基本的な考え方・方針

SUBARUでは、コーポレートガバナンスガイドラインにおいて、コンプライアンスの実践を経営の最重要課題の一つと位置づけています。そして、全社的なコンプライアンスの徹底がSUBARUの経営の基盤を成すことを強く認識し、企業活動上求められるあらゆる法令・社内諸規程等の遵守はもとより、社会一般の倫理、常識および規範に則した公明かつ公正な企業活動を徹底して遂行することを従業員一人ひとりに浸透させ、行動の実践につなげるべく、コンプライアンス体制・組織の構築および運営、ならびに各種研修等の活動を行っています。

コーポレートガバナンスガイドライン

企業行動規範と行動ガイドライン

SUBARUは、コンプライアンス重視の企業活動を実践するための遵守基準として、「企業行動規範」と「行動ガイドライン」を定めています。2017年度に、グループコンプライアンスの一層の推進を図るべく「行動ガイドライン」の内容を改訂し、SUBARUグループの全従業員が共通して所持している「コンプライアンスマニュアル」で詳細に、2018年度に発行した「コンプライアンスマニュアル・エッセンシャル版」でその要旨を簡潔に解説し、日常の行動のなかでの徹底を図っています。

コンプライアンスマニュアル
コンプライアンスマニュアル
エッセンシャル版

企業行動規範とは?

SUBARUの「企業理念」を踏まえ、お客様・お取引先様・株主様・社会などの各ステークホルダー(利害関係者)に対して、すべての役員および従業員が遵守すべき基本指針について定めたものです。

行動ガイドラインとは?

「企業行動規範」で示した基本指針を、すべての役員および従業員が日常の事業活動の中で実践するための行動の基準を具体的に定めたものです。


企業行動規範

  1. 私たちは、環境と安全に十分配慮して行動するとともに、創造的な商品とサービスを開発、提供します。
  2. 私たちは、一人ひとりの人権と個性を尊重します。
  3. 私たちは、社会との調和を図り、豊かな社会づくりに貢献します。
  4. 私たちは、社会的規範を遵守し、公明かつ公正に行動します。
  5. 私たちは、国際的な視野に立ち、国際社会との調和を図るよう努めます。

コンプライアンス規程

SUBARUは、コンプライアンスに関する体制・組織および運営方法を定めた基本規程として、2001年に「コンプライアンス規程」を取締役会の承認を経て制定しました。

2018年度は、コーポレートガバナンスガイドラインの改定内容の反映と、コンプライアンス実践の一層の徹底のためのコンプライアンス委員会の機動的運営の実現等の目的のもと、コンプライアンス委員会の審議、取締役会の承認を経て、同規程の改定を行いました。

コンプライアンス体制・組織と運営

SUBARUは、コンプライアンスを推進する全社的な委員会組織として「コンプライアンス委員会」を設置し、重要なコンプライアンス事項に関する審議・協議・決定、情報交換などを行っています。また、各部門はそれぞれコンプライアンス推進のための実践計画(コンプライアンス・プログラム)を毎年度策定し、継続的・計画的な自主活動を進めています。なお、SUBARUにおける完成検査業務に関する一連の不適切事案の判明を契機として、同委員会委員長を、2018年度は取締役会長が務め、2019年度からは新設されたCRMO(最高リスク管理責任者)である取締役専務執行役員が務め、コンプライアンスに関する取り組みを抜本的に見直し、実行しています。

リスクマネジメント・コンプライアンス室の設置

2017年度に判明した、SUBARUにおける完成検査業務に関する一連の不適切事案に対する深い反省に基づき、同じ過ちを繰り返さないために、SUBARUは2018年度より、全社的な法令遵守・コンプライアンス重視の取り組み強化の一環として「コンプライアンス室」を独立した組織として新設しました。さらに2019年度からは、同室にSUBARUグループ全体の内部統制とリスクマネジメントを企画・推進する実働組織としての役割を追加し、「リスクマネジメント・コンプライアンス室」に組織変更しました。リスクマネジメント・コンプライアンス室は、主に以下の業務を行っています。


  • SUBARUグループ全体の内部統制とリスクマネジメントの企画・推進
  • SUBARUグループ全体のコンプライアンス推進に関わる企画・運営(コンプライアンス委員会の事務局に関する事項含む)、コンプライアンス研修・教育・社内啓発活動の企画・運営および内部通報制度(「コンプライアンス・ホットライン」)の運営

コンプライアンス・ホットライン制度の改善

SUBARUグループで働く従業員や派遣社員は、グループ内のコンプライアンスに関する問題を発見した場合、上司を通じて解決する方法の他に、「コンプライアンス・ホットライン」を利用して「ホットライン・デスク」に相談することができます。

「ホットライン・デスク」は社内に設置されており、規則に基づいて任命された従業員が、郵送・電話・Eメールによる通報を直接受けつけ、事実調査や対応にあたります。通報者の所属・氏名は、通報者の同意がない限り厳格に秘匿され、通報したことにより不利益を受けることがないよう十分配慮されます。

2008年4月から、この制度に社外窓口として外部専門事業者による通報受付窓口を追加し、受付時間の拡大と通報者の氏名・所属の秘匿性強化を図るなど、さらに使いやすい制度とするよう努めています。

