| ・スバル太田部品センターによるGM車補修部品取り扱いサービス | |
| スバル太田部品センターにて、GM Autoworld店に対するGM車補修部品の取り扱いサービスを、2002年4月から開始する。 これにより当社はこれまでの在庫削減努力によって生じた余裕スペースの有効活用や輸送費などのコスト削減が可能となり、GMは新たな設備投資が不要となる。 | |
| ・スバルの欧州物流会社設立とGMグループ欧州物流との協調 | |
| 当社は欧州市場での物流改善のため、三井物産、現地法人と共同で欧州物流会社を設立する。 将来的にはGMグループ物流部門との協調をも図り、さらに域内物流の改善を図る。 | |
7.IT
| ・ネットワーク接続 | |
| 共同開発でのデジタルデータ授受、コミュニケーション・インフラの拡充のため、GMと専用線接続を行った。 | |
| ・各種システムの共通化促進 | |
| 各共同開発プロジェクトの進行に合わせて、技術、デザイン、購買、製造など各分野での協調化を推進している。 | |
8.その他
| ・モータースポーツ/モーターショー | |
| スバル・GM相互のモータースポーツ/モーターショー部門の交流を通して、競争力、ブランド力の向上を図ることを検討中。 | |
| ・GM決済処理機能の活用 | |
| GMのもつグローバルな決済処理機能を活用することで、為替リスクのヘッジ、グループ内決済の効率化、国際電子送金の簡略化を検討中である。 | |
◆四事業部門
各々の事業部門としての成立性を第一義とし、その上で、さらに成長性を期待し得る有力分野への資源集中など枠組みの見直しを検討する。
1.各事業部門収益目標
| 売上高 | 営業利益 | |
|---|---|---|
| 産業機器 | 500億円 | 25億円 |
| バス・ハウス | 200億円 | 10億円 |
| 車両環境 | 200億円 | 10億円 |
| 航空宇宙 | 900億円 | 70億円 |
2.各事業部門 計画のポイント
| ・産業機器 | |
| 新シリーズ商品投入、中国合弁事業立ち上げなどによるグローバルロビン計画を遂行し、小型汎用エンジン世界No.3を目指す。 | |
| ・バス・ハウス | |
| バス市場の厳しい中、ミニマム日産2台のコンパクトな生産体制を確立するとともに、バリューチェーン拡大のため、リニューアル事業、部品売上の拡大を図る。またハウスは新商品を投入する。 | |
| ・車両環境 | |
| 車両事業は、収益性を優先し、一方、塵芥収集車フジマイティー、ゴミ処理プラント、ロボットなどの環境事業で売上高倍増を図り、自立化を期す。 | |
| ・航空宇宙 | |
| プライム事業と国際共同事業の積極的獲得に向け、営業と技術が一体化となった提案型事業展開を推進するとともに、資産圧縮および生産性向上を図り、経営体質の強化、売上高1,000億円の成長シナリオを追求する。 | |
以 上