2018年度に「コンプライアンス・ホットライン」に寄せられた相談件数は199件で、その内訳は表の通りです。これらの相談に対しては、SUBARUコンプライアンス室長(※2019年度からは組織名称変更によりリスクマネジメント・コンプライアンス室長)を中心に事実関係を調査の上、コンプライアンス上の課題に対する迅速な解決に努めています。また、適宜経営層やコンプライアンス委員会に報告し、再発防止に向けた取り組みも行っています。

なお、同制度の周知を図るため、制度の仕組みや相談窓口の連絡先について記載したカードをSUBARUグループの従業員などに配布する他、各職場にはポスターを掲示しています。外部専門事業者による窓口機能については、ポスターに説明を織り込む他、社内イントラネットの画面上に掲載しています。2018年度は、些細な事でもおかしいと感じたら積極的に同制度を活用してほしいというメッセージを織り込んだデザインに、啓発カード・ポスターを刷新すると共に、各種コンプライアンス研修や関連ツールの作成・配布を実施しました(後段の「コンプライアンス活動実績」をご参照)。これらの取り組みにより、同制度を積極的に利用するマインド醸成を含む、従業員のコンプライアンス意識の向上が図られたことで、従業員からの相談件数が増加し、適切な対応・解決につながる件数も増加するといった制度運営の改善が見られました。

「コンプライアンス・ホットライン」の相談内容の内訳
項目 件数
職場環境 13件
労務・労働関係 78件
人間関係、ハラスメントの疑い 75件
その他コンプライアンス関連(業務違反・不正の疑いなど) 33件
合計 199件

「コンプライアンス・ホットライン」(相談・解決の流れ)

コンプライアンス・ホットラインカード

コンプライアンス活動実績

コンプライアンス研修

コンプライアンスの徹底には、SUBARUグループ全体で歩調を合わせて取り組むことが必要であるという考えのもと、全グループの従業員を対象とするコンプライアンス研修・実務法務研修を実施しています。この研修はSUBARUの法務部、リスクマネジメント・コンプライアンス室や人事・教育部門が主催しています。また、各部門・関係会社においては、実務計画(コンプライアンス・プログラム)に独自の教育計画を盛り込み、SUBARU法務部員、リスクマネジメント・コンプライアンス室員などを講師とする業務上重要な法令の勉強会やコンプライアンス啓発研修を実施することで補完しています。
2018年度は、法務部およびコンプライアンス室(2019年4月よりリスクマネジメント・コンプライアンス室に組織変更)が主催・関与したこれらの研修に、約7,700人が参加しました。

またコンプライアンスの日々の実践を推進するため、SUBARUのみならず、国内SUBARU販売特約店などの関係会社に特化したものも含め、様々な支援ツールを作成・提供しています。加えて、緊急度の高い情報については「コンプライアンス情報」をタイムリーに配信し、グループ全体の注意喚起に取り組んでいます。2018年度は、SUBARUグループの管理職を対象に「規範意識強化教育」を実施し、SUBARUにおける完成検査業務に関する一連の不適切事案およびその原因背景を共有し、各部門において同種同様の不適切事案を発生させない取り組みの促進を実施しました。また、10月のコンプライアンス月間に全社的に実施しているコンプライアンス研修について、例年の管理職を対象としたものから係長などの一般職を対象に追加し、コンプライアンスの裾野を広げる取り組みを実施しました。さらにコンプライアンス重視の企業活動の実践に資するツールとして、2018年度はコンプライアンスマニュアルのエッセンシャル版を新規作成し、SUBARUグループ全従業員へ配布しました。

コンプライアンス研修の様子
(東京事業所)
コンプライアンスマニュアル
エッセンシャル版

贈賄防止の取り組み

SUBARUは、事業に関係する贈賄行為の防止は重要な課題であると捉えています。

2015年には、贈賄防止ガイドライン(日本語・英語)をSUBARUグループに展開しています。当該ガイドラインにおいては、主に公務員と接する際の禁止行為および非禁止行為を示すことにより、役職員に求められる行動の明確化を図りました。2016年には、中国特有の社会事情を考慮し、中国版贈賄防止ガイドライン(中文訳付)を制定し、中国子会社に展開し、当該各社で規程化しています。

また、2017年には、国内関係会社に(日本語)、2018年には海外関係会社に(英語)発行したコンプライアンスマニュアルにおいても、贈賄防止を重要な課題として掲載し、公務員に対する節度ある行動が求められる背景を含めて周知すると共に、公務員に対する贈賄のみではなく、民間の取引先との公正な取引の徹底を図ることも求めています。

2018年度において、贈収賄にかかる違反や制裁をともなう案件は0件です。

安全保障輸出管理への取り組み

SUBARUは、国際社会における平和と安全を維持するため、武器そのものを含め、軍事転用可能な民生用の製品、技術などが、大量破壊兵器の開発を行っている国家やテロリスト(非国家主体)の手に渡らないよう、外国為替および外国貿易法に従い、自主的な輸出管理活動を行っています。

当該管理を目的とした全社規程を有しており、全社の取り組み状況を審議する機関として、輸出関連部門の全役員で構成される輸出管理委員会を年1回以上開催しています。

また、2016年度からは、一層の管理レベルの向上を目的とし、ITシステムを活用した輸出管理活動を開始しており、以降、システムの継続的な改善を実施しています。

さらに、2018年度からは、関連規程類に即した運用がなされていることについて、細かな独自チェックリストを活用した自主確認を開始し、当該結果を踏まえた継続的な改善活動を本格的に始動させています。